
知ってて安心! 自分でできる突然の雨漏りへの対応と応急処置

ある日、突然始まった雨漏り。誰しもが「すぐに止めたい、直したい」と思うことでしょう。しかし、直し方は対処方法となると具体的なことがほとんど分からないという方もきっと多いのではないでしょうか。
天井や壁などの染みが拡がっていく中、何をすべきか分からず、ただ見ていることしかできない… 気だけがはやるばかりで、ご自分の無力さやこれまでしっかりとメンテナンスをしてこなかった後悔だけが残る事になってしまいますよね。
このページでは実際に雨漏りがはじまってしまった時に行うべき応急処置とその手順をご紹介いたします。できる範囲内のことを行っておけば、被害も最小限に抑えられますし、その後の復旧費用も抑えることが可能なのです。
雨漏りには無理のない範囲での応急処置が絶対に必要
いきなり始まった雨漏り、お家のことがとても心配になるものの、ほとんどの方はどうしたらいいか分からず、ただ不安に過ごしてしまうばかりではないでしょうか。雨漏りの原因は屋根や外壁にありそうだけど、強い雨が降っていて確認することは不可能、しかも夜ともなれば、とても危険です。
しかし、それでもやらなければならないことがあります。室内などへの被害を最小限に抑えることです。

壁や天井などが水を含んだままとなれば、カビも発生するでしょうし、見た目も悪くなります。カビはアレルギーなどの病気の原因になりますし、見た目が悪いお部屋で過ごすのは嫌ですよね。また、直すのにも広範囲と小範囲では金額も違ってきますから、応急処置は絶対に行うべきなのです。焦ったり、落ち込んだりする気持ちは理解できますが、まずは起こったことに対して正しい行動を取ることが先決です。
まずは雨漏りしている部分の被害を最小限に抑えましょう
天井からの雨漏りの場合

天井への雨漏りが広範囲の場合、雨水が落ちてくるところも広範囲となり、多数のバケツでも受け止められないこともでてきますが、大きなビニールなどがあれば対処可能です。
雨漏りしているところをビニールで覆い、テープや画鋲などで固定してしまいます。ビニールの最も低い箇所に穴を開け、そこから雨水を排出してバケツなどで受け止めます。雨水が跳ね、バケツ等の周囲に飛散してしまう場合はバケツの底に雑巾などの布を敷いてあげましょう。飛び散ることを防止できます。

窓枠(サッシ)周辺や室内の壁から雨水が染み出てくる場合
基本的に雨水が染み出てくるところやその周辺に雑巾や布を置いて、吸収することで対処します。
染み出てくる量が多い場合はその床などに雨水が垂れてしまうこともあるので、ビニールなどを敷いてガードしてあげましょう。近くにカーテンなどがある場合は雨水で汚れてしまう可能性が高いので取り外すことをお薦めします。梅雨時など長雨が続く場合、雑巾や布などが足りなくなることもあると思います。その場合、代わりにペットシートなどを使うのも有効です。

漏電対策も怠らずに
建物の雨漏りにおいて最も怖いのが漏電であり、それによる感電や火災です。また、漏電によってブレーカーが落ちると、それまで通電していた機器が故障する可能性も高まります。雨漏りした上に、それが原因で電化製品などが壊れてしまったら、目も当てられませんよね。感電した場合、最悪の場合は死に至りますから、絶対に避けなければなりません。
建物の天井には照明器具、壁にはコンセントと、電線はさまざまなところにが張り巡らされています。雨漏りが室内に達するにはこれら電線が張り巡らされているところを通過してくるわけです。
天井、窓枠、壁と雨漏りしているところの内部やその近くに電線があってもおかしくありません。もちろん、電線は被覆されており、多少の水分では漏電しないようになっていますが、雨漏りによる漏電事故は未だに起こり続けています。

雨漏りしており、ブレーカーが落ちるのなら極めて漏電の可能性が高く危険です。漏電していないかを以下の手順で確かめてください。ちなみに夜間、人気がない建物で起こる火災のほとんどは漏電が原因だと言われています。
<漏電していないかのチェック手順>
❶全てのブレーカースイッチをオフにする↓
❷アンペアブレーカースイッチ(一番大きなスイッチ)をオンにして、次に小さなスイッチを1つずつオンにしていく
↓
❸小さなスイッチは各フロアやお部屋ごとのスイッチになっているので、オンにした途端ブレーカーが落ちたところが漏電しているフロアかお部屋に該当する
↓
❹ブレーカーが落ちた部分の小さなスイッチはオフにしておく
↓
❺漏電していなくても雨漏りしているお部屋やフロアのスイッチはオフにしておく

室内の濡れる場所をできるだけ少なくなくする、雨漏りによる漏電を防止する、この2つが室内でできる雨漏りの応急処置の全てです。
高い部分の外壁や屋根の上にのぼったりしなくてはならないことも多いため、屋外での応急処置はお勧めしません
雨漏りの応急処置として、雨漏りしている部分にブルーシートを掛けたり、防水テープを貼ったりと屋外でもできることは多いのですが、基本的に私達はこれらのことをお勧めしません。
単純に高所である屋根の上は危険ですし、雨の後は滑りやすいからです。受け売りの知識やネットの情報だけだと間違った処置をしてしまうこともあります。
私達はお客様やこのサイトをご訪問くださった方を危険な目に合わせたくもないし、損もさせたくないのです。危険を犯したうえで間違った処置をしていたなんてことになったら、目も当てられませんよね。「すぐにでも直したい」という気持ちはとてもよく理解できますが、絶対にやめておいてください。

雨が上がっても滑りやすい状態は当分続く
言うまでもなく降雨の最中は視界も足元も悪いので、屋根の専門家の私達でもよっぽどの緊急事態でもない限り、作業は行いません。天候の回復を待ってから作業に取り掛かることがほとんどです。また、雨が上がっても屋根などが乾くまではそれなり時間がかかるため、先程までの天候が嘘のような快晴になっても、しばらくは待つことも多いのです。
「急がば回れ」ということを忘れずに状況を見極めます。
屋根の上は高いから危険、濡れると滑るのでさらに危険
屋根の上は高いから危険だということは誰もがご存知だと思います。また、雨が降ると滑りやすくなるということもご存知でしょう。
これら2つが合わされば、とても危険ということも充分、ご理解できると思います。そして、屋根にはさらに危険が付きまといます。雨の後だけでなく、いついかなる時でも屋根の上は危険だからこそ絶対にのぼらないでほしいのです。勾配の問題
屋根材の形状などの問題
屋根の状態の問題

1階の屋根(下屋)などは地面から3m程度です。3m程度と軽く考えがちですが、自分身長のよりも遥かに高いのです。0mの地上の平地で転んだだけでも大怪我をすることもあるのですから、甘く見てはいけないのです。
知識のない業者は間違った工事をしてしまいがち
雨水が浸入してくる隙間を全て塞いでしまえば雨漏りは防げると考えている方は多いのですが、それは正しくもあり、間違ってもいます。雨水が建物の内部に浸入してきた場合、どう対処するのが適切かという考え方が抜けているからです。
防水性が高い金属屋根でも、屋根の下に雨水が入り込むことがあります。この入り込んだ雨水を室内にではなく、そのまま防水紙の下に染み込ませることなく、屋外に排出できれば雨漏りは発生しません。
知識がない業者などが行った雨漏り修理でよく見るのが隙間という隙間を全て塞いでしまうケースです。確かに雨水が屋根の内部に入り込むことは少なくなりますが、入ってしまった雨水が外に出ることもないので結果的に室内に排出され、雨漏りは止まらなくなります。さらにシーリングや雨漏り防止用の防水スプレーなどを多用し、間違って塞いではいけない部分を塞いだりしますと、直す際にはそれを撤去して元通りにしなければならず、かなりの手間がかかることとなります。その分、費用の負担も大きくなることが多いのです。


屋根材の隙間から排出できない雨水や湿気が
室内の雨漏りの原因となります!
2017年の高所からの墜落・転落による労働中の死亡災害は258人
厚生労働省の発表によりますと、2017年の高所からの墜落・転落による労働中の死亡災害は258人で、前年よりも26人増加したそうです。高所での作業をお仕事にしているプロの方でもこれだけの方々がお亡くなりになっているのです。こういった話を聞くと同じ高所での作業を仕事としている私達も身が引き締まりますし、危ない目にあった時のことを思い出します。
一般の方々が屋根にのぼったら、どうなるでしょうか。危険な目に遭わず、無事に屋根から降りる方もいるでしょう。危険な目に遭っても、何とか無事に屋根から降りる方もいるでしょう。無事に降りられなかった方も出てくるでしょう。そして、それは高所での作業をお仕事にしているプロの方よりも確実に多くなるはずです。
ご自宅やご所有なさっている建物の高所で危険な目に遭わせないためにも私達は存在しているのです。お客様のお家を守るのはもちろんのこと、お客様のお家のことでお客様を危険な目に遭わせないことも私達の存在理由の一つです。

やはり専門家に頼むのが雨漏り解決への最短ルート


自分でできる突然の雨漏りへの応急処置のまとめ
応急処置によって雨漏りの被害拡大は防げます
雨漏りの多くは天井、窓廻り、室内の壁など発生します
雨漏りで一番危険なのは漏電とそれによる感電と火災です
外廻りの応急処置は高所作業を含むことが多いのでお勧めしません
DIYでは誤った対処をしてしまうこともあります
最も確実なのが専門家に頼むことです




