
天窓(トップライト)からの雨漏りの発生原因と解決策・補修方法

おしゃれだから、室内に光を取り込みたいから等、理由は様々だと思いますが、近年天窓を設置しているお住まいが多いように感じられます。そのほとんどは新築時に取り付けたのではないでしょうか?
「部屋が明るくなる」「換気が出来る」とメリットの多い天窓ですが、雨水や太陽光に常時晒されている屋根に設置されているからこそ、メンテナンスを怠れば雨漏りを起こしてしまいます。
屋根塗装や葺き替え工事をご検討する際に「ついでに天窓も…」とご相談を多くいただきますが、天窓を問題なく使用する為に適したメンテナンス時期もございます。
そこでこのページではまず天窓の役割と種類、雨漏りが起こってしまう原因とそれらを解消するメンテナンス方法をご紹介します。今まで天窓の状態を気にしたことがなかった、雨漏りが起きているかも…とご不安を感じる方はご覧になった上でお気軽に無料点検をご利用ください。
目次【表示】
天窓の役割とは?
皆さんは天窓と聞くとどのようなイメージを持ちますか?
「部屋が明るい」「解放感がある」「掃除が大変そう」「雨漏りを起こしそう」等メリット・デメリットそれぞれが挙げられると思いますが、お住まいの立地・形状によっては「天窓があって良かった!」と感じている方が多いのではないでしょうか?
屋根面に設置する天窓はトップライトやルーフウィンドウとも呼ばれますが、最大の特徴は壁に取り付けられている掃き出し窓・引き違い窓・滑り出し窓等と較べ3倍以上ともいわれる採光効果です。
人は日光に当たることで体内リズムを整え精神を安定させ、丈夫な骨を維持するだけでなく病気の予防もしています。暗い部屋にいるよりも明るい部屋の方が気分も良くなるのは、まさに体の内部にまで良い作用が働いているということですね。出来るだけ部屋に光を取り込みたい!そう感じている方は多いと思います。しかし全てのお住まいが一般的な壁窓で光を取り入れられるわけではありません。

天窓はどのようなお住まい・スペースに適しているの?
隣家が近く窓を開けられない・開けにくいお住まい
吹き抜けのあるお住まい
階段付近に壁窓が設置できないお住まい
窓がなく階段スペースが暗く昼間でも照明をつけなければならない、そのようなお住まいも多いかと思います。間取りの問題から壁窓が設置できない場合、天井に窓を設置することで採光を確保することが出来ます。
室内の事故でシニア世代に多いのが「転倒・転落」、歳をとるにつれバランス機能も筋力も低下し、階段を踏み外せば骨折や頭部外傷等を起こし大変危険です。また小さなお子様にとっても階段は危険ですので明るくしておきたいスペースですね。

目的・用途に適した天窓の種類
開閉式と固定式(フィックス)


手動式と電動式

手の届く場所にある天窓はレバーを動かし開閉できる手動式も使用できます。高い場所でも長い棒状のフックを使用すれば手動式の天窓設置も可能ですが、リモコンでスムーズに開閉できる電動式の天窓がお奨めです。
電動式は天窓本体の価格も高いのですが、降雨時に自動で閉まるセンサーや熱を感知し設定温度で開閉する機能もあります。またリフォーム向けに配線工事が不要な電動ソーラーの天窓も販売されていますので、今では光を取り込むだけでなく快適な空間維持をサポートしてくれる優れものです。
ブラインドや網戸の設置、汚れが付きにくいガラスも!

遮熱ガラスは過度な温度上昇を防ぎ、さらに汚れがつきにくいガラスを使用すれば天窓が黒くなり採光がとれなくなるといった心配もありません。
天窓から雨漏りが発生したらどのような被害が見られるの?
クロスや見切り材への雨染み・黒ずみ
そのためまずはクロスや見切り材が雨水で濡れ、雨染み・黒ずみが発生します。黒ずみは汚れが混じった雨水の可能性もありますが、雨漏りが長期化した場合はカビが発生している恐れもありますので、せきが出るようになった等、体調に異変が生じる前に補修を行いましょう。

クロスの剥がれ・下地木材の腐食

天窓からの雨漏りの発生原因と補修方法
【原因1】天窓に施工されたシーリング材やゴムパッキンの経年劣化
天窓からの雨漏り調査で最もよく見られる原因がシーリング材やゴムパッキンの経年劣化です。

【原因2】天窓周りの防水紙や板金の経年劣化や施工不良
当たり前ですが天窓を設置するには屋根に穴を開ける必要があります。天窓設置後も屋根との取り合いから雨水が入り込まないよう、防水紙や板金で隙間を塞いでいくのですが、板金の立ち上がりが不十分だった、防水紙に小さな穴が開いていた、これだけでも雨漏りを起こしてしまいます。
天窓設置後10年前後が経過している場合は、防水紙や板金の経年劣化が考えられます。しかし施工直後に雨水が入り込んでしまうことはまずありません。この場合は施工不良以外に考えられません。必ず施工した業者に連絡し原因究明と再施工で雨漏りを改善しましょう。また何か不具合が生じた際に業者に不備があったのか、経年劣化によるものなのかの判断材料にもなりますので施工中の写真は保管しておきましょう。

【原因3】ゴミや落ち葉による詰まり
天窓は雨漏りのリスクに晒されているため水切り板金に返しがあったり、防水紙を十分に立ち上げたりと雨漏りを起こさせないような構造になっています。
しかし天窓の周りに想定していなかったゴミや落ち葉が詰まると雨水の流れは一気に変わり、溜まった雨水が板金内部に入り込んでしまいます(オーバーフロー)。
一時的に防水紙が濡れる程度であれば雨漏りは発生しません。しかし何度も続けばいずれは毛細管現象を起こし天窓の周りからじわじわと入り込み下地から腐食してしまいます。雨水の流れが変わったことが雨漏りの原因ですので天窓周辺の清掃を行う必要があります。簡単な補修方法にも感じられますが、周辺の屋根材を剥がさなければならないケースが多いため必ず屋根業者へ依頼しましょう。

天窓で雨漏りを起こさせないようにする為に最適なメンテナンス方法
ご自身で出来るメンテナンス
太陽光を取り込むために窓ガラスは定期的な清掃を行いましょう。傷がつくと汚れも付着しやすくなり透明度も低下します。そこで研磨剤を含まないスポンジ等を使用して拭きましょう。水道水を使うと乾いたときにカルキが付着し性能が低下しますので、軟水を使用するかしっかり拭き取るようにしましょう。結露はクロスに雨染みを残す原因にもなりますのでこまめに拭きあげましょう。
無関係のようにも感じますが雨樋が詰まりを起こしていると雨水の流れが悪くなり、オーバーフローによって雨漏りを引き起こす恐れがあります。特に雪や氷は雨樋だけでなく天窓周辺にも溜まりやすくなりますので、必ず屋根から雨樋まで雨水がスムーズに流れているか定期的に確認を行いましょう。
10年ごとの天窓点検
天窓設置後およそ10年でシーリング材が劣化し軽い雨染みが発生することがありますので、天窓メーカーや屋根業者で定期的な点検を行いましょう。
日本国内唯一の天窓専門メーカーの日本ベルックスでは、天窓に「10年間の漏水保証」をつけていますが、10年目の点検を行うことで保証を20年まで延長することが出来ます。それほど【10年】が大事な区切りであり、点検・メンテナンスを怠ると20年を待たずに雨漏りを起こしてしまう可能性が高くなるという事です。
安心点検では主にガラス周りのシーリング材交換、部品の点検・補修、グリスの補充、外面のガラス清掃を行います。
20年で交換をご検討ください
日本ベルックスの保証は最長25年ですが、20年以上でガラスの曇りや窓枠の著しい腐食が見られるようになりますので、天窓を安全且つ高性能で使用し続けるためにも20年程度で交換を検討しましょう。
屋根全体も防水紙の経年劣化が見られるようになる時期ですので、この機会に屋根カバー工法や葺き替え工事、葺き直し工事で雨漏りを防いでいきましょう。交換の際に高性能の天窓に取り替えたい、大きな天窓で採光を取りたい等ご相談がございましたらお気軽にご相談ください。

必要性がなければ撤去も一つの手です



屋根材はすべて軒側から棟に向かって葺かれています。天窓を撤去するだけでは屋根材を復旧できませんので、最低でも天窓位置までの屋根材をすべて取り除いていきます。雨漏りを起こしてしまっている場合は野地板が腐食している可能性もありますので、経年劣化を確認した上でメンテナンス方法を検討しましょう。



天窓を取り外してしまうと室内まで大きな穴が開いている状態になります。そこで屋根を葺く工程と同じく野地板・防水紙を葺き、下地を仕上げ雨漏りを防ぎます。部分的に防水紙を葺くだけでは重なりから雨水が入り込み雨漏りを起こしてしまいますので、屋根材同様必ず軒から棟に向かって葺き重ねていきます。



天窓のあった位置に関係なく屋根材を復旧し外装工事は完了です。天窓撤去後は室内の復旧工事も行わなくてはなりませんので下地合板を張り、仕上げに合わせて塗装やクロス等を施工していきます。内装工事を行う場合は足場が必要になるケースがございますので、工事前にあらかじめ確認しておきましょう。


天窓の雨漏り調査は信頼のおける屋根業者へ
屋根塗装メンテナンスは定期的に行っているものの天窓点検は行ったことがない、そのような方は非常に多いです。そしていざ雨漏りを起こしてしまった場合にシーリング材で隙間を埋めているお住まいが非常に多いのです。
しかし雨漏りとはそれほど単純なものではなく、改善したと思っていても別の場所からまた雨漏りが発生することも少なくありません。良かれと行った応急措置(シーリング補修)が雨水の浸入口を変えるきっかけにもなりかねませんので、天窓の内部構造を熟知しており適切なメンテナンス方法を提案できる屋根業者に依頼する必要があります。
正しい屋根工事を行う業者は屋根材の劣化はもちろん天窓や棟板金、防水材の不具合などを総合的にチェックし、どこからも雨漏りが起きないよう適切なメンテナンス方法をご提案致します。

屋根はお住まいを守る大事な役割を果たします。費用が安いから、早く工事が出来るからで業者を選ぶのではなく、お客様のお住まいに対して最適な工事を行う業者を見極めましょう。雨漏りが発生した以上勝手に改善することはありません。天窓周辺のクロスが剥がれてきた、カビが発生し黒ずんできている、雨水が垂れてくるといった普段と違うことが起きた場合は早めに点検・調査・補修を行いましょう。
私たちは無料点検、散水試験等で雨漏りの原因を特定した上で補修方法をご提案致します。天窓からの雨漏り補修で費用や施工内容に関してわからないこと、不安なことがございましたらご遠慮なくご相談ください。


天窓からの雨漏り発生原因と最適なメンテナンス方法まとめ
天窓はデザイン性・意匠性が高いだけでなく、健康と深い関係のある太陽光を効率的に取り込む屋根に設置する窓です
天窓は明るさ・通気性・防犯性の確保など、壁窓とは異なる視点でお住まいをサポートする役割を持ちます
天窓には開閉式・固定式・手動式・電動式と、設置個所とお客様のライフスタイルにあわせて選択が出来ます
天窓から雨漏りが発生するとすぐにクロスに雨染みが出来たり剥がれが生じたり、中にはカビが発生したりと様々な症状が表れます
天窓から雨漏りが起こる原因
原因1:天窓に施工されたシーリング材やゴムパッキンの経年劣化
原因2:天窓周りの防水シートや板金の経年劣化
原因3:ゴミや落ち葉による詰まり
天窓で雨漏りを起こさせないようにする為には、ご自身で出来る簡易清掃と10年ごとに専門業者での定期点検を行い、20年程度で交換を検討しましょう
天窓のメリットよりもデメリットを多く感じられる場合は、雨漏りが発生する前に撤去するのも選択肢の一つです
雨漏りが発生した場合、安易な補修はかえって原因がわからなくなってしまいます。必ず天窓を含め屋根全体の補修を行える業者へ工事を依頼しましょう
メリットが多い天窓だからこそ、雨漏りで悩まれることのないよう定期的なメンテナンスを心がけましょう




