
雨樋からの雨漏り原因と最適なメンテナンス・補修方法

雨天が多くなる梅雨時期や台風の時期になると、雨樋の不具合や、不具合から発展するトラブルについての相談が増えてきます。
普段はあまり意識してみることのない雨樋ですが、
・「バシャバシャ」という大きな音を立てて水が溢れている
・「ボタボタ」と壊れた雨樋から漏れた雨水が地面を打ち付けている
そんな普段とは違う状態を見ると大変不安になりますよね。
雨水が建物に悪影響を与えてしまわないかという心配もあります。
こちらのページでは雨樋の基礎知識から、雨樋に起因する雨漏りと解決策やメンテナンス方法について解説いたします。
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
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→雨樋の詰まり解消と対策についてはこちら
雨樋の補修には火災保険が適用になる場合があります。
→火災保険の利用について詳しくはこちら
建物に必ずある雨樋の「役割」と「構造」とは?
どんなお宅、建物にも必ず取り付けられている部材が雨樋ですね。その役割は冒頭でご説明した通りですが屋根に降った雨を地上や下水に排出する役割を持っています。その役割は非常にわかりやすいと言えますね。
次に雨樋の構造ですが、屋根で受けた雨漏りを運ぶ道を構成するため様々な部材によって成り立っています。どんなお住まいにも必ずある「軒樋」「集水器」「竪樋」は必ず理解しておきましょう。

屋根の軒先に平行に取り付けられた雨樋のことを指し、屋根からの雨水を受け止め、集水器に雨水を誘導する役割があります。(横樋とも呼ばれています)

軒樋と竪樋の連結箇所に設置されている雨樋の部材の一つです。横樋からの雨水を集めて、縦樋に雨水を流す役割があります。(集水桝とも呼ばれています)

屋根と垂直に取り付けられている雨樋のことを指し、集水器からの雨水を地上に排出する役割があります。
どんな時に雨漏りにまで発展するか?
雨樋が原因による雨漏りはこの「軒樋→集水器→竪樋」という雨水を排出する仕組みが正しく機能できていない場合に発生してしまいます。
想像していただくとイメージしやすいと思いますが、例えば軒樋の詰まりで排水不全が起こり、溢れた水が外壁に常に掛かってしまっているとしたら「傷んだコーキングの目地部分から水が入らないかな…」「外壁のヒビに水が入ってしまいそうで不安…」など心配になりませんか?

当たり前のように取り付けられているため、これまでは「何がそこまで重要なの?」と考えることもしなかったという方もきっと多いですよね。しかししっかりとした目的と役割があり雨漏りからお住まいを守ってくれているのです。
雨樋を構成する部材

雨樋が原因となる雨漏り発生原因とメカニズム
【雨樋に不具合がある場合に起こる雨水の影響】








割れてしまった箇所から漏れた雨水が外壁を伝い、留め具、そして留め具で固定するために空けた外壁のビス穴に一滴一滴と、雨が降るたび入ることになってしまえば間違いなく雨漏りへと発展してしまいます。
このように雨樋が正しく機能しないことによる弊害で発生する雨漏り被害、結果として建物の耐久年数を縮めてしまう可能性もあります。お住まいにとってそれほど重要な部材の1つなのです。
雨漏りを引き起こさないためには雨漏りの原因を理解することがまず重要です。早速見ていきましょう。
雨漏りの原因1:葉っぱや砂埃、ゴミなどによる「雨樋の詰まり」


オーバーフローした雨水は通常の「道」をたどることなく「直接地面に打ち付ける」、「軒樋を設置している鼻隠しや軒天、外壁などに直接雨水がかかる」、「あふれた水が風の影響を受けてバシャバシャと屋根にもかかってしまう」などといったように想定していない場所に雨水を運んでしまう事になります。
現在以下のような症状がもしお住まいにある場合は雨水の浸入口を作っていることになり、そこから間違いなく雨水が浸入します。そして時間の経過とともに雨漏りに発展してしまう可能性が非常に高いと言えます。





雨漏りの原因2:雨樋のひび割れや外れ
毎日浴びる紫外線や熱などの影響によって日々劣化を進めている雨樋ですが、経年により素材が弱くなることでひびや割れといった劣化を起こします。
また飛来物によって衝撃を受けたことによりひびや割れといった不具合を作ってしまう事もあります。
このような劣化が発生すれば雨水が漏れてしまう事は容易に想像できますよね。また台風や強風などの影響で雨樋の一部が外れてしまったなども要注意です。当然雨水が正常に排水できなくなり雨漏りを引き起こす原因となり得ます。


雨漏りの原因3:雨樋の歪みや勾配不良
実は雨樋には雨水を運ぶために適切な勾配がつけられ、設置されているのはご存知ですか?
なかなか日常生活で気づくことはないのではないでしょうか。
この勾配は適切に排水するために非常に重要で、もしゴミや土が堆積しその重みで歪みが生じてしまった、積雪の重みで曲がってしまったとなれば正常な勾配を維持できず、歪みや曲がってしまった部分から雨水が溢れ出す、勾配不良によって排水されず滞留した雨水がオーバーフローを起こすといったことがあり、雨漏りの原因を作ってしまう可能性があります。


「雨樋からの雨漏り」というのは「雨樋の不具合」とそれによって「雨水が掛かってしまう箇所の不具合」が重なることで発生してしまいます
例えば「雨樋の不具合」によって漏れ、地面に打ち付けられた雨水が跳ねて外壁に掛かってしまったとします。もし外壁に雨水の浸入を許すほどの「クラックやコーキングの目地の劣化といった不具合」があれば雨漏りへと発展してしまいますよね。
また「雨樋の不具合」によって溢れた雨水をバシャバシャと「塗膜の剥がれた鼻隠し」が浴びているような状態であればどんどん水を吸い込み雨漏りへと発展してしまいます。

もちろん現時点で雨漏りがしていなかったとしても、雨が降るたびに外壁や鼻隠し、軒天などにドバドバと雨水が当たることになれば劣化や腐食を助長・進行させ、不具合箇所を生み出し、そこに雨水が入り込むことで雨漏りを引き起こすことにつながりますので注意が必要ですね。
雨樋が原因の雨漏り解決策


雨樋の詰まり解消方法
軒樋や集水器を掃除し、詰まりの原因を除去します
屋根の軒先に並行に設置されている軒樋や集水器は天を向いて口を広げた状態で設置されているため雨樋の中でも詰まりが発生しやすい場所と言えますね。
例えば落ち葉、ゴミ、また土葺きの瓦屋根であれば土などが詰まりの原因の代表例ではないでしょうか。またどこからか運ばれてきた胞子や種が雨樋に堆積した土から発芽し、雨樋で植物が育っているといったこともありますが、いずれにしても排水を邪魔する原因を掃除し、取り除くことで詰まりを解消し、排水性を戻します。

※ご注意ください!※
・二階部分や高所に設置されている雨樋の掃除はご自身で行わず、私たち専門業者にお任せください。怪我をしてしまっては元も子もありません。・ご自身で掃除をする際にはむやみにホースで洗い流すことは避けましょう。逆に集水器や竪樋を詰まらせてしまう原因にもなります。
・雨樋には排水のために計算された適度な勾配がつけられています。衝撃や不注意な取り扱いに十分注意する必要があります。
高圧洗浄や一度外してメンテナンスを行うことで解消
集水器と竪樋をつなぐ呼び樋、外壁に沿って設置されている竪樋、樋の連結に使うエルボなど、外から排水の邪魔をする異物が取り除けない場合は、高圧洗浄機を用いて、水圧によって押し流すことで解決する場合もあります。
最も確実な方法としては雨樋を丁寧に分解し「どこに」「何が」詰まっているのかをきちんと確認した上で押し出したり、掃除をすることで詰まりを解消していきます。

※ご注意ください!※
・水圧によって押し流す場合、雨樋の曲がり部分や雨樋の詰まりが重度の場合は水圧では解消しない場合もあります。・雨樋は適切な場所に適切なパーツが取り付けられております。また分解時にパーツを破損してしまう恐れもあるため分解はご自身で行わず専門業者にお任せください。
・雨樋を叩いて振動を与えたり、棒などの長い物を差し込ん無理やり押し出すなどの行為は雨樋を傷つけてしまう可能性があります。強引なDIYはお控えください。
雨樋の全面交換のタイミングはいつか?
お住まいの外側に取り付けられている雨樋は、常に太陽からの紫外線や熱、また風雨にさらされた過酷な環境に置かれています。当然経年劣化を起こし素材自体が弱くなることでヒビが入ったり、ちょっとした力が加わったことで割れてしまうということも十分にあり得ます。
最も使用されている塩ビ製の雨樋であれば耐用年数は15年~20年程度です。
突発的な衝撃による不具合であれば不具合箇所のみの交換で問題ないでしょう。しかし経年劣化による不具合であれば、傷みが表面化したのは該当箇所のみで、それ以外の箇所でも劣化が進み不具合が表面化するのは時間の問題ということが十分考えられますよね。
もしご自宅の雨樋が耐用年数を迎えてしまっている場合は全面交換をご検討いただくと良いでしょう。

雨樋交換を検討中の方に向けての「お勧め!」
ゲリラ豪雨や集中豪雨など、通常の雨樋では排水が追いつかないほどの雨が降るような天候も少なくない昨今です。各雨樋メーカーもそのようなことを考慮し、雨樋の大型化や高排水化を取り入れた商品が販売されています。せっかく交換するのであれば排水性能にこだわって交換することをお勧めします。

塗装工事や屋根工事など足場が必要な工事を行う際に、同時に雨樋交換をすることで足場代を節約することができます。別々の機会に行えば、都度費用がかかる足場代も一度にまとめて行うことで経済的になりますよね。

雨樋の歪み・たわみ、勾配不良が発生している場合の解決方法


いずれにしても雨樋を構成する部材が劣化している状態ですので部分交換もしくは全面交換など状況に応じた必要な対応が必要になります。
部分的にひびや割れが発生している場合は部分交換による解決が可能


※ご注意ください!※
軽微なひび割れであればホームセンターやAmazonなどで手に入る防水テープによる簡易的な応急処置でも一時的にしのぐことは可能かもしれませんね。しかし何年もその状態のままというわけにはいきませんよね。DIYで行う防水テープによる補修はあくまでも応急処置レベルだと理解した上で行うようにしましょう。また早急に専門業者に見てもらうようにしてくださいね。火災保険を利用し、自己負担0円で補修や交換できるケースがあります

雨樋が原因の雨漏りを未然に防ぐためのメンテナンスについて知っておきましょう
雨漏りを誘発する雨樋の不具合やそれぞれの解決策について見てきました。本当であれば「雨漏り被害に遭ってから」ではなく「雨漏り被害に遭う前に定期的なメンテナンスを行い予防する」ことが正解ですよね。誰もがきっとそう思うのではないでしょうか。
次は雨漏り被害に遭う前に意識しておきたいこと、行いたいことについてご紹介します。
①自宅は雨樋の詰まりが発生しやすい環境に建物が建っていると自覚をすることも大切
油断大敵という言葉がありますが「うちは大丈夫!」や「雨樋のことなど何も考えたことがない」という方に限って被害に遭って初めて「定期的にメンテナンスをしておけばよかった…」と後悔するものです。
特に以下のような立地条件にご自宅が建てられている場合は「雨樋を詰まらせる原因」が身近に潜んでいます。日ごろから少しでも雨樋掃除やメンテナンス、雨漏り予防に目を向けるようにしましょう。










②「落ち葉防止ネット」を取り付ける

③塗装工事を行う際には一緒に雨樋の塗装もお願いしましょう
外壁塗装や屋根塗装を行う際に「ご一緒に」と必ず勧められる雨樋塗装。「必要かな?」と思われる方も多いことと思いますが、必ず一緒にお願いするようにしましょう。
塗装には「見た目」を綺麗にするためだけの目的ではなく、塗膜で素材を覆うことによって劣化を遅らせる目的もあるのです。長いお付き合いのお住まいだからこそ少しでも健康が長持ちするよう外壁塗装や屋根塗装を行う際には雨樋塗装も行うようにしましょう。
雨天時には常に休まず働いている雨樋 お住まいの重要部分だという意識を持ちましょう!
これまで「雨樋がどれだけ重要なのか?」「雨樋がなくなるとどうなってしまうのか?」など雨樋に意識を向けたことがなかった、考えたことがなかったということが実際は多くありませんか?あまりに当たり前に設置されているため当然とも言えるかもしれませんね。
しかし読んでいただいた通り、雨樋が原因となって雨漏りに発展するケースも多いという現実があります。特に雨樋からあふれた水は外壁にも屋根にもいたるところに運ばれ、いたるところで雨漏りを誘発してしまう可能性があります。
現在雨樋に不具合が発生している方は早急なメンテナンスを、また「不具合が見られる」「耐用年数を迎えようとしている」などといった場合は雨漏りが起きる前にメンテナンスを検討するようにしましょう。アメピタは雨樋の点検をいつでも無料で行っております。ぜひお気軽に無料点検をお申込みください。



雨樋からの雨漏り原因と最適なメンテナンス・補修方法まとめ
雨樋は屋根で受け止めた雨を地上や下水に排出する役割を持っています。
雨樋はお住まいの形状や一階建てか二階建てかによりますが様々なパーツで構成されています
雨樋が原因の雨漏りは
①雨樋の詰まり
②ひびや割れ
③歪みや勾配不良
によって排水が適切に行われなかったことにより起因します
雨漏りの原因ともなり得る「雨樋の詰まり」は定期的な掃除や高圧洗浄を用いて押し流す、また雨樋を分解してメンテナンスを行うなど状況に応じた対処を行うことで解消します
ひびや割れには部分交換が可能です
15年~20年という耐用年数を迎えた雨樋は全面交換がおススメです
雨樋交換を行う際は「高排水雨樋」や「経済的に工事をするため足場が必要な工事と同時に行う」などがおススメです
自然災害を受けた場合の雨樋補修や交換には火災保険が利用できるケースがあります
雨漏りを防ぎ、雨樋の寿命を長持ちさせるために落ち葉除けネットの設置や適切なタイミングで塗装を行うなどといったメンテナンスが必要となります






