今回、江戸川区春江町にお住まいのY様邸で実施した外壁塗装工事の内容をご紹介いたします。
工事のきっかけは「建物は築18年を迎えており、これまで一度もメンテナンスをしていないため、そろそろ手を入れる時期だと感じた」とのご相談をいただいた事からです。
また、同じ時期に建てられた近隣住宅が次々とメンテナンスを行っていたことも、工事を検討される理由になったそうです。
現地調査では、外壁に使用されている窯業系サイディングの表面でチョーキングや色あせなどの劣化が確認されました。
さらに、目地のシーリングには接着面の剥がれや表面のひび割れが目立ち、雨水の浸入リスクがある状態でした。
シーリング（コーキング）の劣化を放置すると、サイディングの損傷を早めるだけでなく、雨漏りにつながる恐れもあるため、早めの対応が重要です。
デザイン性の高いサイディングでしたので、当初はクリア塗装の選択肢も考慮しましたが、チョーキングの進行が見られたため、クリア塗装は適さない状況でした。
そのため、外壁は1色での仕上げとし、顔料入り塗料を使用する方法をご提案。
検討の結果、正式に工事をお任せいただくこととなりました。

ビフォーアフター

工事基本情報

施工内容	外壁目地シーリング打ち替え
築年数	築18年
施工期間	3週間（足場含む）
工事費用	詳しくはお問い合わせください

外壁の点検調査

Y様邸の点検調査の様子になります。
建物は築18年を迎える木造2階建てで、外壁には意匠性の高い窯業系サイディングが使用されており、デザイン性のあるお住まいです。
Y様からは、「これまで18年間、一度もメンテナンスをしておらず、近隣の同時期に建てられた住宅が次々と工事を行っていたことから、自宅もそろそろ手入れが必要だと感じた」とお話がありました。
外観は一見きれいに見えましたが、築年数を踏まえると、目に見えない部分で劣化が進んでいる可能性があります。
そのため、外壁の状態をより詳しく確認するため、細部まで調査を進めていきました。

外壁の塗装状態を確認したところ、手で触れると白い粉状のものが付着しました。
これは「チョーキング」と呼ばれる現象で、塗料が紫外線や熱の影響を受けて劣化した際に、塗料中の顔料が表面に浮き出る症状です。
チョーキングは塗膜の寿命を示すサインでもあり、この状態が見られる場合は塗り替え時期の目安といえます。
また、建物の側面や裏面など、日当たりの少ない箇所では水はけが悪く、雨水が残りやすいため、苔や汚れの付着が確認されました。
これらの汚れは、立地条件だけでなく、塗膜の劣化によって撥水性や防汚性が低下していることも一因と考えられます。
外壁に使用されている窯業系サイディングは、セメントや繊維質などを混合して成形した外壁材で、水分を吸収しやすい性質を持っています。
そのため、表面塗装が劣化・剥離すると、サイディング自体が水分を吸い込み、内部から傷む原因となるおそれがあります。
建物を長く安心して維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。

外壁に施されたシーリング（コーキング）には、劣化や剥離が確認できました。
外壁に使用されている窯業系サイディングは、製品ごとに規格寸法が定められているため、施工の際には縦や横の方向に「目地」と呼ばれる緩衝のための隙間を設ける必要があります。
この目地には、建物のわずかな動きによってサイディング同士がぶつかり、破損してしまうのを防ぐ役割があります。
また、防水性を確保するため、目地部分にはシーリング材による防水処理が施されています。
Y様邸では、新築から18年が経過しており、紫外線の影響によってシーリング材（コーキング材）が劣化し、接着面の剥離や断裂が確認されました。
シーリングの剥がれやひび割れは、雨水の侵入を招く原因となり、外壁材の劣化を早めるだけでなく、放置すると外壁からの雨漏りに発展するおそれもあります。
このため、早めの補修や打ち替えを行うことが大切です。

土台水切りや換気フードの塗装状態を確認したところ、外壁と同様に色あせやチョーキングといった塗膜の劣化が見られました。
外壁以外の付帯部分も年月の経過とともに劣化が進むため、定期的な点検とメンテナンスが重要です。
これらの劣化状況を踏まえ、外壁塗装工事をご案内したところ、Y様よりご依頼をいただきました。
塗料については、ラジカル型シリコン塗料とフッ素塗料の2種類を候補としてご提示し、検討の結果、ラジカル型シリコン塗料を採用して施工を行うこととなりました。
今回、お客様の外壁塗装工事の費用は、税別628,000円～承っております。
建物の状態や使用する塗料の種類によって金額は異なりますので、詳細につきましてはお気軽にご相談ください。

外壁塗装工事

高圧洗浄

足場を設置し、外壁塗装工事がいよいよスタートしました。
最初の工程は、外壁サイディングをはじめ、雨戸や鉄骨階段などの付帯部分を高圧洗浄で清掃する作業です。
高圧洗浄では、表面に付着した汚れやホコリ、劣化した旧塗膜を丁寧に洗い流します。
この工程をしっかり行うことで、新しく塗る塗料が下地にしっかり密着し、塗膜を長持ちさせることができます。
もし汚れが残った状態で塗装を進めてしまうと、塗料がうまく密着せず、剥がれや浮きの原因になるおそれがあります。
そのため、洗浄作業は仕上がりの美しさと耐久性を左右する、大変重要な工程となります。

シーリング作業

サイディング目地のシーリング（コーキング）は、打ち替え作業で対応しました。
既存のシーリング材を撤去し、その後に新しいシーリング材を充填していく作業工程となります。
撤去作業では、カッターを用いて接着面に切り込みを入れ、縁を丁寧に切り取りながら既存材を取り除きました。
既存のシーリング材の撤去後は、目地周辺にマスキングテープを貼って養生を行い、作業範囲を保護しています。
次に、新しいシーリング材を充填する前に「シールプライマー」を塗布しました。
プライマーはシーリング専用の下塗り材で、接着面との密着性を高める重要な役割があります。
確実な施工を実現するために、欠かせない工程です。

専用のガンを使用してシーリング材を目地に充填し、表面を整えて仕上げることで、シーリングの打ち替え作業が完了します。
作業において特に大切なのは、シーリングと目地の間に空気を残さないことです。
空気が入り込むと、熱で膨張した際にシーリングが膨れたり、最悪の場合は破損する恐れがあります。
そのため、充填の際には均一に隙間なく施工することが重要です。

今回使用したシーリング材は、オート化学工業㈱の「オートンサイディングシーラント」です。
この製品はサイディング外壁への使用を想定して設計されており、建物のわずかな動きにも柔軟に追従します。
さらに、耐久性や耐候性にも優れているため、長期にわたり外壁を保護する効果が期待できます。

下塗り

シーリング作業が終わった後は、塗装を行わない部分を丁寧に養生し、下塗り作業へと進みます。
今回の下塗り材には、エスケー化研の「水性ソフトサーフSG」を使用しました。
この下塗り材は、フィラーとシーラーの両方の性能を兼ね備えており、微弾性を持つことから、既存塗膜に生じた細かなひび割れをカバーする効果も期待できます。
下塗りは、外壁と上塗り材との密着性を高める重要な工程であるため、塗り残しのないよう外壁全体にしっかりと塗布しました。
また、下塗り後は十分な乾燥時間を確保することが大切です。
乾燥時間を守らず施工を進めると、塗料本来の性能が十分に発揮されない可能性があるため、時間を置いてから次の工程へ進めています。

中塗り・上塗り

中塗り・上塗りには、エスケー化研の「エスケープレミアムシリコン」を使用しました。
この塗料は、シリコン塗料にラジカル制御技術を取り入れており、従来のシリコン塗料と比べて高い耐久性を実現しています。
さらに、価格は一般的なシリコン塗料と同程度であるため、コストパフォーマンスに優れ、多くの施工で採用されています。
外壁の色は、ご家族で相談のうえ「SR-177」を選択されました。

下塗りの乾燥を確認した後、中塗り・上塗りの工程へ進みます。
この工程では、上塗り塗料を2回に分けて塗布しました。
塗料を重ねることで、仕上がりのムラを抑え、美しい外観を実現できます。
さらに、塗膜に十分な厚みを持たせることができるため、外壁の耐久性も向上します。

付帯部塗装

外壁の塗装が完了した後は、付帯部の塗装工程に進みます。
まず最初に行うのは「下地処理」です。
下地処理は、塗装前に下地の状態を整える作業で、「ケレン」とも呼ばれています。
具体的には、表面の清掃や旧塗膜の除去を行い、下地をきれいに整えることで、塗料がしっかり密着しやすい状態にします。
この工程を丁寧に行うことで、塗り直した塗料の耐久性や仕上がりに大きな違いが生まれます。
そのため、付帯部塗装においても欠かせない重要な工程となります。

付帯部の塗装には、エスケー化研の「クリーンマイルドウレタン」を使用しました。
この塗料は弱溶剤系で、使用時にはシンナーで希釈して塗布します。
水性塗料に比べるとやや匂いはありますが、密着性が高く、さまざまな下地に適応できることが特徴です。
耐用年数はおおよそ10～12年とされており、長期間にわたり付帯部を保護します。

付帯部の塗装も、外壁と同様に下塗り・中塗り・上塗りの計3回塗りで仕上げました。
これにより、塗膜に十分な厚みが確保され、耐久性と美しい仕上がりが実現できます。

完工

外壁塗装工事は無事に完了しました。
工事の終了時には、仕上がりをご確認いただき、問題がないことを確認して完了となります。
事前に行ったカラーシミュレーションにより、完成後のイメージを具体的に把握できたため、ご家族にも仕上がりにご満足いただくことができました。
今回の工事には、7年間の施工保証が付いています。
初回の点検は施工から1年後に実施し、その後は隔年で外壁の状態を確認する点検を行います。
施工後も安心してお住まいいただける体制を整えています。

こちらの記事を書いた施工店【アメピタ東東京支店】

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