昔からよく使われている屋根材といえば瓦屋根ですが、近年ではスレート屋根や金属屋根といった屋根に採用される建材が変化していっています。
瓦屋根は、非常に高い耐久力を持っていることやメンテナンスの手間が少ないなどメリットも多いですが、ほかの屋根材に比べ、重量のある建材であるため建物にかかかる負担が大きく、耐震性にも悪影響を与えるといわれています。
そこで、徐々にスレート屋根が採用されることが増えていき、一時期はトップシェアを誇っていました。
しかし、ここ数年ではガルバリウム鋼板製の金属屋根が急激にシェアを伸ばしてきています。
そんな金属屋根のメリット、デメリットについて紹介していきたいと思います。
- トタン屋根 ・・・鉄板を亜鉛でメッキした屋根材です。非常に安価で軽量という特徴を持っているため、一昔前までは一般住宅でもよく使用されていました。しかし、非常にサビに弱い、熱を通しやすいなど一般住宅の屋根材としては弱点が多く、現在では工場や倉庫などで採用される程度です。
- ガルバリウム鋼板屋根 ・・・鉄板をアルミニウムと亜鉛の合金でメッキした屋根材です。現在の住宅の金属屋根といえば、この素材が主流です。耐食性が高く、軽量で熱反射に優れる、多彩な塗装が可能になるなど、住宅の屋根材としては非常にメリットが多いです。
- ステンレス屋根 ・・・鉄にクロム・ニッケルなどを含んだ合金の屋根材です。とにかくサビに強いというメリットがあります。耐久性、耐食性は非常に優れていますが、屋根材としては高額という欠点があります。
- チタン屋根 ・・・耐用年数が50年以上と非常に長持ちする耐久力を持っています。また、非常に軽量なので、建物への負担が少なくなり、耐震性能に有利です。しかし、加工が難しく、高価な屋根材となってしまうのが欠点です。一般の住宅の屋根材として採用されることは少ないです。
金属屋根にも上記のように様々な素材があります。現在では新築業界、リフォーム業界共に、ガルバリウム鋼板屋根が主流です。
なので「金属屋根=ガルバリウム鋼板屋根」と考えておいても間違いありません。
スレート屋根なども、瓦屋根と比較すれば圧倒的に軽量です。しかし、ガルバリウム鋼板屋根は、それよりもさらに軽量で、建物にかかる負担を大きく軽減してくれます。屋根が軽量になれば建物の耐震性が向上するので、地震の多い日本の住宅にとっては最大のメリットと言えます。
建物の用途に合わせて、シンプルなものから複雑なデザインまで、さまざまな形の屋根に対応することができます。スタイリッシュな洋風建築に見える屋根形状には非常に適しています。
一般住宅に採用されることが多いガルバリウム鋼板屋根は、サビに非常に強いなど、高い耐久性がメリットです。また、経年劣化なども少なく、素材自体が比較的安価な面から、屋根の維持費自体を抑えられるという点も大きなメリットです。
金属屋根は非常に薄く作られているので、屋根を打つ雨音が室内にまで伝わるなど、遮音性が低くなってしまいます。
しかし、断熱材が一体となった屋根材や、屋根裏に対策をするなどすれば、遮音性の低さをカバーすることができます。
金属を素材とした屋根材なので、熱伝導率が高い、断熱性が低いという点もデメリットです。
何も対策を行わなければ、屋根部分から室内の熱が逃げる、外気温の影響を受けやすくなるなど、住みにくい環境になってしまいます。
対策としては、屋根裏断熱をする、断熱塗料を採用するなどの方法があります。
ガルバリウム鋼板屋根などは、サビに非常に強いというのが魅力です。しかし、金属なので錆びてしまう可能性はあるのです。風で物が飛んできて屋根材自体のメッキが剥がれて、そこからサビが広がってしまう・・・などのリスクがあります。
サビの放置は、雨漏りの危険があるので、台風後などはしっかり点検する必要があります。
金属屋根のメリット、デメリットは主に上記のようなところです。
年々金属屋根の人気は高くなっているので、屋根材としての改良も進み、デメリットの部分もかなり改善されつつあります。
したがって、最新の金属屋根素材であれば、デメリット面もそこまで気にしなくても良いかもしれません。
今回は金属屋根のメリット、デメリットについてご紹介しました。
メリットとしてご紹介した特徴は、地震や台風などの自然災害が多い日本のことを考えれば、非常に優れたメリットと考えられ、年々そのシェアが伸びているのだと思います。
ただし、どれだけ優れた屋根材であったとしても、デメリットはあるので注意しましょう。
特にガルバリウム鋼板屋根は非常に高い耐久力がセールスポイントとして押されることが多く、業者の説明を受けて、「ガルバリウム鋼板屋根はメンテナンスフリーだ」と勘違いをしている方も多くなってきています。
この考え方は、大きな間違いであり、どれだけ耐久力が高くても定期的なメンテナンスや点検は絶対に欠かすことができません。
自然災害で、大きな被害を受ける前に専門の業者によるメンテナンスや点検をしておきましょう。