谷板金からの雨漏り原因とメンテナンス方法
お住まいで雨漏りの原因を作る場所の代表格と言えば「屋根」ですよね。
その中でも最も雨漏りリスクが高いのが今回のお話しのテーマとなる「谷板金」です。
こちらのページでは、谷板金とはどんな部材なのか、どのような場所に設置されているのかといった基礎知識や、谷板金から雨漏りが生じる原因について詳しく解説しています。
また、谷板金から雨漏りが発生している場合の補修方法や、雨漏りを起こさないために心がけたいメンテナンス方法もご紹介させていただきます。
谷板金で悩むお住まいが多いからこそ、雨漏り原因やメカニズム、そして対処法をご理解いただくことで「雨漏りに悩まないためにどうすればよいのか」「雨漏りが発生しても何をしたらいいのか」がわかり、万が一の時にも慌てる必要がありませんよね。是非参考になさってください。
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
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谷板金とは?設置されている目的は?
そもそも谷板金(たにばんきん)ってどこのこと?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
谷板金とは、屋根の谷になっている部分に設置されている板金のことを言います。谷樋(たにとい)とも呼ばれますね。
雨水や雪解け水を排水するために設置されているのが目的で、雨水、雪解け水が集中する場所になりますから、必然的に他の部材よりも劣化スピードは早くなる上、雨漏りが発生しやすい場所となります。
谷板金が設置されている屋根
谷板金は、屋根の形状によって有無が変わってきます。どんな屋根にも存在するわけではないんですね。
つまり谷板金が設置されていない屋根もあり、例えばお馴染みの三角屋根(切妻屋根)や片流れ屋根にはそもそも谷が1つもないシンプルな屋根形状であるため谷板金は存在しません。逆に1つでも谷があればそこには必ず谷板金が設置されています。
またお住まいの屋根材には瓦やスレート、ガルバリウム鋼板やトタンなど様々な種類がありますが、谷板金はそういった屋根材の種類に関わらず屋根に谷があれば必ず設置される部材となります。
谷板金から雨漏りが発生する原因
谷板金から雨漏りが発生する原因は1つではなく、いくつかの理由が考えられます。こちらでは、谷板金から雨漏りが発生する原因を見ていきましょう。
経年劣化で谷板金が変形している
谷板金に限った話ではありませんが、日常的に紫外線を浴びている、太陽熱を浴びて高温になる、風雨の影響を受けている屋根は経年によって劣化をします。
この経年劣化による不具合が原因の雨漏りが非常に多いことを覚えておいていただきたいと思います。もちろん長年の使用に耐えられるような部材を使用し、正しく施工されていたとしても経年劣化は避けられません。
ではどのような経年劣化が考えられるのか?
その一つが歪みや曲がりです。こうした経年劣化が起こると、スムーズな排水を妨げることになり結果として雨漏りに発展してしまう可能性が高くなります。
錆による穴が開いている
板金部材である以上、錆が大敵である谷板金。
銅やガルバリウム鋼板といった金属が仕様されることが多いのですが、塗装が剥げ、むき出しになった金属部分に雨水が集中することによって徐々に錆が進行し、腐食が進むことで穴が開いてしまいます。
穴が開いてしまえば、そこから水が浸入し、雨漏りに発展することは想像しやすいですよね。
雨水のオーバーフローによる雨漏り
オーバーフローとは谷板金の排水能力を超えてしまった際に水が溢れてしまう現象のことを言います。ではなぜ排水能力を超えて、水が溢れてしまうのでしょうか。大きく二つの原因が考えられます。
これらオーバーフローの原因は経年劣化や施工不良といったものではなく天候や立地環境によって影響を受けてしまいます。そしてオーバーフローした雨水は屋根材と谷板金の間から入り込み、建物内部へと浸入するような格好で雨漏りを引き起こしてしまいます。
施工不良による雨漏り
私たちが谷板金の雨漏り修理をさせていただく際に既存の谷板金やその下に敷設されている防水紙の状態を確認させていただくと、残念ながら以前工事を行った業者による施工不良が確認できるケースがあります。
屋根、雨漏りを取り扱う同業者としては残念なことなのですが、原因究明と適切な対処法が求められる雨漏り修理の現場においてはこのような経験・知識不足の業者による雨漏り発生、再発がゼロではありません。
例えば「防水シートの施工不良」「不要な隙間まで埋めてしまうような強引なシーリング充填」などがそうです。対処法としては経験のある専門業者にお任せするのが最善ではありますが、お客様の立場で考えると「正しい業者選び」というのは本当に難しいですよね。ただし業者を間違えると雨漏りが改善されるどころか、悪化する可能性があることも覚えておかなくてはなりません。是非雨漏り修理業者の選びか方もご参考になさってください。
谷板金から雨漏りが起きる場合の補修方法
雨漏りを見つけたら、1日でも早くなんとかしたいですよね。谷板金から雨漏りが起きている場合でも、もちろんきちんとした補修をすれば雨漏りは解消できますので、ご安心ください。谷板金から雨漏りが起きている場合、屋根材が瓦屋根かそれ以外の屋根かによって最適な補修方法が変わってきます。
瓦屋根の場合、取り外した瓦を再利用できるため谷板金のみを交換する部分補修が可能です。
一方、スレート屋根や金属屋根などの場合、残念ながら1度取り外した屋根材は再利用することができません。また、谷板金を交換するためには周辺の屋根材も全て剥がさなくてはならないため、谷板金に面している2面の屋根材を丸ごと交換する必要が出てきます。
そうなれば施工費用がかさんでしまうため、谷板金を交換するのではなく、「カバー工法」で屋根を新しくする方がリーズナブルで雨漏りの根本的な解決に繋がるケースも多いということを覚えていただきたいと思います。
屋根カバー工法とは?
カバー工法とは、現在の屋根の上に新しい屋根材を重ねて設置する方法であり、谷板金の部分だけではなく屋根全体を新しくできるというメリットがあります。当然、雨漏りが起きている谷板金まで覆うように新しい屋根材を設置するので、もちろん雨漏りのトラブルも解消します。
【瓦屋根】谷板金を交換する補修の流れ
ここからは、谷板金から雨漏りがする場合の補修工事の流れをチェックしてみましょう。まずは、瓦屋根の場合の部分補修の流れを紹介します。
瓦屋根の谷板金を交換するには、まずは周囲に設置されている瓦を取り外す必要があります。この時、谷を挟むように設置されている両面の瓦を外していきます。
また瓦屋根の場合、取り外した瓦を度再利用するため、破損しないよう大切に残しておきます。
周囲の瓦を取り外したら、谷板金を撤去します。
谷板金を取り外すと、その下には防水シートが設置されていますがこの防水シートが建物内部への最終的な雨水の浸入を防いでくれています。そのため谷板金交換においては単に板金部材のみの交換ではなく、新しい防水紙を敷設することで雨漏り対策を施します。
防水シートの交換が完了したら、新しい谷板金を取り付けます。
屋根ごとの形状、また外壁との取り合い部分など現場に合わせて、板金職人の手によって加工した谷板金を設置します。
取り外した瓦を元に戻す復旧作業を行い完工です。
屋根が元通りになったら、最後に砂ぼこりなど雨水の流れを邪魔しないよう丁寧に清掃を行います。
【瓦以外の屋根】カバー工法で屋根を新しくする
続いて、スレート屋根や金属屋根など、瓦以外の屋根の施工の流れを解説します。
屋根カバー工法によって谷板金を補修するようなケースにおいてどのように工程が進むのか解説していきます。
屋根の棟(谷とは逆に屋根面がぶつかる山部分)に設置されている、棟板金と下地材である貫板を撤去します。谷板金同様、板金部材が設置されている棟も雨漏りが発生しやすい箇所なのです。
既存の屋根材の上から防水紙を敷設していきます。
瓦屋根における谷板金交換と同様ですが、板金部材や屋根材の下には必ず防水紙が敷かれ、雨水の浸入を防いでくれています。
防水紙を屋根全面に敷設したら、谷板金を設置します。
軒先やケラバにも同様、板金を設置し屋根の雨仕舞を完成させます。
新しく重ね葺きする屋根材を設置していきます。
カバー工法においては既存の屋根材に重ねるような形で新しい屋根材を葺くため、当然のことながら屋根の重量が増してしまいます。重量が重くなれば耐震において不安のある屋根となってしまうため、軽量な金属屋根をカバー工法においては用いることが一般的です。
棟部分に貫板を設置し、被せるように棟板金を固定すれば完工です。
屋根の頂点に当たる棟は真っ先に雨水が当たるため、谷板金同様、雨水の影響を受けやすく雨漏りが発生しやすい場所と言えます。そのため錆に強いガルバリウム鋼板や貫板も木材ではなく樹脂製のものを用いることで、より雨漏りに強い屋根へと生まれ変わります。
谷板金からの雨漏りを防ぐために
谷板金からの雨漏りが発生している場合には、補修をすれば雨漏りが解消するとお伝えしました。もちろん雨水を浸入させてしまった原因箇所の谷板金を交換すれば雨漏りは解決します。
しかし補修によって谷板金からの雨漏りを直したとしても、対策やメンテナンスをせずに放置していては、また十数年後に穴が開いて雨漏りを繰り返す恐れもあります。
そこでこの項目では、谷板金からの雨漏りを予防するために覚えておきたい対策をご紹介します。
ステンレス製の谷板金への交換がおすすめ
せっかく谷板金を交換するのであればできるだけ寿命が長く、耐久性の高い谷板金を選びたいですよね。
現在主流のガルバリウム鋼板の谷板金も錆びに強く、20年~30年程度の耐用年数を持ちますが、さらに耐用年数が長いのがステンレス製の谷板金です。
ステンレスといえばサビにくい金属として有名で、キッチンなどの水回りでもよく使用されていますよね。谷板金は雨仕舞のために設置する部材だからこそ、サビに強くて穴が開きにくい素材を使用することもお住まいを長持ちさせるためには大切ですよね。
雨漏り被害を出さないためには定期点検も必要
耐用年数が長いガルバリウムも、またステンレスも全く劣化しない・錆びないというわけではもちろんありません。
塗膜が剥がれてしまったことから錆びが始まった、もらい錆によって腐食が始まったということがあり得るわけです。当然そうした劣化を見逃したり、放置してしまえば経年によって穴が開き、新たな雨漏り発生原因となるわけですね。そうしたことを防ぐためにも定期的な屋根の点検が必要不可欠というわけですね。
定期的に点検をしていれば、谷板金の劣化や不具合はもちろんですが谷板金以外の屋根のトラブルも発見しやすくなります。
定期点検をすれば谷板金のゴミも清掃できる
谷板金から雨漏りが起きる原因に「雨水のオーバーフロー」がありましたね。
落ち葉やゴミなどが詰まりの原因となって雨水が溢れてしまう現象ですが、こうした詰まりの原因は台風や強風によって運ばれてきたりするためご自身でコントロールすることが難しいですよね。
私たちにできることは、ゴミや落ち葉によるつまりを放置することなく定期的な点検によって詰まりが発生しているようであればこうしたゴミや落ち葉を取り除くということです。こういう意味でも特に悪天候後、台風後、落ち葉の季節には点検を怠らないようにしたいところです。
谷板金からの雨漏りを防ぐために
雨漏り原因となることが多い屋根、その中でも特に雨漏りが多いのが谷板金です。
つまりそれだけ雨水が集中し、屋根にとっては重要な役割を果たしているということでもありますよね。谷板金の交換には屋根の構造や屋根材ごとの最適な補修方法など専門的な知識と技術が必要となります。
雨漏りを再発させないためにも適切な原因究明と補修工事が必要となります。アメピタではこれまで谷板金が原因の雨漏りを多数解決に導いてきました。雨漏りに困った!もしかして谷板金かしら?こうした不安のある方は是非雨漏り専門アメピタの無料点検をご活用下さい。状況に応じた最適なご提案とお見積りをご用意いたします。お気軽にご相談ください。
谷板金からの雨漏り原因とメンテナンス方法のまとめ
谷板金とは屋根の谷に設置されている板金部材で、谷樋とも言います
切妻屋根や片流れ屋根のような形状の屋根には谷がないため谷板金は存在しません
谷板金からの雨漏り原因としては経年劣化による谷板金の変形、錆びによる穴あき、雨水のオーバーフローなどが挙げられます
谷板金の補修方法は現在の屋根が瓦屋根なのか、それ以外(スレートや金属)なのかに分かれます。
瓦屋根の場合は、既存瓦を撤去することで谷板金のみの交換が可能です。
スレート屋根や金属屋根の場合は谷板金の撤去時に、屋根材の撤去も必要となり、屋根材の再利用ができないため雨漏りの根本的な解決と費用を考えると屋根カバー工法がお勧めです
谷板金からの雨漏りを防ぐために定期的な点検や詰まりの原因の排除が重要です
目に見えにくい箇所ですので錆や穴・歪みなどの不具合を早期発見するためにもアメピタの雨漏り無料点検をご利用ください。 ≫