別荘をお持ちの方で、久しぶりにこの夏訪れてみたら、屋根が荒れていて雨漏りを起こしていたという方もおられるのではないでしょうか。
特に海沿いや山間にある別荘は通常の住宅とは環境が異なりメンテナンスに手間がかかるものです。たまにしか行かないこともあり、別荘の状況が分からないまま放置されてしまうこともありますよね。

このページでは、海沿いや山間などに別荘やログハウスをお持ちの方にメンテナンスの方法を解説します。
・たまにしか使わない別荘をしっかりメンテナンスしておきたい
・ログハウスの雨漏りをなんとかしたい
現在、雨漏りでお困りの方も、雨漏りしないようにお手入れしたい方もご参考にしてください。アメピタでは立ち合いなしでの点検も承っております。

たまにしか使用しない別荘だからこそメンテナンスが必要

別荘は、森の中や海沿い近辺などに建てられていることが多く、そもそも劣化の進行が早い環境にさらされています。せっかく別荘を購入し自然の中でのんびりと休暇を楽しもうとしても建物の修理ばかりでは嫌になりますよね。
そうならないためには、やはり自宅同様に定期的なメンテナンスが必要です。
別荘やログハウスの建っている環境をよく考慮して、どのようなメンテナンスが必要かを把握しておきましょう。

雨漏りになる前に　定期的に屋根・外壁塗装メンテナンスを

別荘を長持ちさせるためには、屋根・外壁塗装を怠らないことです。
自然の中に建てられた別荘は、紫外線や雨水の影響を受けやすいため、そのダメージから守ってあげなければ劣化は早く進みます。別荘の建物の素材を大切に長期間使用するためには、素材を保護する塗装のメンテナンスは不可欠といえるでしょう。
塗装メンテナンスをしないで放置していると、屋根・外壁が著しく劣化し、はやい段階で屋根の葺き替えや外壁の張り替えが必要になり高い出費になりかねません。

海沿いの建物の場合は塩害の被害に遭うため、鉄部のサビの進行はとても早くなります。
塩害は、鉄部だけではなく様々な外壁材や屋根材も劣化を早めてしまうので注意が必要です。海の近くでは塗装で保護できる部分はその塗膜によって塩害から出来るだけ守ることが重要です。

また、森の中や山の中にある別荘の場合は、周囲が草木に覆われています。
草木が茂って草刈りもせずに放っておくと、雨が降りジメジメした環境が建物の周りに発生します。そのため外壁にコケやカビなどが発生しやすい環境になり、外壁が汚れ劣化していくのです。

人が住んでいない別荘やログハウスは劣化が早い

家は人が住んでいなければ、劣化が早くなるということは皆さんご存知だと思います。空き家になった家は、住んでいる家よりも早く老朽化してしまいますよね。
別荘も同じことです。
年に数回しか行くことがなく、何ヶ月もの間、窓を閉めっぱなしにしておいては室内が湿気で覆われ傷んでくるのは当然のことです。
なぜ人が住んでいないと早く劣化が進むのかをみていきましょう。

室内の換気ができていない

空気の入れ替えのない室内は、湿気だけではなく有害な物質や高温多湿で害虫が発生します。また、壁や床に湿気が回ってしまうと壁紙が剥がれ、カビが生えてしまうかもしれません。換気をしなければ建物の建材が湿気を効率よく放出できないため適切に維持できなくなるのです。
定期的に窓を開けて風を通し、室内の湿った空気を解放させなければ長持ちさせることはできません。休暇でゆっくり過ごす目的でなくても換気をするためだけに訪れることが重要です。

室内の清掃ができていない

室内の掃除ができていないと、ホコリやチリが溜まってダニが大量に発生します。ダニは、湿気を吸ったソファや絨毯、ラグなどの繊維物に発生するため誰もいない別荘は、絶好の住処にもなります。別荘を離れる前には、できるだけ掃除をしっかりと行うように心がけましょう。
次に来た時にダニだらけで、ソファに座った途端に体中が痒くなるのも嫌なものですよね。

劣化に気づかないため補修が遅れる

人が住んでいないと、雨漏りなどが起きていても、誰も気づかず放置し続けることになります。一部の劣化が他の部分の劣化まで早めてしまい、建物全体の劣化に繋がることもあるのです。
例えば、森や山の中の別荘やログハウスの場合は、木の葉がよく雨樋に詰まることがあります。落ち葉で詰まった雨樋に大雨が降ると、雨水はスムーズに流れず溢れてしまい軒天を伝って、普段あまり濡れることがない外壁部分を濡らしてしまいます。
それにより外壁の劣化から雨水が壁内に浸入し、重要な柱や梁などの材木を腐食させてしまうのです。

このように、住んでいれば分かることも気づかないままの状況で放置することが危険なのです。補修が遅れたら、やはり修繕箇所は広がってしまいますので費用も高くつくことになります。

別荘でよくある雨漏りケースとメンテナンス

別荘やログハウスは通常の住宅と比べて建っている環境が違うため、雨漏りがしやすい環境と考えて良いでしょう。普段人が住んでいないこともあり劣化しやすく、また独特の山沿いの大雨や強い紫外線、塩害など建物にとって決して良い環境とはいえません。
別荘でよくある雨漏りのケースとそのメンテナンス方法をみていきましょう。

アスファルトシングル屋根の雨漏り

剥がれた屋根の表面に苔が発生するなど、屋根の表面が汚れたり屋根材が剥がれている場合は、放置せず早めに点検・補修を依頼してください

アスファルトシングルとは、ガラス基材にアスファルトを浸透させ表面に石粒を吹き付け接着してある屋根材のことです。シート状に形成されているため扱いやすく、屋根の複雑な形状にも対応できる素材なので施工しやすい屋根材といえます。洋風の雰囲気があるため、おしゃれな別荘やログハウスの屋根として使われることも多い屋根材です。
そのアスファルトシングル屋根が、放置した結果気づいたときにはボロボロになって雨漏りしていたということもあります。

アスファルトシングルは経年劣化でめくれや浮きを起こします。軽度なうちに専用の接着剤で補修できれば良いのですが、それがひどくなると破れて破損してしまうこともあります。
アスファルトシングルが剥がれてしまうと下の層まであらわになってどんどん劣化が進んでしまうのです。
また、アスファルトシングルの表面に施されている小さな石が取れてしまって防水性が落ち、コケやカビが生えたりする現象が起こります。それがさらに劣化を促進させます。

アスファルトシングルの剥がれや劣化が広範囲に及べば、屋根葺き替えやカバー工法での改修が必要になります。早いうちにしっかりと点検し、メンテナンスすることが重要です。

谷樋（谷板金）からの雨漏り

両サイドの屋根から流れる雨水を受け止める谷樋は、錆びが原因で穴が空くとそこから雨漏りに繋がります

谷樋（谷板金）とは、屋根の谷部分の通水路のことで板金で作られています。屋根の谷部分は、両サイドの屋根から雨水が集まる場所なので劣化しやすく雨漏りしやすい場所ともいえます。

以前の谷樋は銅製のものがほとんどでしたが、最近は銅が腐食し穴が空いて雨漏りの原因になるため錆びにくいガルバリウム鋼板やステンレス製の谷樋が使われる場合が多くなってきました。

その谷樋から雨漏りがする原因は、やはり経年劣化による錆が原因です。錆が進行して穴が空きそこから雨水が入り込み雨漏りが発生します。
また、長い谷樋の場合は途中で継ぎ目があるため、その部分が歪むと雨水が溜まりやすくなりサビの原因に繋がっていきます。

別荘では、特に森や山の中では落ち葉がたくさん飛んできます。
谷樋に引っ掛かり詰まってしまって、雨水が溢れてしまうとオーバーフローになり谷樋から漏れた雨水がやはり雨漏りへと繋がっていきます。
夏のゲリラ豪雨や台風の大雨の時には注意が必要です。

別荘では、この落ち葉やゴミの詰まりが原因で雨漏りすることが多いので、詰まりが無いか点検することが重要です。

天窓からの雨漏り

天窓にはコーキング補修や錆びた板金の補修など、定期的なメンテナンスで大きな不具合を防ぎましょう

天窓とは建物の屋根に取り付けられた窓のことで、自然光を取り入れて別荘の室内を明るくおしゃれな空間に演出してくれます。

しかし、天窓は屋根に付いていることでも分かるように雨を直接受ける位置に存在します。
昔に比べて天窓の性能はよくなり雨漏りは少なくなりました。しかしやはり経年劣化とともに注意しなければいけない部分であり、現在耐用年数を迎えている天窓も多いかと思われます。
そもそも屋根は雨を防ぐためにあるものなので、その屋根に穴を開けて窓を設置するということに本来は無理があるのです。

対処方法としては、定期的に点検し、パッキンが剥がれてきた部分のコーキング補修、緩んだ釘の補修、錆びた板金補修などをすることで雨漏りを修理または未然に防ぐことができます。
さらに、耐用年数を迎え不具合が多くなってきた天窓は交換もおすすめします。

ログハウスの雨漏りは避けられない！？

ログハウスは丸太など原木に近い木材で作られた家のことです。

天然木の丸太を積み上げて建てられているログハウス。木材の腐食を防ぐ塗装によるお手入れもお忘れなく

ログハウスの屋根は一般的な住宅と構造はほぼ変わらないのですが、外壁は丸太組構法とも呼ばれる、上下の丸太をピッタリと交差して積み上げる工法で建てていきます。
建築時には隙間なくピッタリと収まっている丸太も、天然木のため伸縮を繰り返すことで丸太同士の交点に隙間ができることになり、その結果雨が浸入するので、ログハウスというのはどうしても雨漏りになりやすいものだと思っていてください。
雨が浸入する事で腐食してしまうこともありますからはやめに対策しておきたいものです。

雨水の浸入を防ぐ対策として、コーキングで隙間を埋める作業を行います。
しかしログハウスの外壁は常に呼吸しているため、コーキングが引っ張られてあまり長持ちしないこともありますから、定期的にコーキングでメンテナンスする必要があるのです。

さらに、木材の腐食を防ぐため塗装メンテナンスをしましょう。呼吸する天然木には、表面に塗膜を作る通常の塗装は向いていません。防腐効果のある浸透性の塗料でお手入れしましょう。

別荘・ログハウスの補修例

苔だらけのアスファルトシングルに屋根カバー

築25年を過ぎた山荘です。これまで屋根はお手入れをしてこなかったが、雨漏りなどが起こる前にメンテナンスしたいとのことでご依頼をいただきました。長く放置されていた屋根は劣化が進んでいたため、上から新しい屋根をかぶせる屋根カバー工法でリフォームします。

元々の屋根材はアスファルトシングル、周囲の針葉樹の葉が降り積もっていました。まずはそれらを半日かけて清掃すると、今度は苔だらけの屋根がでてきましたので、カバーを行う前にそれもきれいに削り落としました。

新しい屋根材はエコグラーニという製品です。軽量の金属屋根ですが、アスファルトシングルと同じく表面に石粒が吹付けられているので独特の風合いを楽しめます。
天窓や煙突周りも、雨水が浸入することのないようしっかり防水処理を施しています。
これからも長く大切にしたい山荘とのことでご安心いただけました。