上でも出てきましたが、単純に考えれば「隙間が埋まれば雨水の浸入もなくなり、雨漏りの心配もないんじゃないの?」と思ってしまいますよね。多くの方がそのように思ってしまっても無理はありません。
スレート屋根に限った話ではありませんが、そもそも雨水の浸入口があるから雨漏りが発生するわけであり、その隙間を埋めてしまえばそのリスクがなくなるのではないかと考えたくなりますよね。
実は、建物を傷める水分は決して雨水だけではありません。●結露
結露というと室内の窓ガラスを思い浮かべる方が多いですよね。結露の発生は決して窓だけではなく、室内の水蒸気が室内から小屋裏、そして屋根へと抜けることで屋根材の裏側に発生することがあります。
●湿気
梅雨時期や夏時期の湿気。これらも建物にとってはリスクとなります。
実は私たちが普通に生活しているだけで、意識していないところ・見えていないところで屋根をリスクにさらしてしまっているのです。このような水分や湿気を外部へときちんと排出し、屋根を健康に保つために屋根材同士の重なり部分には隙間が設けられているのです。
でももし塗装時に塗料によってこの隙間を埋めてしまっていたら…
まず滞留した水分や湿気が下地や防水紙、釘などを傷め、不具合の原因を作る
水分や湿気が逃げ場をなくし、不具合箇所から室内へと浸入することで雨漏りのような状態が発生してしまう