ALCが外壁材として出荷されるときには塗装によって水が浸み込まないように仕上げられていますが、ほかの外壁材と同様に、
塗装による防水性は年数が経てば効果は減少します。前述したようにALCには気泡がたくさん含まれますから、
塗膜の保護を失うと水が染み込みやすくなってしまうのです。ALC外壁と言っても、いろいろなメーカーから発売されていて、初めに塗られている塗料のグレードも違います。その耐用年数によって異なりますが、
新築してから初回の塗装は、だいたい10~15年が目安です。塗膜の劣化は段階的に起こり、
初期症状とも言えるのが「色褪せ」です。緊急性はないものの、塗膜の劣化が始まったサインということです。
さらに塗膜が傷んでくると外壁表面に白い粉が出る「チョーキング」が発生します。チョーキングが見られたら、早めの塗装が必要なタイミングと言えるでしょう。
また、環境に左右されますが、
汚れや藻がつくようになるのも塗装時期の目安です。塗装の防水効果が衰えてくる時期は、地域の気候や建物の周辺環境など「どんな環境下にあるか」で違います。
環境によっては、平均的な塗装タイミングよりも早くメンテナンスしなければならないこともあるでしょう。塗膜の劣化はクラックに比べ分かりにくいので気づかないうちにALCが徐々に水を吸っているかもしれません。ある日突然目に見える症状として現れることもあるので注意が必要です。
外壁表面の劣化はもちろん、素材自体の強度が弱くなっている可能性もあるのです。