瓦屋根というと昔ながらの日本家屋に多く使われている屋根材です。
瓦は他の屋根材と比較しても
耐久年数が非常に長いため、私たちが雨漏り修理でお伺いする中には築数十年も経過したお住まいもあります。
確かに瓦自体は非常に耐久性のある屋根材ですが、
「雨漏りしない屋根」ではありません。
寿命が長いことから中には「瓦屋根はメンテナンスフリー」と誤解をされていらっしゃいませんか?
当ページでは
瓦屋根で発生しうる雨漏り事象、その原因と対策、メンテナンス方法をご紹介させていただきます。瓦屋根からの雨漏りでお困りの方、今後の雨漏りに備えたい方の参考になれば幸いです。
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様々な種類がある瓦 どんな瓦があるか知っておきましょう!
瓦ってどんな屋根材でしょうか?一度頭の中でイメージしてみましょう。
日本人なら誰しもその見た目を頭の中で想像できてしまうのではないでしょうか。想像できましたか?この瓦屋根に使用される瓦ですが、実は製造過程によって様々な種類の瓦があるってご存知でしたでしょうか?
まずは瓦の種類から見てみましょう。
一般的に昔ながらの日本家屋に多く使われている瓦は「粘土瓦」です。その名の通り粘土を材料とした瓦ですね。旅行先でろくろ体験などをしたことあるという方も多いかもしれませんが湯呑やお皿などと実は同じなんです。
素人目に目ると見た目はいずれも似たような和風をしているものが多いのですが実は3つの種類に分けることができるってご存知でしたか?「いぶし瓦」「釉薬瓦」「無釉瓦」の3つです。それぞれの特徴について知っておきましょう。
日本家屋によく似合う綺麗な銀色をした瓦です。
1000度を超える高温で焼き上げた後、最終工程としていぶし、炭素膜を形成することで完成させます。この美しい銀色は炭素膜によるもので、経年によって色の変化が起こりますが自然素材特有の現象であり瓦の劣化ではありません。
陶器瓦とも呼ばれる、瓦表面に釉薬と呼ばれる薬剤を塗布し焼き上げた瓦です。
艶があり、色も青や黄色など様々な色合いの釉薬瓦があります。いぶし瓦と違い経年による変色等はありません。またよく見ると釉薬瓦の表面には細かなひびが見られることもありますが、こちらは貫入(かんにゅう)と呼ばれる釉薬瓦特有の表面切亀裂であり、瓦の強度低下や雨漏りなどを引き起こすような劣化ではありません。
製造工程の中で焼成前に釉薬を塗布しないという点が釉薬瓦との違いです。
洋風なお住まいで使用される洋瓦などは無釉瓦のひとつである素焼き瓦で、粘土に含まれる酸化鉄により赤褐色をしています。釉薬を塗っていないため釉薬瓦と比較して撥水性はありませんが焼き上げることで耐水性を高めているため雨漏りを引き起こすほど瓦が含水するということはありませんのでご安心ください。
こうした粘土瓦に共通している性能は非常に高い耐久性です。
例えばお城やお寺で使用されているような瓦などは、数世紀経過しても形状を保っているものもありますよね。これは土や粘土などを焼成しているため、紫外線や熱などに非常に強くなっているからこそ高い耐久性が発揮できているのです。
耐久年数で言えばいぶし瓦や無釉瓦で30年から長くて50年。釉薬瓦に至っては50年以上の耐久性も期待できます。
こうした耐久性の長さや、粘土瓦自体は他の屋根材と違い塗装によるメンテナンスが必要でないことが「瓦屋根はメンテナンスいらず」という間違った認識を持ってしまう要因かもしれませんね。
冒頭でもご説明しましたが瓦屋根は決して瓦だけでできているのではなく、野地板や防水紙(土葺きであれば土)、棟瓦の漆喰など様々な部位や建材で構成されています。そしてそれらは瓦ほどの寿命を持っていないのが現状です。瓦屋根の雨漏りは瓦の種類ではなく、瓦屋根の構造や瓦屋根を構成する建材に起因する原因が圧倒的に多いのです。
それではまず瓦屋根の構造から見ていきましょう。
瓦と呼ばれる屋根材としては、ご紹介した粘土瓦の他にセメントやコンクリートから作られたセメント瓦やモニエル瓦と呼ばれるものがあります。セメント系原料をプレス成形して作られており、瓦表面を塗装することで屋根材の防水性を維持しています。そのためスレートのように定期的な塗装による塗り替えがメンテナンスとして必要不可欠です。
先で瓦屋根の雨漏りは瓦自体よりも屋根を構成する部位や建材に起因するケースが多いという話がありましたね。瓦屋根というと瓦が一枚一枚乗っているということは想像ができても、どういった建材がどのように施工されているのかなんて考えたこともないという方が多いですよね。
実は屋根表面に見える瓦以外にも様々なパーツから構成されていますが、構造などをご理解いただくことで「瓦屋根でなぜ雨漏りが起きるのか?」をさらに深くご理解いただけるようになると思います。また長くお住まいになれる瓦屋根のご自宅だからこそ大切に守っていくためにはどこに気を付けてメンテナンスを行うべきかといったこともきっとご理解いただくことができます。それでは早速見ていきましょう
こちらは瓦屋根に上った際の写真です。普通に生活していると屋根に上る機会なんてめったにありませんよね。「屋根の上を初めて見た」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
瓦も同じ瓦ばかりではなく形状も複雑ですよね。
屋根には、例えば二つの面で構成されている三角屋根の切り妻(きりづま)、4つの面で構成されている寄棟(よせむね)などがあり、お住まいによって様々ですが、形状によって棟部分や谷部分といった場所が存在します。まずはその辺りからご説明いたします。
➊棟(むね)
瓦屋根には瓦が敷かれた面が存在し、これら面が重なる頂点部分を「棟(むね)」と言います。一番高い位置にある棟を「大棟」、頂点から下っている棟を「隅棟(下り棟)」と言い、棟には棟瓦という、面に敷く瓦とは形の違う瓦が使用されています。
(※二つの面で構成される切り妻屋根では隅棟は存在しません。)
❷ 谷
棟とは屋根面が重なり合った「山」となっている頂点部分のことを言い、その逆を「谷」と言います。
雨水は空から降り、高い場所から低い場所へと流れていきます。つまり空から降った雨は屋根に打ち付けられ、そこから地上へと流れていくわけですね。屋根の上では真っ先に雨の影響を受ける「棟」、そしてそこから雨水が流れ込む「谷」と、いずれも雨が降れば、常に雨水と触れ合う場所であり構造上、大変雨漏りが発生しやすい瓦屋根の弱点部分となります。
❸ 取り合い
「聞いたことない」という方も多いですよね。2階建てのお住まいで一階の屋根(下屋(げや))と外壁の接続部分のことを指します。
こちらも棟や谷同様、非常に雨漏りが発生しやすい場所と言えますが板金等によって「雨仕舞い」がされ、雨水の浸入を防いでいます。
平屋や単純な形状の屋根の場合、このような弱点部分は少なくなります。しかし二階建てのお住まいや形状も入母屋屋根などの複雑な形状になればなるほどお住まいの構造として雨漏りのリスクと言える箇所が増えることとなります。
それでは次に、瓦はどのように葺かれているのでしょうか?私たちが外から見ている瓦屋根は表面の瓦のみが見えている状態ですよね。その下がどうなっているのか見たことがないという方もきっと多いのではないでしょうか。
● 野地板
瓦屋根に限ったことではありませんが屋根を形成する面の一番土台には「野地板(のじいた」と呼ばれる下地が敷かれています。現在では厚み12mm、縦幅910mm×横幅1820mmの構造用合板を敷き詰めるのが一般的ではありますが、土葺きによって施工されている瓦屋根ではバラ板を並べて敷くことで土台を形成していました。どちらも建材としての寿命は30~40年ほどで迎えるため瓦と比較しても短いですね。
また万が一雨漏りをしてしまい、野地板に雨水が染み込んでしまえば木材である野地板の寿命はさらに短くなってしまいます。
● 防水紙
野地板の上に防水紙(ルーフィング)が敷かれます。こちらもやはり土葺きの屋根では違いが見え、防水紙ではなく杉皮や柿板(こけらいた)といった、杉や槙、ヒノキなどを薄くはいだものを野地板の上に敷いていました。
防水紙には二次防水の役割があり、屋根材の下から雨水が入り込んできても、最終的に室内への雨漏りに発展しないよう防ぐ役割を持っています。詳細は後述に譲るとして、瓦屋根からの雨漏りには様々な原因が考えられますが、最終的に雨水の浸入を防いでいる防水紙が劣化してしまうことが雨漏りの決定的な原因になることは言うまでもありませんね。
● 瓦最後に瓦を載せていきます。美しい見た目だけではなく
雨水の浸入を防ぐ一次防水の役割も果たしています。土葺きではその名の通り土を敷き詰め、その粘着力を利用して瓦を固定していました。現在では引っ掛け葺きが主流で、防水紙の上に瓦桟(かわらざん)と呼ばれる木材を水平方向に固定し、そこに瓦を引っ掛けていきます。
瓦自体のサイズは縦、横30cm程度の大きさで、それを重ねる格好で葺いていきますが、それぞれの
瓦の重なり部分には隙間が設けられており湿気の排出や入り込んでしまった雨水の排水といった役割があります。
ちなみに30坪のお住まいだと約1,000枚ほどの瓦が屋根の上に載っているんですよ。
棟部分には専用の棟瓦を載せ、土や漆喰などによって固定されています。
※新耐震基準が制定された1981(昭和56年)年6月1日以降は耐震を考慮し、土葺き以外による施工が多くなりました。
表面しか見えていなかった瓦屋根がどのような部材から成り立っているか、またどのような構造になっているか見てきました。瓦屋根の全体像をご理解いただいたと同時に、雨漏りが起こりそうな箇所も何となくお分かりいただけたのではないでしょうか?
瓦自体の寿命は非常に長くとも、雨漏りしない屋根ではないということなんですね。
次は瓦屋根から雨漏りが発生する原因とそのメカニズムについて見ていきます。主に瓦屋根の雨漏りは「瓦の不具合」「屋根構造の不具合」「金属部材の不具合」に起因します。では見ていきましょう。
長い耐久性を誇る瓦でも、ずれや浮き、割れなどによる「瓦の不具合」によって雨漏りに発展するケースがあります。このような瓦の不具合から雨漏りに至るまでは下記のメカニズムで発生します。
❶ 強風や地震などの大きな力によって瓦のずれや浮きそして歪みなどが生じたり、落下物などによって瓦が割れるといった破損が発生。
❷ ずれや破損箇所から雨水が浸入
❸ 防水紙(ルーフィング)や野地板を痛め、雨漏りに至る
瓦屋根は紫外線や熱などには非常に強いという特徴がありますが、一枚一枚ビスで固定されているわけではなく、
強風や地震などの強い力が加わることでずれや浮き、歪みなどが発生しやすいといった特徴もあります。このような不具合が発生すれば雨水の浸入を防いでいる一次防水の役割が果たせなくなり雨水が瓦の下に入り込んでしまうことになるわけですね。
ただしすぐに雨漏りに至るわけではありません。瓦の下に二次防水である防水紙が敷かれているからでしたね。しかし
瓦がずれたりすることで防水紙が露出し、直接紫外線や雨の影響を受け続けることで防水紙の劣化が進み、破れてしまったり、穴が空いてしまえばそこから雨漏りに発展してしまうのです。
瓦屋根を下から眺めたとき、棟瓦が積まれている場所に漆喰が詰め込まれた白い半月が見えます。この漆喰が経年で剥がれてしまう事で雨漏りに発展するケースがあります。漆喰の剥がれが引き起こす雨漏りは次のメカニズムで発生します。
❶ 経年による漆喰の劣化、また強風や地震などの影響による建物や屋根の動きの影響を受けて漆喰の剥がれや割れが発生
❷ 棟瓦を固定している土に雨水が染み込む
❸ 土の流出や、それにより瓦の固定力が弱まることによる棟瓦の歪曲やずれなどでさらなる雨水の浸入を許し結果として雨漏りに発展
棟瓦と屋根面との間には必ず半月状の隙間が生まれます。この隙間を漆喰でカバーすることによって中の葺き土に直接雨水が当たらないようにしています。しかし紫外線や温度変化による経年劣化、風や地震によって建物や屋根が動くことによる影響を受け、
漆喰の剥がれや割れが起こり雨水の浸入口ができてしまうのです。
漆喰というガードがなくなることで
瓦を固定している葺き土が雨ざらしに遭い、泥として流出してしまう事で棟瓦のずれや歪曲にも繋がります。本来は棟自体に雨仕舞としての役割を持たせるために葺き土の量や瓦の角度、重ね幅などが調整され施工されており、棟で受けた雨水は屋根表面へと排水される仕組みとなっていますが、漆喰の剥がれや棟の歪曲といった不具合が発生することで雨水の浸入口をさらに広げる形となり、雨漏り被害へと繋がっていくのです。
雨漏りの原因となることが多い屋根の谷。そこには受けた雨水を雨樋へと排水するため板金が取り付けられています。(谷板金)。しかしこの谷板金の不具合からも雨漏りに発展するケースがあります。雨漏りは以下の順序で発生します。
❶ 板金の保護層(亜鉛メッキや塗装材)の劣化
太陽の紫外線や熱・雨や雪などの水分によって、徐々に表面の保護層の劣化が進行します。
❷ 板金部材に錆が発生
保護機能が低下した板金部材は、空気中の酸素と水と反応して赤錆が発生します。
さらに錆を長期間放置することで健全な内部の金属にまで錆が広がります。
❸ 錆が板金部材を貫通し、雨水が浸入
板金部材に穴が開き、雨が降るたびに内部へと雨水が浸入し、雨漏りへと繋がってしまいます。
本来雨水を排水する役割のある谷板金ですが経年劣化により変形を起こし、水を排水するための勾配を邪魔してしまう事があります。結果として
排水されずに滞留した水分が板金を傷めつけ錆や穴といった雨漏りの原因を作ってしまう事になります。(銅製の谷板金の場合、酸性雨による影響もあると言われています。)
当然谷板金の下には防水紙が敷かれていますが、このような状態が長く続けば防水紙も寿命を縮め、雨漏り被害を拡大させてしまう事にもなりますよね。
また勾配に異常があれば豪雨時には雨水のオーバーフローを引き起こし、逆流した雨水が屋根内部へと浸入するきっかけを作ることにもなります。
ここまでも何度か防水紙(ルーフィング)の話が出てきましたが、雨漏りを語る上で防水紙の重要性を理解していただかなくてはいけません。
一見雨漏りは屋根材である瓦が雨水の浸入を防いでいるように見えますが、実は雨漏りを最終的に防いでいるのは防水紙(ルーフィング)だということをご存知でしたか?
屋根の雨漏りは防水紙に掛かっているといっても過言ではないのです。極端な話ですが、屋根材がなくとも防水紙が健全な状態であれば決して雨漏りが起きることはないんですね。ですから当然防水紙が劣化するということは、すなわち雨漏りに直結するということなのです。
瓦屋根には一枚一枚瓦が敷かれていますよね。瓦と瓦を重ねて下(軒先)から上(棟)に向かって敷いていきますが、瓦の重なり部分には必ず隙間が生じます。施工した時点ですでに雨水が屋根の内部に入り込む隙間があるということです。
思わず「え!」と思ってしまう方も多いのではないでしょうか?「それじゃあ雨漏りが起こって当然」だと思ってしまいますよね。しかしこの隙間は非常に大切で、もし隙間がなければ屋根の中で溜まった湿気や万が一入り込んだ雨水を排出することができず、屋根内部に滞留した水分が下地を傷めてしまい余計に屋根の寿命を短くしてしまうのです。
では
最終的に何が雨漏りから建物を守っているかというと、それこそが防水紙なのです。
通常新築時に使用されるような
防水紙は15年~20年程度の寿命です。本来であれば築15年程度で交換をしなくてはいけないのですね。また、もし瓦がずれてしまった、浮いてしまったといったことがあれば防水紙が露出し、紫外線や雨水の影響でより寿命を早めてしまう事になります。
寿命を迎え、防水紙に破れや穴が空いてしまえば屋根にとっての最終的な防水機能を失ったことになりますから当然雨漏りが始まるのです。
こちらは土葺きに限った話ではありますが、土葺き工法によって施工された瓦屋根の場合瓦の下には大量の土が敷き詰められており、そこに瓦を貼り付けて固定しています。
この土はその下に敷かれている杉皮や杮板同様、現在の防水紙の役割を持ち雨漏りを防いでくれているのですが長年の雨や風の影響によって流出し、減少してしまいます。
土が少なくなってしまえばその下の杉皮などの下地に水が到達してしまいます。杉皮や杮板は木材ですから水分が大敵ですよね。水分によって腐食してしまえば屋根は防水機能を失い雨漏りを始めてしまうのです。
※新耐震基準が制定された1981(昭和56年)年6月1日以降は耐震を考慮し、土葺き以外による施工が多くなりました。
瓦屋根からの雨漏りでは、瓦自体の不具合を始め、瓦屋根を構成する「防水紙」「谷板金」「棟の漆喰」などの劣化によって雨漏りが発生してしまうということがわかりましたね。現在、雨漏りでお困りの方であればどこかに心当たりがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
では雨漏りを起こしてしまった瓦屋根はどのようにメンテナンスを行えばよいのでしょうか。解決策を見ていきましょう。
ずれた瓦を戻し、割れてしまった瓦は新しいものと差し替えます。
スレートや金属屋根と違い、瓦屋根は瓦を一枚一枚引っ掛けて並べています。(土葺きであれば土の粘着力を利用して貼り付けています)そのため強風や地震の影響を受けることで「ずれてしまう」「浮いてしまう」といったことはその構造上あり得ることなのですが、逆に被害箇所のみに限った修理が可能となります。
例えば瓦がずれてしまった場合は、ずれた部分を並べ戻す、また割れてしまった場合は割れた瓦のみを差し替えるといった修理を行います。
新たに漆喰を詰める「詰め直し工事」、または「棟取り直し工事」を行います。
「ある日突然、ご自宅の庭に白い漆喰の塊が落ちていた」「屋根を見上げたら漆喰部分が剥がれて中の土が見えていた」といったように漆喰に剥がれが見られる場合は棟からの雨漏りを防ぐために漆喰工事が必要になります。割れや剥がれが見られるような部分において既存の漆喰を取り除いた上で新たに漆喰を詰める「詰め直し工事」を行います。
漆喰は棟の内部への雨水浸入を防ぐ大きな役割がありますが、漆喰が剥がれた状態が長期間放置されることで内部の土が影響を受け、固定されていた棟瓦がずれてしまう、曲がってしまうといった状態になります。固定力を失ってしまえば、強風が吹いたり地震が発生した際に、最悪棟瓦全体が崩落しかねませんよね。
点検時に漆喰の状態も確認させていただきますが、棟瓦の状態によっては新しい土と漆喰で棟の並びを正常に戻し、固定する「棟取り直し工事」が必要となります。
穴を塞ぎ、塗装によるメンテナンスが必要です。また寿命を迎えた板金は交換をおすすめします。
素材によっては塗装によるメンテナンスが可能となります。ただし塗装によって穴を塞ぐことはできませんので「シーリング材」や「補修テープ」による補修を行った上で、健康な箇所は穴が空いて雨漏りが発生しないように、錆の除去を行い、錆止め塗料と上塗材を塗ることで、錆の原因となる酸素と水分から遮断することで劣化を防ぎます。しかしこれらはあくまでも応急処置、予防であって長い目で見た際にとても完璧とは言えません。
瓦とは違い環境にもよりますが20年程度で寿命を迎える谷板金、一か所劣化しているということは他の箇所でも同様に劣化が進んでいる可能性がありますよね。根本的な解決のために、寿命を迎え、不具合が発生した谷板金は交換することをお勧めします。
屋根の危険信号!即座に防水紙の交換が必要です。
最後の砦として雨漏りを防ぎ、私たちの生活の安全を守ってくれている防水紙(ルーフィング)。どれだけ瓦の耐久性が高くても防水紙が劣化した時点で雨漏りが始まります。当然そうなれば屋根全体の寿命にも影響してしまいますよね。
防水紙に劣化が見られるようであれば屋根の危険信号が赤色の状態です。即座に交換が必要となりますが、部分的もしくは全体的に既存の瓦を一度取り外し新たな防水紙を敷設する「葺き直し工事」を行います。(屋根材自体も一新する葺き替え工事も選択肢の一つです。)万が一防水紙の下の土台となっている野地板の傷みが激しい場合は同時に野地板の張替えといったメンテナンスを行いましょう。
現在では耐用年数が50年を超える防水紙も存在します。せっかくなら耐久性の高い防水紙に交換するほうがいいですよね。新築時にはこだわることなかった防水紙だと思いますが雨漏りのことを考えて交換する際には防水紙の寿命などにもこだわってみましょう。
雨漏りが深刻な場合は葺き替えを行うベストタイミングでもある
ほんのわずかな雨漏りであれば、雨漏り発生箇所を修理することで問題は解決され、雨水によって被害を受けた箇所は自然乾燥によって原状回復することが大半です。
しかし長期に渡って雨漏りを放置されてしまっていた場合や防水紙、漆喰、板金部分などところどころで寿命を迎えてしまっている屋根の場合、部分的な修理を施してもいたちごっこで次から次へと新たな雨漏りを誘発してしまう可能性も否定できません。ましてや長期間にわたる雨漏りで下地やお住まいの構造部である柱や梁まで被害が広がってしまっている場合、お住まい全体の耐久性にも影響を及ぼします。
地震大国と言われる日本ですが、実は全世界で起こるマグニチュード6規模の地震の20%が日本付近で発生していると言われ、世界中で最も地震の被害を受ける場所に私たちは住まいを構えています。最近では耐震も考慮し、瓦屋根から金属屋根や軽量瓦へと葺き替えたいというご要望もかなり増えてきました。
防水紙が寿命を迎えてしまっている、深刻な雨漏りに悩んでいるという方は雨漏り解決に屋根を新品の状態に戻すという意味ではもちろん、これからの安全も考慮し、屋根葺き替えを検討してみていただきたいと思います。
瓦屋根の雨漏り修理をご検討中の方へ!
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大切なお住まいの雨漏り、現状や原因がわからなければ「どんな工事が必要になるのだろう?」「どれくらいの費用が掛かるのだろう?」と大変心配ですよね。
まず雨漏り自体は発生原因を把握すれば確実に直すことが可能ですのでどうかご安心いただきたいと思います。そのためにアメピタでは無料点検にて現状を確認させていただいた上で、お客様のご要望やご予算に応じたご提案やお見積りをご提出させていただいております。
瓦屋根は瓦の寿命に惑わされずに本来であればこまめなメンテナンスが必要です。もちろん現在雨漏りしていなくても、これまで一度もメンテナンスをしてこなかったために「雨漏りしないか心配」という方もこの機会に私たち専門業者による点検をご検討ください。
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瓦屋根の雨漏り発生原因とメンテナンス方法まとめ
粘土瓦にはいぶし瓦、釉薬瓦、無釉瓦といった種類がありいぶし瓦や無釉瓦で30年以上、釉薬瓦であれば半世紀以上の耐久性を期待できます
瓦屋根には瓦が葺かれている面の他に棟、谷、外壁との取り合いといった個所が存在します
瓦屋根では瓦が雨水の浸入を防ぐ一次防水、その下に敷かれている防水紙が二次防水の役割を果たしています
瓦屋根からの雨漏りでは以下のような原因が考えられます
・瓦のずれ・浮き・割れ
・漆喰の剥がれ
・谷板金の劣化
・防水紙(ルーフィング)の劣化
・土の減少による雨水の浸入(土葺きの場合)
瓦がずれてしまった場合は、ずれた部分を並び戻す、また割れてしまった場合は割れた瓦のみを差し替えるといった修理が可能です
漆喰が剥がれてしまった場合は漆喰の詰め直し、棟瓦の蛇行が見られるような場合は棟取り直し工事が必要となります
谷板金が劣化してしまった場合は応急処置としてシーリングや補修テープを使った修理も可能ですが、根本的な解決には谷板金の交換が必要となります
防水紙が劣化している状況は屋根の危険信号が赤色の状態です。葺き直しによる防水紙や野地板の交換が必要になります
屋根の葺き替えは屋根を一新することで雨漏りの根本的解決にも非常に効果的ですが耐震にも非常に効果が高いリフォームです