吹田市垂水町のお客様より屋根から「雨漏りが止まらない、点検をお願いできないか」というご連絡をいただきました。電話でお話しくださった内容だとお住まいは瓦屋根で築32年が経過しているとのことです。お問合せをいただく際に「どのように説明していいかわからない・・・」という不安がある方もいらっしゃるかと思いますがどうかご安心ください。年中屋根に上っている私たちです。お客様からおおよその話をお伺いすればお客様がお話されている状況を十分に理解することができますので気になることなどお客様のわかる範囲でお話しください。
早速現地調査にお伺いし、屋根の上を点検していきます。屋根の上に剥がれた漆喰の塊が転がっています。昨年の地震か台風によって割れが生じていたものが剥がれ、落下してきてしまったのでしょう。それでは剥がれた漆喰の奥はどうなっているのでしょうか。
実は漆喰が剥がれた先には瓦を固定するための土が詰まっています。ご想像いただきたいのですが、土に水が掛かれば、土は水を吸収しますよね。少量であれば土の中で蒸発し問題を起こすことはありませんが、大量の雨水が掛かってしまった場合そういうわけにはいきません。
土から漏れた雨水が下地まで達し、徐々に下地を傷め、結果として雨漏りに発展することがあるのです。こうした漆喰の剥がれによる雨漏り事例は実に多くあるのです。今回の雨漏りもそうした事情により昨年の台風から徐々に室内への浸水が進行していたのでしょう。
こちらはベランダ下の外壁との取り合い部分の漆喰の状態です。屋根は常に紫外線を浴びています。その紫外線によって漆喰や屋根材が劣化を進めていきますが、こちらは日陰にもなっているせいか他の箇所に比べると劣化が遅く、漆喰も綺麗な白色です。しかし経年劣化は避けることができずヒビや黒カビが繁殖しています。当然こうしたヒビも雨水浸入個所となるため早めのメンテナンスが必要と言えます。
こちらは大棟と呼ばれる屋根の頂上の棟瓦に施工されている漆喰です。ベランダの下と比較しても劣化の進行が顕著です。部分的に漆喰の剥がれが見られたり、すでに白い漆喰の姿は見られず鼠色になってしまっています。雨漏りは雨水の浸入があった際に即座に室内にまで侵食するものではなく屋根から屋根裏、そして天井へとポタポタと歩みを進めます。「雨漏りがしたから修理」ではすでに普段目にしない小屋裏やお住まいの構造部が雨水によって相当な痛みを被っている可能性が高いと言えます。そのため「雨漏りがする前に修理」を基本としていただき屋根の劣化がみられたら早めにメンテナンスを行うようにしましょう。