谷部の雨漏り修理のため新しい谷樋鉄板に取り替えします
名古屋市昭和区にて、新しい谷樋鉄板に取り替え作業を行っていきます。谷樋鉄板の上部に干渉している周辺の屋根瓦に軒先部の方から順番に数字を記入していきます。谷樋周辺の屋根瓦は加工して施工しているために、新しい谷樋に入れ替えた後で、再度屋根に取り付けて行きます。その取り付けて行く時に、同じ場所に取り外した屋根瓦を使いたいため、分かりやすく数字を記入していきます。数字を書いて行く時は、石筆と呼ばれる自然に消えていく、建築業界では重宝される筆記具で書いていきます。
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谷樋周辺の屋根瓦を取り外していきましたが、屋根の防水に防水紙(ルーフィング)が使われているものだと思っていましたが、まさかの別素材での屋根の防水を行っていました。
この材料(赤矢印)が、屋根の防水紙がわりに使われていました。トントン葺き(ハイトントン)と呼ばれる防水屋根材で、屋根野地と屋根瓦との間にルーフィングのように取り付けられていました。とは言え、正式なトントン葺きではなく、簡略化された板材のルーフィングと言えばいいのか、あまり防水性能は無いのかと考えます。
経年劣化による風化も激しくて、劣化するとその部分が雨水の防水精度が失われるため、雨漏りの原因となりえます。谷部など雨が集まりやすいところは、そこから腐食して野地板に穴を開けてしまい、甚大な雨漏り修繕となってしまいやすいです。
トントン葺きのイメージ屋根トントン葺きは、正式には【枌葺き(そぎぶき)】と呼ばれるそうです。厚みが薄い(約1ミリ程度)杉板を、一枚ずつ深く重ねながら屋根の上に取り付けて行きます。その杉皮を一枚ずつ屋根に貼る時に、竹釘で打ち込みながら固定するそうです。その竹釘を打ち込むときに、何度もトンカチで叩くとその杉皮が破損するため、2回だけ竹釘を叩くそうです。その叩くときの音が、『トン、トン』と音が鳴ることで【トントン葺き】と呼ばれるようになりました。
防水紙(ルーフィング)を貼り新しい谷樋を取り付けて行きます
野地板など補修をしてから、防水紙(ルーフィング)を屋根瓦を取り外して野地板が見えている範囲全体に貼っていきます。防水紙(ルーフィング)を全て貼りきったら、新しい谷樋鉄板を取り付けて行きます。
谷樋鉄板は持ち運びがしやすいように、一本の長さサイズが1.8m~2mほどになっています。そのため2m以上の谷部の長さがある場合は、複数枚数を繋ぎながら一本の谷部の谷樋として使っていきます。その谷樋同士をつなげるときの接続部分は、それぞれを重ねながら取り付けて行きます。その時にコーキングボンドを塗っていき、谷樋板金同士の接着と雨水などが奥に入り込まないように、堰止めの役割として塗っておきます。
谷樋鉄板の横側から雨水が溢れないように、屋根材の【水密材】を貼っていき雨水をなるべく、谷樋鉄板の中心から軒先部の雨樋の方へ流れるようにしておきます。
屋根瓦の規定寸法の桟木を取り付け屋根瓦を施工します
屋根瓦を規定通りに施工するのと、屋根瓦が軒先下にズレ落ちないよう固定するための、桟木(樹脂製)をそれぞれ決められた寸法で屋根上に取り付けるように施工していきます。
谷樋周辺の屋根瓦を取り付けて行くときは、(黒色)の南蛮漆喰を谷樋鉄板際に置いておき、屋根瓦との接着するように取り付けて行きます。
最初に屋根瓦に書き込んでいた数字を順番通り、軒先の方から屋根に取り付けて行きます。
こちらの建物の屋根形状が、少し特殊な形で【L字棟】と呼ばれる大棟形状となっています。大棟瓦と棟冠瓦の方向が90度に変わります。そのため、大棟瓦から棟冠瓦まで屋根専用道具にて、加工をして大棟部に取り付けて行きます。ただ昔の作業者は、この部分の加工だけして防水処理をしていなかったため、雨水が隙間から入っていたのだと感じられました。
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地元密着で屋根の工事を中心に、雨漏りの専門家として営んできました。
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