現在では、屋根は、私たちの目に見えている瓦などの屋根材の下に必ず防水紙を敷いて施工します。屋根材の隙間から雨が入り込んだり屋根材が破損したりしても防水紙があればすぐに雨漏りするということはありません。しかしこちらの瓦は「土葺き」という昔ながらの工法で施工されているようです。防水紙の代わりに木の皮を敷き、全面に土を盛ってその土に瓦を押し付けるように並べていきます。しかし瓦がずれたところを見ると土はほとんど残っていないようです。45年の間に徐々に土は流れ、瓦の固定力が弱まっていたのでしょう。ひとまずはこれ以上雨漏りがひどくならないよう防水紙をかぶせてカバーし、割れた瓦を新しいものと差し替えも可能ですが、全面的に葺き土が無くなっているようならまたいつ他の瓦が同じようにずれるとも分かりません。お客様には、「屋根葺き替え」や「屋根葺き直し」などで、一度屋根材を剥がし下地から新しくすることを検討される時期であることをご案内いたしました。