こちらの屋根はいぶし瓦を使用した、昔ながらの土葺き工法です。
土葺き工法とは、屋根の上に葺き土と呼ばれる土を置き、その粘着力で瓦を固定する工法のこと。
葺き土は断熱効果や排湿効果もあり、また雨水を吸水する役割もありメリットも多かったのですが、耐震性に難があるため阪神大震災以降では使用されなくなり、現在ではガイドライン工法が採用されています。
瓦をどかしてみると葺き土がぼろぼろと粘着力を失っており、穴があいたような箇所からは腐食した野地板が葛のようになっています。
おそらくここから雨水が野地板へ浸透し、家屋へと繋がる雨漏りになったのでしょう。
屋根の上を見渡すと他にも葺き土がこぼれたような箇所があり、こちらも対処が必要と思われます。