ブルーシートをめくってみました。屋根の棟(頂上)部分にはかまぼこ型の瓦(冠瓦)が並べてあるのをご存じな方も多いと思います。しかしほとんど落ちてしまい、土が露出しています。これは葺き土という粘度のある土で、瓦を支える役目を持っています。通常はここに冠瓦を並べ漆喰を埋めて保護しますが、漆喰の寿命は瓦よりずっと短いので、劣化により剥がれかけていたのかもしれません。
また、平瓦が剥がれた部分を見てみます。ここにも土が見え、さらにその下に薄い素材が重なっています。昔ながらの瓦の施工方法では、防水材として屋根に木の皮などを敷き、その上に葺き土を盛っていました。しかし何十年も経てば徐々に土が流れ、瓦を固定できなくなるばかりか防水性も低くなってしまいます。
お客様には修繕方法の選択肢として葺き替えをご案内いたしました。今の屋根材を全て下ろし下地から新しく施工する方法です。現在では性能の高い防水紙や軽い屋根材がありますので、強風や地震に強い屋根にすることができます。