垂水町にある築50年になるというお宅にて屋根の葺き替え工事を行いました。葺き替えとは、屋根材を下ろし全て新しいものと交換する工事のことです。
強風の際に、棟(屋根の頂上部分)が倒壊してしまい、この機会に屋根をリフォームされることとなりました。
瓦はとても長持ちする屋根材と言われますが、ところどころ破損もみられます。瓦に含まれた水分が気温で凍って膨張することによって割れてしまう現象です。
葺き替えのため、現在の瓦とその下地を撤去します。ここにも大量の土があるのが見えます。この瓦屋根は土葺きという工法で施工されていました。下地の上に粘度のある土を敷き詰め、そこに瓦を押し付けるようにして並べていきます。それだけ?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、数十年前までは一般的に使われていた工法で、今でもこの方法で施工されている瓦屋根は数多く存在します。しかし、やはり年月とともに土が痩せ、瓦を支える力が弱くなってしまいます。
土のさらに下には杉の皮が敷き詰められています。現在は屋根の下地に防水紙を敷くことによって屋根を雨から守りますが、昔はこうして木の皮を使っていました。
今回はこの杉皮の上に桟木を取り付け、その上に合板(野地板)、防水紙、そして新しい屋根材を敷いていきます。新しい屋根材は化粧スレートとなります。瓦や土よりもずっと屋根の重量が軽くなるので、お住まいの耐震性もアップできます。