茂原市新小轡で築年数が数十年経っているスレート屋根の建物の雨漏り調査を実施いたしました。
スレート屋根の雨漏りリスクは、経年劣化に伴い徐々に高まります。主な原因として、スレート材自体の劣化と防水シートの劣化が挙げられます。
スレート材の劣化は、酸性雨や凍結融解の繰り返しによって進行します。酸性雨がセメント成分を溶かし、スレートの強度を低下させます。また、水分が染み込んで凍結すると、膨張によってひび割れが発生し、これが目に見えない内部損傷を引き起こします。このような劣化が進むと、スレートが脆くなり、踏み割れのリスクが高まります。踏み割れは、屋根下地の強度不足と相まって発生しやすくなり、雨水の侵入経路となります。
防水シートの劣化も重要な要因です。スレート屋根は通常、スレート材、防水シート(ルーフィング)、野地板の三層構造になっています。防水シートは屋根の寿命を左右する重要な部材ですが、経年劣化によってその性能が低下します。防水シートが劣化すると、スレート材が健全であっても雨漏りのリスクが高まります。
さらに、スレートの固定に使用される釘の問題も無視できません。釘穴が広がったり、釘が浮いたりすることで、そこから雨水が侵入する可能性があります。また、棟板金の浮きやコーキングの劣化も雨漏りの原因となります。
屋根の塗装は外観を改善し、一時的に防水性を高めることはできますが、すでに劣化が進行したスレートに対しては根本的な解決にはなりません。脆くなったスレートや変形したスレートは、塗装しても元の状態には戻らず、再び割れたり雨漏りしたりする可能性があります。
したがって、スレート屋根の雨漏りリスクを軽減するためには、定期的な点検と適切なメンテナンスが不可欠です。特に築20年を超えるような屋根では、スレートの状態だけでなく、防水シートの状態も考慮に入れた総合的な評価が必要となります。場合によっては、部分的な補修ではなく、屋根全体の葺き替えを検討する必要があるかもしれません。
スレート屋根の経年劣化によるひび割れは一般的な現象です。
スレートは通常20〜30年の寿命を持ちますが、時間の経過とともに劣化が進行し、ひび割れや色あせなどの症状が現れます。この劣化過程では、紫外線や温度変化が大きな役割を果たします。夏には屋根表面温度が70度近くまで上昇し、冬には気温が低下して屋根に含まれる水分が凍結することがあります。このような極端な温度変化により、スレートは収縮と膨張を繰り返し、ひび割れが発生する可能性が高まります。
さらに、雨水の影響も無視できません。スレートは雨水を吸収すると膨張し、乾燥すると収縮します。この繰り返しにより、スレートの素材が徐々に弱くなり、ひび割れが生じやすくなります。
経年劣化によるひび割れは、初期段階では小さな亀裂として現れますが、放置すると徐々に大きくなり、最終的には屋根の防水性能を損なう可能性があります。 このような劣化を防ぐためには、定期的なメンテナンスが重要です。10年を目安に屋根の点検を行い、必要に応じて補修や塗装を実施することが推奨されます。小さなひび割れの段階で適切な処置を行えば、コーキング材や専用の補修材を使用して比較的安価に修理することができます。しかし、ひび割れが進行してしまうと、より大規模な修理や場合によっては屋根の葺き替えが必要になる可能性があります。
スレート屋根をコーキングで固定することには、いくつかの問題点があります。まず、コーキング材は経年劣化により再びひび割れが生じる可能性があります。これは長期的な解決策とはならず、定期的な再補修が必要となる可能性があります。
さらに、コーキングによる補修は見た目の問題も引き起こします。補修箇所が目立ち、屋根の美観を損なう可能性があります。特に広範囲にわたる補修の場合、この問題はより顕著になります。
また、
コーキングによる補修は完全な防水性を保証するものではありません。水分がコーキング材の下に侵入すると、スレートの劣化をさらに加速させる可能性があります。これは特に、スレートが水分を吸収しやすい性質を持っているため、重要な問題となります。
加えて、コーキングによる固定は、スレートの自然な膨張と収縮を妨げる可能性があります。スレートは温度や湿度の変化に応じて微妙に動くため、固定されることでこの動きが制限され、新たなひび割れや歪みを引き起こす可能性があります。
最後に、
コーキングによる補修は一時的な解決策に過ぎず、根本的な問題解決にはならない場合があります。スレートの劣化が進行している場合、コーキングでの補修では不十分で、最終的には屋根全体の葺き替えやより大規模な修理が必要になる可能性があります。このため、専門家による適切な診断と対策が重要となります。
スレートが剥がれることによる雨漏りは、一般的に考えられているほど即座に発生するものではありません。スレート屋根は複数の層で構成されており、スレート材自体が剥がれても、その下にある防水シート(ルーフィング)が重要な役割を果たします。
防水シートが健全な状態であれば、スレートが1枚や2枚剥がれただけでは直ちに雨漏りのリスクは低いと言えます。しかし、この防水シートにも耐用年数があり、経年劣化により性能が低下することがあります。特に、古い建物では紙製の防水シートが使用されていることがあり、これらは時間とともに強度が落ち、地震などの衝撃で釘が刺さった部分からちぎれやすくなります。
スレートの剥がれ自体よりも、むしろ防水シートの劣化や損傷が雨漏りの主な原因となります。防水シートに切れ目や穴が開くと、そこから雨水が侵入し、野地板や屋根裏に達して雨漏りが発生します。また、スレートを固定する釘の周りも雨水が侵入しやすい箇所となります。
スレートが剥がれた場合、即座の雨漏りよりも、風で飛ばされた破片が人や物に当たる危険性の方が高いことも認識しておく必要があります。そのため、スレートの剥がれを発見したら、安全面を考慮して早めの対処が推奨されます。
雨漏りを防ぐためには、定期的な点検とメンテナンスが重要です。スレートの剥がれや割れが見つかった場合、専門家による診断を受け、必要に応じて補修や屋根カバー工法、あるいは屋根の葺き替えを検討することが賢明です。これらの対策により、雨漏りのリスクを大幅に軽減し、建物の長寿命化を図ることができます。
棟板金のコーキング劣化は屋根の耐久性と防水性に影響を与える重要な問題です。
コーキング材の耐用年数は通常5〜7年程度で、棟板金本体や釘よりも短いことが知られています。この劣化は主に紫外線や風雨にさらされることで進行し、コーキング材の肉やせやひび割れを引き起こします。
劣化したコーキングは棟板金の継ぎ目に隙間を作り出し、そこから雨水が侵入する可能性が高まります。この雨水の侵入は、棟板金の下にある貫板を濡らし、腐食を促進させる原因となります。さらに、コーキングの劣化は棟板金全体の固定力を弱め、強風時に棟板金が飛散または落下するリスクを高めます。
コーキングの劣化に対処するには、定期的な点検とメンテナンスが不可欠です。
劣化が軽度の場合は、古いコーキングを除去し、新しいコーキングを適切に充填することで修復できます。ただし、この作業は屋根上で行う必要があるため、安全面を考慮して専門業者に依頼することが推奨されます。
重要な点として、コーキングが使われていない部分は水の通り道である可能性があるため、むやみにコーキングを施すべきではありません。適切な箇所にのみコーキングを行うことで、屋根の正常な機能を維持することができます。
棟板金のコーキング劣化は、単独で発生するわけではなく、多くの場合、屋根全体の劣化の一部として現れます。そのため、コーキングの補修と同時に、棟板金の塗装や釘の打ち直しなど、総合的なメンテナンスを検討することが賢明です。これにより、屋根全体の耐久性と防水性を向上させ、長期的な保護を実現することができます。
今回の調査から屋根材の劣化が進んでいることにより、屋根を新しくする必要があると判断しました。屋根を新しくする工事として屋根葺き替え工事と屋根カバー工法の選択がありますが、スレートの場合はカバー工法を行うことで廃材が少なく、工期も短いメリットを享受できます。
アメピタの屋根
カバー工法は877,000円からご案内しておりますので、詳しくはお気軽にご相談ください!
こちらの記事を書いた施工店【アメピタ木更津支店】
地域密着だからこそ出来る、「迅速な対応」「お客様の期待に応える」。お客様第一主義をスローガンに、スタッフ一同「お客様のために」を信念に、雨漏り修理に取り組んでおります。
いろいろな雨漏り修理を行ってきた私たちだからこそ出来る、「技術」「経験」があります。お客様の雨漏りに対するお悩みを早期解決に全力でお応えいたしますので、お気軽にご相談ください。
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