本日は吹田市で行った屋根葺き替えの様子をご紹介いたします。こちらの屋根は昔ながらの和瓦です。とても大きなお宅のため、屋根の不具合を部分的に修繕、リフォームされながら大切に住んでいらっしゃるそうです。今回、その中でも古い、茶色い釉薬瓦を使った部分から雨漏りが発生いたしました。原因は、瓦のズレとその下地材の劣化です。下地から作り直し、新しい屋根材に葺き替えることとなりました。
瓦を下ろします
まずは該当箇所の瓦を全て下ろします。釉薬瓦は一枚の大きさ約30×30cm、重さは3kg近くあり、これだけの枚数を下ろすとなかなか重労働です。瓦を剥がすと下から大量の土が現れます。
数十年前までは、屋根の上に葺き土を敷き詰め、その土に押し付けるような形で瓦が施工されていました。しかし年月が経つうちに土が硬くなり固定力が弱まることで瓦のズレ、飛散が起こりやすくなってしまいます。瓦そのものはとても丈夫なものですがこうして下地の方が先に劣化してしまうことがほとんどです。こちらの土も全て撤去していきます。
全て撤去した跡の様子
土が完全に取り払われた状態です。ここまで、数人で作業しても2時間近くかかりました。 杉の皮が敷き詰められ、現在のように防水紙が無かった頃はこうして雨を防いでいましたが、ところどころに穴が空き、長年雨風に耐えてきた屋根の様子が伺えます。しかしこれでは雨漏りを起こして当然なので、この上から新たに板を貼り、その上に新しい屋根材を載せていきます。朝から始めて夕方暗くなるまで、一日がかりの作業となります。 日本の家は耐久年数が短いともいわれますが、こうして定期的に手入れをすることで長く安心して暮らし続けることができますね。