なぜか止まらない雨漏り、毛細管現象が原因!?
「毛細管現象」というと子供のころの理科の実験を思い出す方もいらっしゃることでしょう。とうに忘れてしまったという方が実際は多いと思いますが、意外と身近な現象で、実はこの毛細管現象が雨漏りの原因となっていることがあります。
「目に見えるような被害が見当たらないのに、なんで雨漏りするんだろう??」
「屋根塗装ををして数年、雨漏りが始まった・・・」
などのようなことに心当たりのある方は「毛細管現象」を疑ってみて下さい。これまで原因不明で悩んでいた雨漏りが解決するかもしれません。
通常、水は高いところから低いところに流れますよね。しかし毛細管現象では低いところから高いところに水が登っていく現象が見られます。例えばティッシュペーパーを水に浸すと、水がティッシュに染み込み、どんどん上の方まで染み込んできます。
これは毛細管現象の代表的な例で、要するにティッシュの繊維の間にある小さな隙間を水が登ってきているのです。この「目に見えないほどの小さな隙間」というのが毛細管現象を起こす犯人で、キッチンペーパーなどでやっても同様の現象が起きるのですが、水は重力に逆らって下から上に移動することがあるということをご理解いただけると思います。
ではこの毛細管現象と雨漏りがどのように関わっているかというと、例えば屋根を想像してください。通常、屋根は何百枚という屋根材がきれいに並べられていますよね。その一枚一枚は独立しているため、実は屋根材と屋根材の間には当然ながら隙間が存在しています。実はこの隙間は雨漏りを防ぐために非常に重要で、万が一雨水が浸入しても排水する出口としての役割も果たしています。また滞留した湿気を逃がす換気口としての役割も担っています。
ところが本来必要であるはずの隙間を知識のない屋根業者が塞いでしまうケースがあるのです。起こりやすい工事としては「屋根塗装」や瓦のズレを防いで耐風性や耐震性を上げる目的で行われる「ラバーロック工法」です。スレート屋根を塗装する時に塗料で隙間を塞いでしまったり、コーキング材で瓦同士をガチガチにロックしてしまった場合、当然隙間はなくなります。そこに雨が降ってきたとして、隙間は塞がれているわけですから水の浸入もありませんし、入ってこないということは出口も不要なわけです。
ところが屋根塗装やラバーロック工法を施して数年経って、塞いでいた塗料やコーキング材が劣化し、ほんのわずかな隙間ができてしまったとします。
本来屋根材の上から下に流れる雨水が、毛細管現象を起こし、その隙間から吸い上げられ屋根材の下に入り込んでしまうのです。当然他の出口は塞がれていますので、外部に排水されることなく防水紙の下を通り抜け、雨漏りへとつながっていくというわけです。
このように屋根リフォームをしてまだ数年しか経っていないのに、雨漏りが始まったという方はもしかしたらその際の工事で屋根材の隙間を塞ぐような工事を業者がしてしまっている可能性があるということを覚えておいて損はないと思います。
もし心当たりがある方は一度工事をお願いした業者に相談してみましょう。ただし知識のない業者である可能性があり、話を取り合ってくれない可能性もあります。また自社の工事を自分たちで否定することになりますからよほど誠実な会社でなければお客様側が泣き寝入りということにもなりかねません。
私たちアメピタが第三者の立場で点検・補修を行うことも可能ですので、お気軽にご相談ください。
またこれから屋根塗装を考えている方はお見積りを頂く際に必ず「縁切り」「タスペーサー」という言葉が入っているかどうかをご確認ください。これらは塗装で隙間を塞がないように、隙間を作る作業や道具となります。こういった項目が入っている業者はきちんと毛細管現象が雨漏りに繋がるリスクがあることを理解している業者である可能性が高いと言えます。