新築なのに雨漏り!原因と対処法、保証制度について
雨漏りトラブルの多くは経年劣化によるものですが、築10年未満の住宅の雨漏りも時折点検依頼が入ってきます。新築住宅であれば寿命も経年劣化も考えにくいです。
それでは何が原因で雨漏りが発生してしまうのでしょう。
大きな労力と財産を賭けたお家ですから、できるだけリスクを減らして資産価値を下げないようにしたいですよね。
今回は新築住宅における雨漏りの発生原因、また発生した際の対処方法、対策方法についてみていきます。
これから新築を建てる方、まだ築10年未満だという方、是非参考にしてください。
新築物件なのに雨漏りが起こってしまう原因とは
築10年未満で雨漏りすることは通常考えられません。多くの原因は2つ!
「施工不良」と「自然災害」です、解説していきます。
■施工不良による雨漏り
新築における雨漏りの主な発生箇所は外壁や窓、サッシ、換気口などの開口部だと言われます。
新築に限らずよく雨漏りの発生箇所として屋根と並んであげられる外壁、開口部はもともと雨漏りしやすい構造で、雨仕舞の設計や防水工事、メンテナンスを入念に行う必要があります。
つまり「施工品質」によっては新築時から雨漏りが発生するという事態も充分にあるということ、他にも以下のケースがあります。
・雨樋の設置が適切にされていなかった
・スレート屋根の棟板金の釘打ちがしっかりと行われていなかった
・ルーフィングと呼ばれる防水シートの設置が不十分だった
・ベランダ防水工事が不十分だった
■自然災害による雨漏り
自然災害によって住宅の設備や部材が破損し、雨漏りが起こることは十分考えられます。
地震による揺れ、台風による突風や強風、近年増加しているゲリラ豪雨など、いつ襲ってくるかわからない自然災害は住宅にとって最も大きな脅威となります。
具体的な例をあげると突風で棟板金が浮く、瓦にヒビが入る、地震の揺れで外壁に大きな亀裂が入る、雪で雨樋が壊れるなど。
住宅部材には弱点が必ず存在します。お住まいの土地や気候に合わせて、住宅部材や屋根形状を決める必要があります。
雨漏り修理に適応できる保証制度や保険について
損害に対し、お金の負担が大きくならないよう施工不良に対しては「瑕疵保証」が、自然災害に対しては「火災保険」が適応できるかもしれません。
■10年未満の雨漏りは瑕疵保証制度を適応できる
瑕疵(かし)とは?
・きず。欠点。また過失。
・法律上、何らかの欠点や欠陥のあること。
住宅の瑕疵を放っておくことはできません。雨漏りは二次被害、三次被害の広がりが凄まじく、最悪は命を落としかねる危険さえあります。
また近年では「欠陥住宅」という言葉がテレビやラジオでのメディアに出て、拡散されて社会問題にもなりました。沢山の消費者に大きな不安を与える事となってしまいました。
そこで消費者を守るため制定されたのが「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」です。
新築住宅を施主に引き渡した後10年以内に住宅の基礎となりうる構造部分に瑕疵が見つかれば、施工や住宅販売を行ったハウスメーカー、工務店は無償で修繕を行わなければなりません。
販売業者が倒産した後に瑕疵が発覚した場合も「住宅瑕疵担保履行法」という救済制度によって、施主は少ない負担で住宅の補修工事が行えます。
瑕疵保証制度で注意していただきたいのは以下の場合、瑕疵保証制度が適応できないということです。※一例となります。
・き損・瑕疵に対して施主の過失が認められた場合
・屋根に太陽光パネルを設置している場合
・リフォームしている場合
・自然災害によって、き損・雨漏りした場合
住宅の設備に手を加えたり、設計をし直したりしたことによる雨漏り・瑕疵は保証の対象外から外れます。
また、自然災害についても「施工品質」とは全く関係がないところですので同様に保証の対象外です。
■自然災害による雨漏りは火災保険が適応出来る場合もある
新築住宅に限りませんが自然災害が直接的原因で雨漏りした場合は火災保険が適応出来る場合があります。特に新築の場合、経年劣化によるき損・雨漏りが考えにくいため10年以上経過している住宅よりも自然災害によるき損が認められやすいといいます。
もちろん選んだ住宅部材や建築構造、場所によって耐用年数や寿命は違うため自然災害が起因認められないケースもあります。
まずは信頼のおける雨漏り業者へ連絡し、入念な雨漏り調査を行ってもらいましょう。
新築物件の雨漏り対策
新築物件には瑕疵保証が適応できることはわかりましたが、雨漏りが起こらないことが1番ベストです。新築物件の雨漏り対策は、設計・購入の前から入念に行いましょう。
住宅設計においてデザインや間取りの快適さも大切ですが、長く住み、建物としての価値を維持していくためには設計の段階から住宅の機能を維持できる・雨水に対して強い、雨漏りしにくい家というのを念頭に置かなければいけません。
100%雨漏りしない家は存在しませんが、雨漏りがしにくい屋根材、屋根形状、雨仕舞の設計というのはあります。
少しでもリスクを減らし、安全に生活を送ることを優先して、その上でこだわりの住宅を作るということが最もリスクが少なく後悔の無い選択でしょう。
前述のとおり「新築物件の雨漏り原因で最も多いのが施工不良」、つまり販売・施工業者を慎重に選ぶ必要があります。
地元での評判や会社としてのコンプライアンス、経験と施工実績など隅々までチェックして業者選びを行いましょう。
また瑕疵以外の事で住宅のリフォームをお考えである、訪問販売業者が来て家の気になることを言われた、こういった場合にどこに相談していいのかわからない、ということであれば考えている・指摘された箇所の専門業者に依頼しましょう。
しっかりとした施工実績があるか、地元密着で施工しているか、お客様の声は書いてあるか、入念に調べて依頼をすることが大事ですね。