覚えておきたい!屋根の「棟」は雨漏りが発生しやすい場所の一つです
上空から降ってくる雨を真っ先に受け止める屋根、お住まいの中でも最も雨漏りが発生しやすい場所の一つですが、屋根の中でも構造上、真っ先に雨を受け止め、さらに風の影響も受けやすい棟は雨漏りが最も発生しやすい場所の一つであると言われています。雨漏りが起こしやすい棟とはどこなのか、なぜ雨漏りを引き起こしやすいのか見ていきましょう。
棟ってどこの部分?
葺かれた屋根材が交わる部分を「棟」と呼びます。スレート屋根であれば板金が被せられていますし、瓦屋根であれば棟瓦が葺かれています。屋根の頂点にある棟を「主棟」、下に向かって伸びる棟を「隅棟」と呼びますがそれぞれ屋根材の頂点部分となるため真っ先に雨が当たりやすい場所となり、雨漏りが起こりやすい場所と言われています。
雨漏りケース1:スレート屋根の棟からの雨漏り
例えばスレート屋根に被せてある棟板金の場合であれば、固定している釘が緩んで浮きはじめることで隙間を作ってしまう、また釘が緩んだことによりその釘穴が原因となってしまうといったことが雨漏りを発生させる要因となります。
また屋根の頂点にある主棟は、風の影響も受けやすく台風後などは棟板金が外れて落下してしまったというお問合せも多々いただきます。頂点部分を覆うカバーがなくなるわけですから雨が降れば遠慮なく雨が浸入してしまうというわけです。
釘が浮いてしまっている場合は釘やビスを打ち増しすることで対処し、飛散してしまった場合は新しい棟板金を取り付けることで対応します。棟板金を交換する際には板金を固定する貫板(ぬきいた)を樹脂製のものに変えることでより水の浸入に強い屋根へと生まれ変わらせることが可能となります。
雨漏りケース2:瓦屋根の棟からの雨漏り
瓦屋根の棟から雨漏りが発生する原因として考えられるものとしてまずは棟瓦を固定している漆喰が剥がれてしまうことで、内部の土に雨水が浸入しそこから雨漏りに繋がっていくというケースです。また漆喰が棟瓦よりも前面に飛び出してしまっている場合も雨水が飛び出した部分に溜まり、瓦との隙間からの浸入により雨漏りを誘発するケースもあります。
次に考えられる原因は本来、整然と並んでいるはずの棟瓦が崩れてしまい、棟の内部にある土が水を染み込み雨漏りに発展してしまうといったことがあります。漆喰の剥がれや棟の倒壊にしても内部の土に水が染み込んでしまうことで建物内部への浸入を許すことになり最悪のケースとしては下地や梁の腐食を進め、大がかりな工事へと発展してしまう恐れがあるということです。
こうした場合は漆喰の剥がれや棟の崩れは漆喰の詰め直しや棟の取り直しを行うことで対処します。