吹田市の賃貸マンションで雨漏りの調査に行きました。3階の部屋の壁のクロスが剥がれていました、畳も濡れていましたし、相当量の水が漏れたようです。4階のベランダを見させて頂きました。その結果ベランダ床に大きめのクラックが有ります。笠木部分にもクラックが有ります。今回の雨漏り調査は分かりやすい場所で特定が早くできました。前回の防水工事から相当年数が経過しているようです。賃貸住宅の場合は入居者も、あまり住まいの痛み具合は気にしないので実際に雨漏りするまで気が付きにくいので対処がどうしても後手にまわります。防水の工法は大きく分けてゴムシート系防水、塗膜防水、アスファルト防水等に分かれます。その中でも多種多様に分かれます。どんな工法にも一長一短があり適材適所で使い分けます。保証もメーカー・工法によって変わってきます。防水だけは完璧を求められる工事ですから熟練の職人の技が必要です。
今回は旭硝子サラセーヌ密着SD工法で施工することになりました。いわゆるウレタン防水の密着工法です。工程としては①プライマー塗布→ ②ウレタン・補強クロス→ ③ウレタン塗布→ ④ウレタン塗布→ ⑤トップコートの5工程になります。防水の種類としては塗膜防水になります。ベランダなどの防水によく使われている工法です。トップコートにフッソを使用すれば10年メンテナンスフリーです。価格もお手頃で塗膜防水の中では最もよく使われている材料です。屋上などで障害物などが多い場合施工がしやすいのでよく使われます。
ベランダにこれだけ大きなクラックが入るケースは珍しいですね。ベランダでのクラックの発生はほとんどが建物の揺れによって起こります。特に鉄骨の建物の方が鉄筋の建物に比べるとよく揺れるるので、鉄骨の建物はこまめな点検が必要です。ベランダの下が部屋になっている場合特に注意して、入居者が退去したときは、防水の点検と施工をしておいた方が無難です。
ウレタン塗膜防水は、複雑な形状にも対応できます。ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を塗布していく工法のため、シート防水のような面倒な切り貼りをしなくても、複雑な形状や段差に対応できるというメリットがあります。ウレタン防水は塗布する工法なので、上から重ね塗りが出来る為シート防水のように、既存の防水を剥がしてから張っていくという施工の手間や時間を短縮することが出来ます。作業前には、高圧洗浄機でしっかりと汚れを隅々まであらいながさないといけないですが、シート防水のような廃棄物が出ないので、環境に優しい工法と言えるでしょう!デメリットといえば、ウレタン防水は液状のウレタン樹脂を塗布する為、しっかりと乾燥さえなければ硬化が発揮されません。それに加えてウレタン樹脂は乾燥が遅くて工事期間が長くなりがちです。乾燥がはやいFRP防水が1~2日で済むような施工の場合ウレタン防水は、4~5日かかります。乾燥期間が長くなってしまうという所が、難点でしょうか。