吹田市南正雀のお客様より深刻な雨漏りでお困りだとのご相談を受けまして現場にお伺いいたしました。
収納棚にまで浸水が進んでいたようで、入っていた荷物がびしょびしょに濡れており、さらに背後の木材の壁も雨水にやられてしまいぶよぶよの状態だったようです。かなり心配になりお客様自身で壁を壊し、中身を確認したところ断熱材までびしょびしょの状態で「これは些細な雨漏りではない」と慌ててご連絡をいただいたということです。 小屋裏も確認させていただきましたが、雨漏りは数か月以上は続いていたのでしょう。雨染みが広がってしまっています。屋根からの雨漏りが考えられるため早速屋根にあがって調査をさせていただきます。
屋根の調査
瓦の中でも特に寿命の長い釉薬瓦が使われています。鮮やかな、非常に美しい青色をしています。屋根やさんでも釉薬瓦はいいなぁなんて思ってしまいますね。 50年以上の耐久性が期待はできますが、赤枠部分をご覧いただいてわかるようにズレやひび割れなどはいかに耐久年数が長いとはいえ、地震や台風の影響を受ければ避けることができないんですよね。もちろん瓦がズレたから、割れたからとは言えすぐに雨漏りがするわけではありません。瓦の下に敷かれた防水紙がお住まいへの雨漏りを防いでいますから雨漏りにはなりません、が、防水紙も15年程度で寿命を迎えますから防水紙が寿命を迎え空破れてしまったり、穴が空いてしまえば途端に雨漏りが始まることになるのです。
それ以外でも多くの箇所で雨水の浸入を許してしまっている箇所があります。 まず外壁との取り合いに設置されている板金部材の釘の浮きです。わずかですが板金部材に固定された釘が浮くことで雨水の浸入を許すケースは実は多いんですね。 また屋根の棟部分に目をやると、漆喰が崩れているのも確認できます。中の固定用の土が露出してしまい、水を吸い込んでしまっているのでしょう。この漆喰も雨漏り原因となりやすい箇所です。 こうしてみると瓦自体の寿命は長くても、様々な箇所に不具合を生みやすいのが瓦屋根なんです。遠目で見ると美しくても、近くで見ると不具合がいっぱいあったということは全然珍しくない事なのです。
雨漏りは見えないところで進むから怖いのです
雨漏りが怖い理由は、実は知らないところで進行しているという不具合だからです。 特に原因が屋根の場合は、普段目にしない部分だからこそ知らず知らずのうちに雨水の浸入を許してしまっているということですね。 瓦屋根の場合、瓦自体の寿命が相当に長いためメンテナンスを怠りがちになってしまう方も多いようですが、この度の雨漏りのように瓦以外の部分が原因になることが往々にしてあるのです。そうしたことをご理解いただき、やはり10年に一度は専門業者にみていただくことを是非お勧めしたいと思います。