東大阪市のアパート　雨漏り調査！

ご相談内容

東大阪市にてアパートをお持ちのオーナー様から、当店のホームページを見ていただきご相談のお問い合わせをいただきました。

平成30年9月4日、大阪を直撃した台風21号の時に、カラーベスト屋根と瓦棒屋根の「棟板金」が強風にあおられて飛散してしまったのですが、当時は知り合いの業者はどこも手一杯なので対応してもらえず、やむなくタウンページで何件が連絡し、やっと見つかった業者に来てもらい、とりあえず応急処置を施してもらったとのことです。

しかし、カラーベスト屋根の棟部分だけ簡単にブルーシートを張るだけの、わずか1時間程度の作業で5万円も支払わされ、しかも後日見積書を持ってくると言ったのにそれっきり連絡が来ず、何度も電話をかけても「そのうち行きますから」の一手張りで、今年に入って改めて連絡すると「現在使われておりません…」というアナウンス。

昨年から3階の廊下に雨漏りが発生し悩んでいたところ、オーナー様の息子様が当店のホームページをご覧いただき「雨漏りに特化していて、情報もたくさん掲載されているから、大丈夫じゃないかな？」と、ご連絡をくださいました。

室内の状況

3階の廊下の天井です。

天井に張られたベニヤ板が落ちてこないように、ガムテープで補強しておられたようですが、雨の重みではがれ落ちそうになっております。

カラーベスト屋根の状況

カラーベスト屋根の棟板金（棟包み）が完全になくなっており、下地の貫板も片側がおそらく飛んで行ってしまったのでしょう。
また、カラーベストの最上段部分も数枚不明になっておりました。

私の経験上、3年前の台風でもっとも多かった被害はコレだと思います。

ちなみに「棟」とは、簡単にご説明すると、屋根面と屋根面が交わりあう山型の稜線部分を言います。
最上段等の水平部は「陸（ろく）棟」、斜めに降っているのを「隅（すみ）棟」と呼ばれます。
カラーベスト屋根の棟部には、板金材が多く用いられています。

しかし、ブルーシートをテープで押さえつけるだけの簡単な応急処置に5万円とは、ボッ〇クリ業者と言ってもイイかもしれませんね。

瓦棒屋根の状況

次は、勾配の緩い「瓦棒屋根」の調査です。

ご覧の通り、カラーベスト屋根と同じく棟部分が飛散してしまってます。
ちなみに、このような片方のみに勾配のついた屋根形状を「片流れ屋根」と呼び、水上部の棟は「片流れ棟」と呼ばれてます。

こちらのアパートの場合、もともとは片流れ棟を取り付けておらず、「唐草」という瓦棒屋根の端部に取り付ける役物で水上部を納めていたと思われます。
ここからは推測ですが、おそらく昔にその水上部から雨漏りが発生し、それを防ぐために後から取り付けたのではないでしょうか？

しかし、その工法ではいわゆる吹き降りと呼ばれる横雨の際に、下地板が雨ざらしになってしまい、経年劣化で下地材自体が腐食を起こし、台風によって吹き飛ばされたと考えられます。

そして、ケラバ部にも被害が確認できました。

ケラバ部とは、妻側（両端部）の呼称で、「袖部」とも呼ばれることもあります。

ブランブランなって今にも飛んでいきそうになっている板金の下を調査すると、下地である「木毛板」が一部無くなっており、めり込んでいる箇所もありました。
おそらく施工当初から不安定な施工がされていたのではないかと推測できます。

築年数が古いアパートということもあり、今後長く保有する可能性が低いというオーナー様からのお考えをお聞きし、修繕工事でお見積りさせていただくことになりました。

ただし、下地はしっかりと補強して、3年前の台風21号クラスの強風でも被害が出ないよう、
ご安心いただける内容にします！