吹田市のお宅より、屋根が剥がれてしまって雨漏りが心配、とのお問い合わせを受け現地調査に伺いました。
グレーの化粧スレートが使われた屋根です。敷地内に平たくて硬い破片が落ちてきたときは、はじめは何だろうと思ったそうですが、すぐに屋根だと思い当たりお問い合わせいただきました。化粧スレートはセメントを主成分とした厚さ5~6mmほどの屋根材です。比較的軽く安価なので、瓦にかわり今では多くの住宅屋根に使われています。
化粧スレートは経年で表面の塗装が劣化してくると、撥水性を失い雨水が染み込みやすくなります。それだけでも屋根の役割としては問題ですが、水を含むようになったスレートは反って変形したりもろくなって割れや欠けが起こりやすくなったりしてしまいます。今回の場合も、強度が落ちたスレートが風であおられ飛んでしまったのでしょう。
屋根を点検すると、剥がれた箇所の他にも亀裂が入ったスレートがいくつか見つかりました。そのうちの一つを慎重に剥がしてみると、水を吸い傷んだ防水紙が現れました。屋根は、スレートなどの屋根材だけでなく、その下に敷いてある防水紙が、雨漏りを防ぐ重要な役割を担っています。しかしこの防水紙にも寿命があり、さらに今回はスレートの傷んだ場所から集中的に雨水が入り込んだことで劣化が進んでしまったと思われます。雨水がこの防水紙を突破してしまえば、雨漏りにつながってしまう危険性大です。
スレートは部分的な補修も可能ですが、スレートが全体的にもろくなってきていること、さらに防水紙も傷んできていることなどから、全面リフォームもご提案いたしました。棟を覆っている棟板金も、留め釘の錆やゆるみが見られるので新しくなれば安心です。雨漏りはほんの小さな屋根の傷みからでも起こります。屋根材や板金の不具合など気になった時には早めにご相談ください。