吹田市の集合住宅で、強風の日の後屋根が捲れてしまい雨漏りしてしまったとのお問い合わせがあり、現場調査した時の様子です。

屋根は金属製で、立平葺きという工法で施工されています。屋根の頂点（棟）から軒に向かって一枚の長い板金を使っていますので、雨水が建物内部に入りにくい構造となっており、ご覧のように屋根の勾配が緩やかな建物にも向いています。今回は一番端の板金が強風にあおられ大きく曲がってしまいました。向かいにある同様の建物の屋根もやはり捲れあがっていますので、建物の隙間を突発的に強い風が吹いたのかもしれません。

金属の屋根の下には防水紙が敷いてありますが、防水紙はかなり劣化しており、破れてさらにその下にある野地板と呼ばれる合板が露出しています。防水紙の劣化具合や、屋根材が固定されていたはずの板金も錆びているところを見ると、留めていた釘はずっと以前からなくなっていたのかもしれません。野地板に防水性はありませんので、ここから雨が入り込んだことが雨漏りの原因です。

ひとまずこれ以上雨が浸入しないよう、板金を修繕いたしました。しかし衝撃で割れてしまった部分は直すことができませんので、コーキング補修で処置をいたします。しかし早めに新しい板金へ交換し、防水紙も貼り直した方が良いでしょう。立平葺きの屋根は雨が浸入しにくい分、こうして一度剥がれてしまうと大きな被害となるデメリットもあります。また金属なので当然錆には弱く、表面を保護する塗装が色褪せてきたら要注意です。

強風や台風の日の後は、気がつかないうちに屋根や家周りが被害を受けている可能性もあります。目も届く範囲で構いませんのでチェックしてみることをおすすめいたします。