台風15号、台風17号が猛威を振るって各地で被害を続出しています。特に台風被害で多いのは瓦屋根のお住まいですが、今回はこの時期として注意を向けていただきたい瓦屋根の被害と補修方法（棟瓦）について解説させていただきたいと思います。

吹田市のお客様より昨年の台風24号により釉薬瓦の棟の崩壊してしまったとのことで、まずはご連絡をいただき点検にお伺いした様子です。屋根の上の状況は遠目に見ても棟の崩壊が認識でき、またベランダのポリカーボネート製の波板屋根も一部無くなり飛ばされてしまったようです。

ベランダ部分はポリカーボネート製の波板の一部が外れて飛んで行ってしまっています。ポリカーボネート製の波板は突風や強風に対し耐久性が強く、非常に割れにくいですが、固定しているフックが悪くなって屋根が飛んでしまうケースがございます。フックは樹脂製のものが一般的ですが、波板よりも先にこちらが経年により傷むことが多いのが原因のようです。

こちらも張り替え工事にてご対応させていただきました。

記憶に新しい方もいらっしゃると思いますが、こちらのお宅も相当強烈な突風被害をまざまざと見せつけられます。特に隅棟部分がひどい状況でした。冠瓦とのし瓦が崩壊・飛散し中に入っていた固定のために使われていた土と漆喰が露わになっています。
もちろん銅線もはずれています。

また、経年が進み、大棟の取り合い部分・特に鬼瓦の付け根部分（鬼巻き）の漆喰の劣化が顕著です。他にもかなりの範囲で漆喰が劣化して黒ずみ、剥がれています。
お住まいにとっての大敵で雨漏りを防ぐための役割を持つ屋根ではありますが、このありさまでは雨が降れば雨水の浸入は避けられません。このような場合は本工事が始まるまでの期間の応急処置としてブルーシートで雨養生を行います。

崩れていた隅棟を、再度中の漆喰と土を敷き直し積み直し工事にて修復し
鬼巻き部分や他の劣化していた漆喰部分も漆喰を塗り固めて補修させていただきました。

皆さんはどのように思われますか？
多くの方がお答えになるように台風被害に遭う前に劣化箇所・不安な箇所の点検を行った上でメンテナンスを行うことが最善ですよね。
台風被害による屋根補修は火災保険が適用できるため自己負担なく修繕ができますが、本来雨漏りから私たちの生活を守ってくれている屋根に不具合がある中で生活するのは大変不安ですし、ストレスもあります。
また万が一、飛散した瓦が人を傷つけてしまったといったような二次被害が発生してしまえば目も当てられません。

普段見ない屋根の上だからこそ、「現在我が家の屋根はどんな状況だろう？」と把握できていないケースがほとんどではないでしょうか。だからこそプロによる屋根の無料点検にて劣化・不具合を早めに見つけ、早めに対処することをお勧めします。