吹田市の築35年を超えた釉薬瓦のお住まいにて雨漏りが発生するとのご連絡を受け、調査を実施しました。
屋根に上って確認したところ、棟瓦が剥がれ、そこから浸水していることが原因であることが判明しました。

実際に屋根に上ってみると、棟瓦が剥がれずれた状態となっているのが確認出来ます。昨年の台風21号の爪痕が垣間見えます。

棟瓦とは、屋根同士が接触し角ばっている箇所（棟と呼ぶ）を固定する部分のことを言います。棟瓦には屋根の固定、雨漏り防止といった役割があります。これが剥がれることで雨漏りの原因となってしまいます。（雨が当たりやすい場所であるため雨漏りが発生しやすい箇所でもあるのです。）

 

 

棟瓦は、複数ののし瓦を積み重ねその上に冠瓦を載せ、漆喰と銅線で固定した構造となっています。棟瓦欠損箇所に近づいて見ると、のし瓦がずれ漆喰がボロボロになり失われてしまっているのが分かります。二階天井で雨染みが発見できたのですが、ここから浸入した雨水により屋根の下地が劣化し、室内への雨漏りへと繋がったことがわかります。漆喰の剥がれや瓦のずれが棟瓦劣化の要因となり、放置すると今回のような雨漏りが進行し、屋根の下地の劣化が進むことで屋根全体が劣化し、固定が緩みによる瓦の落下が生じる可能性もあります。

 

 

では実際にはどのくらい前から屋根の劣化が始まっていたのでしょうか？
棟瓦が失われた箇所の一部からは雑草が生えていました。雨漏りが発生するよりも前から棟瓦の劣化が確実に進んでいたものと思われます。また、棟瓦以外の箇所で瓦が破損してる箇所が確認出来ました。早急の対応が必要であることから、棟瓦と瓦破損箇所の補修工事と瓦の差し替えをご提案しました。

釉薬瓦は塗装メンテナンスが不要な屋根材ではありますが、ずれ・割れといった外的な要因による不具合はどんな屋根材にも起こる可能性があります。
当然屋根の不具合は雨漏りに直結するお住まいの深刻な状態ですから、屋根の状態・雨漏りに不安のある方はお早めにご相談ください。