吹田市のお客様より雨漏りが心配で、と現場調査のご依頼です。
お住まいの屋根材はスレート（後述しますがアーバニーという屋根材です）で一見して塗膜の劣化も確認。
他にも雨漏りの繋がる可能性のある箇所を多数発見することになりました。

屋根にあがると著しい塗膜の劣化が確認できました。
ところどころで色褪せた箇所やムラを発見。苔やカビも見られます。
また、スレートの割れも複数あるなど、だいぶ傷んでいます。

スレートはセメントに繊維を混ぜ合わせ、板状に伸ばした屋根材で、加工もしやすく安価なことから人気です。
反面、割れやすいといった特徴もあり注意も必要です。
またスレート自体に防水性がなく、塗膜による保護が必要ですが、この塗膜が劣化し耐久性を損なうことがよくあります。
結果として雨水が浸透し乾きにくいと行った状況がうまれ、苔やカビが生えるなどの悪循環に陥ります。

こちらのお宅のスレートは、クボタ（現在のケイミュー）製のアーバニーという屋根材になります。重ね方も特徴的で、表面が凸凹した独特の素材感が趣を醸し出していますが、ノンアスベストのため基材に粘着性のあるものが混合されておらず、非常に割れやすく4年ほどで販売が中止されてしまった商品なのです。

劣化もしていることから塗装をして保護したいのですが、塗装をしたあと屋根材同士が重なりあった部分に切れ目をいれる「縁切り」と呼ばれる作業があるのですが、その時に割れてしまうことが多く、塗装に不向きな屋根材と言われています。
当然、割れがあっては雨漏りの危険性も増してしまいます。
そのため、アーバニーの補修では今後のことを考えますとカバー工法や葺き替えといった工事がオススメです。

劣化が見られたのは屋根材のスレートだけではありません。
屋根の頂上部分、三角部の頂点を棟といいますが、そこを守る板金の劣化もはげしいようてす。
特に板金を固定する釘を見ると茶色に変色し錆びています。
また、別の箇所の棟鈑金を見ると釘が抜けかかっています。
このままですと強風に煽られる形で棟鈑金が飛散、落下するなど大きな被害に及ぶ可能性があります。

まだ雨漏りはしていないそうですが、スレート屋根の劣化は激しく、割れもある状態は危険です。
特にご使用になっているアーバニーでは今後の割れも気になるところです。屋根材の下には防水紙（ルーフィング）があり、すぐに雨漏りとなるわけではありませんが、このまま放置して防水紙を傷めてしまうと、その下の野地板に雨水が浸透し、雨漏りとなってしまいます。

また棟鈑金が飛散すれば、屋根の頂上からの雨漏りの可能性は避けられません。
いずれにせよ、早急な対処が必要です。

屋根だけではなく、お住まいの周りを確認したところ、外壁でも劣化がみられました。
サイディングの目地の隙間には外壁材の膨張を緩和する緩衝剤としてをコーキングが充填されているのですが、こちらが劣化しひび割れています。
ここに横殴りの雨があたれば、雨水が浸透し、家屋を炒めることになります。

さらに外壁を手で触ってみると、チョークを触ったように白くなりました。
チョーキング現象と呼ばれるもので、塗膜の劣化を示すサインです。

外壁も劣化を防ぐためには塗膜による保護が必要です。こちらも対処しなくては、家屋の寿命を縮めることになってしまいます。

無料点検を実施したところ、複数の箇所で劣化を確認。
いずれも補修の必要があり、画像をお見せしながらお客様にご説明させていただきました。

そんなにひどい状態だったとは思わなかったとのご感想ですが、なかなかお客様で見分けることができるものではありません。
お住まいのことはお住まいのプロにお任せください。

今回は雨漏り前の点検で大きな被害となる前に防ぐことができそうです。
皆さんも、大きな破損となる前にぜひご相談ください！