屋根全体で瓦がずれている箇所が見受けられます。
この瓦のズレの原因は下地となっている葺き土です。屋根の下地に葺き土を使用する工法は古い瓦屋根のお宅にはよく見かけますが、屋根の重量が葺き土の分重くなり建物に負担がかかるため、現在工事されるお家に新たに使用されることはほぼありません。
本来は葺き土が瓦を支えているのですが、長い時間をかけ土が痩せていくとともに瓦を固定するだけの粘土が失われ、瓦が動いてしまうようになります。
そうすると瓦がずれる→瓦同士の隙間が空く→隙間から雨水が浸入する→土が流れ出てさらに痩せていく、といった悪循環になり、やがて雨漏りにつながっていきます。