何より、瓦の下地となっている土が露出していますから、このまま雨に晒されれば雨水がどんどん染み込み、雨漏りを引き起こしてしまうでしょう。特に棟が無くなると、屋根の面同士の隙間に雨水が入り込みやすくなってしまいます。
数十年前まで、瓦の施工にはこの葺き土が使われました。粘度があり瓦を支える役目を持っていますが、経年により少しずつ痩せたり流れたりすることで固定力が弱まってしまいます。そこへ強い風が吹いたことで瓦が捲れて、棟が崩れてしまったのでしょう。
しかし瓦そのものはとても丈夫で、割れたり欠けたりしていなければ屋根を守ることができます。破損してしまった瓦については同じ型の新しいものを用意し、そうでないものはそのまま使用できるので、下地を強化したうえで補修を行います。