佐竹台のお客様より、屋根の上から白い破片が落ちてくるということでお問い合わせをいただきました。正体を明かしてしまうと、これは瓦屋根に使われている漆喰が剥がれ落ちたものです。こうして落ちてきて気づく方が多いようです。

漆喰とは、ご存じの方も多いとは思いますが、石灰を主成分とした粘土のような素材で、乾燥すると硬いセメントのようになります。瓦屋根の場合、屋根の一番高いところである棟の下を埋めるように使われています。（写真：半月型の白い部分）しかし、漆喰は20年も経てば耐用年数を迎えてしまうといわれていて、このように割れて剥がれてくることがあるのです。こちらのお宅でも15年以上前に漆喰の詰め直し工事をしたとのお話でした。

漆喰が剥がれ落ちた部分からは茶色い土が覗き、零れ落ちている様子が見えます。これは棟を施工する際に使う葺き土で、この土が棟を支えています。ところがそのままでは土に雨が当たって流れたり、土に水が染み込んで雨漏りの原因になったりするため、漆喰を埋めて守っているのです。

鬼瓦付近も漆喰で固められていました。隣の棟との接続部分で隙間ができやすいのでそこを保護するように漆喰が使われています。（盛り方が少々大ぶりな気がしますが…）そしてここの漆喰も大幅に欠けて無くなっています。瓦と接している面がすでに浮いてきてしまっているのが分かりますね。

昔ながらの瓦屋根は、瓦そのものが丈夫なため何十年でも使い続けられるといわれます。しかし施工に使われる漆喰などはそこまで寿命が長くないため、やはりメンテナンスが必要です。お手入れをしっかりしてこそ、安心して健康な屋根を保つことができるのです。