三浦市南下浦町上宮田でセキスイハウスで建てた築50年というお住いでのメンテナンスをご紹介します。経年による劣化もありますが、屋根材に使用されているセキスイかわらUという屋根材による影響が大きかったようで、セキスイかわらUは、1975年から2007年まで販売された屋根材で、当初は軽量で強度があり、メンテナンス性に優れていると評価されていました。しかし、1990年8月以降に製造されたノンアスベストタイプのセキスイかわらUに重大な問題が発生しました。
アスベスト含有の健康被害問題を受けて、積水化学工業はアスベストを取り除いた新しいバージョンのセキスイかわらUを開発しました。しかし、アスベストに代わる十分な強度を持つ素材の技術が未熟だったため、この新しいバージョンは予想以上に弱く脆い屋根材となってしまいました。
その結果、ノンアスベストタイプのセキスイかわらUは耐久性に深刻な問題を抱えることになりました。具体的には、塗膜の剥離、ひび割れ、欠落、基材の崩れ、層状剥離などの劣化症状が顕著に現れるようになりました。これらの問題は、屋根材の寿命を著しく縮め、建物の保護機能を損なう結果となりました。
さらに、セキスイかわらUの特徴的な構造も問題を悪化させました。他のスレート屋根とは異なり、セキスイかわらUには裏側に空気層があります。この構造が、すでに脆弱な材質と相まって、屋根の上に乗ると簡単に踏み抜いてしまう危険性を高めました。これにより、屋根の点検や修理作業が非常に困難になり、安全上の懸念も生じました。
これらの問題が明らかになるにつれ、多くの顧客からクレームが寄せられ、最終的に2007年にセキスイかわらUの販売は中止されました。しかし、既に設置されている屋根材については、メンテナンスや交換の必要性が高まり、多くの家屋所有者に経済的負担と安全上の懸念をもたらしています。現在では、セキスイかわらUを使用している建物のオーナーは、屋根の葺き替えなどの抜本的な対策を検討する必要に迫られています。
セキスイかわらUによる雨漏りは、主に1991年以降に製造されたノンアスベストタイプの製品で発生する深刻な問題です。この屋根材は、アスベスト問題に対応するために開発されましたが、耐久性に大きな課題を抱えていました。
雨漏りの主な原因は、セキスイかわらUの劣化に起因します。時間の経過とともに、屋根材の表面塗膜が剥がれ始め、基材が露出します。この塗膜の剥離により、雨水が屋根材内部に浸透しやすくなります。さらに深刻なのは、屋根材にひびや割れが発生することです。これらの損傷は、単なる美観の問題だけでなく、直接雨漏りにつながる重大な要因となります。
特に注意すべきは、セキスイかわらUの劣化速度が非常に速いことです。他の屋根材と比較して、塗膜の剥離やひび割れが早期に発生する傾向があります。そのため、設置後比較的短期間で雨漏りのリスクが高まります。
さらに、セキスイかわらUの構造上の特徴も雨漏りを助長します。この屋根材は経年劣化により非常に脆くなり、人が乗っただけで割れてしまうほどになることがあります。これにより、屋根の点検や修理が困難になり、雨漏りの早期発見や対処が遅れる可能性が高まります。
雨漏りの進行は、屋根材の端部から始まることが多く、そこから徐々に広がっていきます。屋根材がボロボロと崩れ始めると、雨樋に落ちることが多いため、家主が気づきにくいという問題もあります。
残念ながら、このタイプのセキスイかわらUは塗装による修復が効果的ではありません。塗装を施しても、すぐに剥がれてしまうため、雨漏り防止の長期的な解決策とはなりません。 結果として、セキスイかわらUによる雨漏り問題に対しては、屋根の全面的な葺き替えが最も確実な対策となります。これにより、建物の保護機能を回復し、雨漏りのリスクを大幅に低減することができます。
雨漏りが疑われる場合の小屋裏点検は、建物の健全性を確認する上で重要な作業です。まず、点検を行う前に安全確認が不可欠です。屋根裏に上がる前に、床が十分に支えられているか、歩行可能なスペースがあるかを確認しましょう。
点検を始める際は、懐中電灯を用意し、暗い屋根裏を照らしながら慎重に進みます。特に注意すべきは水滴や湿った箇所の有無です。雨天時に点検を行うと、水の侵入箇所を特定しやすくなります。
屋根裏の空気の状態も重要な指標となります。
空気が湿っていたり、カビ臭さを感じたりする場合は、垂木や梁、野地板が腐食している可能性があります。これらの部材の状態を目視で確認し、明らかな損傷や変色がないかチェックします。
また、金具類のチェックも忘れずに行います。金具がずれたり外れたりしていないか、床に落ちていないかを確認します。これらの異常は雨漏りの原因となる可能性があります。
さらに、
屋根裏を暗くして外からの光漏れがないかを確認することも有効です。光が漏れている箇所があれば、そこから雨水が侵入している可能性があります。 断熱材が設置されている場合は、その状態も確認が必要です。断熱材が濡れていないかチェックし、湿気を含んでいる場合は雨漏りの兆候かもしれません。
点検中に発見した異常箇所は、必ず写真で記録しておきましょう。これにより、専門家に相談する際に具体的な情報を提供できます。
最後に、小屋裏点検で何らかの異常を発見した場合や、点検自体が困難な場合は、専門家に相談することをお勧めします。雨漏りは早期発見・早期対処が重要であり、放置すると建物に深刻な被害をもたらす可能性があるためです。
セキスイかわらUからスーパーガルテクトへ屋根カバー工法を行うことについて
屋根カバー工法は、既存の屋根材を撤去せずに、その上に新しい屋根材を重ねて施工する方法です。この工法は「重ね葺き」とも呼ばれ、比較的新しい屋根改修技術として注目されています。
カバー工法の主な特徴として、工期の短縮と初期コストの削減が挙げられます。通常、約5日間程度で工事が完了し、工事費用は80〜140万円程度と見積もられています。また、既存の屋根を撤去しないため、廃棄物処理費用が抑えられ、環境負荷も軽減されます。
工事の流れとしては、まず既存の棟板金や雪止め金具を撤去し、清掃を行います。次に、元の屋根の上にアスファルトルーフィングと呼ばれる防水紙を敷設します。この際、軒先から棟に向かって上下を10cmほど重ねて施工することで、万が一水分が侵入しても屋内まで浸透しないよう工夫されています。
その後、新しい屋根材を設置し、最後に棟板金や換気棟を取り付けて完成となります。換気棟の設置は、屋根裏の熱や湿気を外部に放出する役割があるため、推奨されています。
しかし、カバー工法にはデメリットもあります。屋根が二重構造になるため、建物への負荷が増加し、耐震性に影響を与える可能性があります。
また、既存の屋根材の状態を完全に把握できないため、潜在的な問題を見逃す恐れがあります。 特に、セキスイかわらUに対するカバー工法は注意が必要です。セキスイかわらU自体が元々カバー工法向けに販売されていたため、その下に既存の屋根材が存在することが多く、カバー工法を施すと三重構造になってしまう可能性があります。このため、多くの専門家はセキスイかわらUに対するカバー工法を推奨していません。
今回もすでにスレートにかわらUがカバー工法されていたため、かわらUを撤去した後、防水紙を設置し上から屋根材を取り付ける流れになります。
スーパーガルテクトは、アイジー工業株式会社が製造した高性能な屋根材で、令和4年に文部科学大臣表彰を受けた製品です。その特徴は多岐にわたり、まず優れた耐久性が挙げられます。
超高耐久ガルバを採用し、めっき層にアルミ、亜鉛、マグネシウムを含むことで、一般的なガルバリウム鋼板の約1.25倍の厚みを持ち、高い耐食性を実現しています。 断熱性能も特筆すべき特徴です。スーパーガルテクトは断熱材一体型の金属屋根材で、最大16mmの厚みを持つ断熱材が屋根材の接合部にも入っています。この断熱材にはポリイソシアヌレートフォームが使用されており、熱伝導率は0.032W/mkと非常に低く、高い断熱効果を発揮します。これにより、夏は室内温度を5°C以上低減し、冬は暖房効率を向上させ、年間を通じて快適な室内環境を維持します。
軽量性も重要な特徴です。1平方メートルあたりの重量が約5kgと、従来の瓦の約1/10という超軽量設計になっています。
これにより、施工が容易になるだけでなく、建物への負荷が軽減され、地震などの自然災害時の安全性も高まります。 耐火性能も優れており、断熱材に使用されているポリイソシアヌレートフォームは自己消火性を持ち、火災時の延焼リスクを軽減します。また、強風に対する耐性も高く、風速65m/sを超える強風でも問題がないことが実験で確認されています。
さらに、スーパーガルテクトは長期保証が付いており、塗膜15年、赤さび20年、穴あき25年という長期保証が提供されています。これは、製品の高い品質と耐久性を裏付けるものです。
最後に、環境性能も優れており、高い遮熱性と断熱性により、エアコンの使用頻度を減らすことができ、省エネルギーにも貢献します。これらの特徴により、スーパーガルテクトは現代の住宅に求められる多様なニーズに応える、高性能な屋根材として評価されています。
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