屋根塗装は雨漏り防止に効果はあるか?
スレート屋根、金属屋根、コンクリート瓦やアスファルト瓦などにお住いの方で定期的な屋根塗装によってメンテナンスを行わなければいけないということをご存じの方は多いと思います。しかし、この屋根塗装、雨漏り防止の効果はあるのでしょうか。
屋根塗装で雨漏りは直せないが、雨漏りを防止する効果はある
もし今現在雨漏りをしている方、何かしらの屋根補修・リフォームを検討していただく必要がある状態だと思いますが結論から申し上げて、屋根塗装をしても雨漏りを直すことはできません。
そもそも雨漏りをしているということは屋根材の下の防水紙(ルーフィング)や野地板が劣化している可能性もあります。屋根材を塗装してもこれらを補修することはできませんのでもし大がかりなリフォームを検討しているのであれば問題を抱えている屋根材を一新する屋根葺き替えやカバー工法によって根本的に解決する方法を選択していただくのが良いでしょう。
では雨漏り防止という効果はどうでしょうか。屋根塗装の目的は屋根の美観を取り戻すためですよね。色あせした屋根を綺麗にするために行うのが屋根塗装の目的の一つです。そしてもう一つは屋根に機能性を与えるためです。一つ例を挙げてみると遮熱塗料によって屋根の遮熱性を高めて暑さ対策を行うといったようなことです。
こうした機能の一つとして屋根塗装をすることで防水性を高められるという効果があります。防水性や撥水性を与えることによって屋根材への水の染み込みを防いだり、金属屋根の錆を防いだりすることで劣化を抑えるわけですね。
屋根塗装によって直接雨漏りを直すことはできませんが、屋根の機能性を高め、屋根自体を強くし、雨漏りに強くするということができるのが屋根塗装なのです。皆さんも例えば雨上がりに水が染み込んだアスファルトを思い出せる方が多いと思いますが、屋根も同じように防水性がなくなると水を吸い込んでしまうのです。こうした雨漏りのリスクを回避するための防水効果を見込めることはできます。
屋根塗装が原因で雨漏りを起こすことさえある
屋根塗装を行う際に注意しなくてはいけないこととして覚えておきたいのが、屋根塗装をすることによって雨漏りを引き起こすことがあるということです。「え!」とお思いの方も多いと思います。上述では防水性を持たせることができると言いながら、雨漏りを誘発するとはどういうことなのでしょうか。
これには屋根の構造が密接に関係しているのですが、屋根には何百枚という屋根材が設置されています。屋根材の重なり部分には隙間が必ず存在し、湿気や入り込んでしまった雨水を排出する役割があるのですがこの屋根材の重なり部分の隙間を塗装によってガチガチに固めてしまった場合、毛細管現象という現象が起こってしまい雨漏りを引き起こしてしまうことがあるのです。防水効果を期待した屋根塗装が、逆に雨漏りを起こしてしまう。なんだか皮肉な話です。屋根塗装をお願いする際には塗装技術はもちろんこうした屋根の構造をきちんと把握している業者にお願いするようにしましょう。