一方向にだけ傾斜が設けられている、このような屋根のことを「片流れ屋根」といいます。シンプルでおしゃれな見た目から、導入する人が増えている屋根の形状です。見た目の良さだけでなく、屋根面積が広いため、太陽光パネルを設置しやすかったり、シンプルな構造のため建築コストが抑えやすいといったメリットも兼ね備えています。
しかし、この片流れ屋根は雨漏りを起こしやすい屋根としての一面もあるんです！

片流れ屋根はどうして雨漏りしやすい？

片流れ屋根が雨漏りを起こす原因で多いのが、棟板金の浮きや剥がれです。棟板金は、片流れ屋根の高い方に、外壁面に固定する形で設置されています。片流れ屋根のお住まいでは、外壁に吹きつけた風が吹き上がってくるので、写真のように棟板金が浮いてしまったり、最悪吹き飛ばされてしまうことが起こるんです！棟板金が浮いたり剥がれてしまうと下地が剥き出しになってしまい、そこから雨水が浸入して雨漏りを起こしてしまうんですね。

棟板金付近には、屋根と外壁の取り合い部分もあり、この部分も雨風に晒されやすく、棟板金の浮きや剥がれがなくても注意が必要です。

片流れ屋根の雨漏り対策

そんな片流れ屋根ですが、未然に雨漏りを防ぐための対策があります。棟部分を透湿ルーフィングで覆ってしまうのです！こうすることで屋根と外壁の取り合いといった、雨水の浸入箇所を塞ぐことができるんですね。透湿ルーフィングは、湿気を通す機能の付いた防水シートですので、雨水の浸入を防ぎ、適切に湿気を排出してくれます。換気等に悪影響を及ぼすことはないのでご安心ください。
　
このようにして片流れ屋根は雨漏り対策が可能です！しかし、最初に紹介したように棟板金に浮きや剥がれがある、すでに雨漏りが発生しているという場合は、棟板金の交換工事や、場合によっては屋根カバー工事や葺き替え工事が必要になる場合もございます。どんな工事が適切か、業者とよく相談して工事するようにしましょう！