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工事基本情報

雨漏り解決！プロが手掛ける入母屋屋根の修理現場

「雨が強く降ると室内に雨漏りが…」そんな不安を抱えていませんか？
雨漏りは、ただ不快なだけでなく、大切な住まいの構造を傷つけ、カビの発生など健康への影響も懸念される深刻な問題です。
早期に原因を特定し、適切な修理を行うことが、ご家族が安心して暮らせる住まいを守るために何よりも重要です。

先日、名古屋市熱田区にお住まいのお客様から同様のご相談をいただき、雨漏り診断から修理のご提案、そして実際の工事までを一貫して担当させていただきました。
今回のブログでは、その一連の流れを詳しくご紹介します。
雨漏りの兆候、原因特定の難しさ、そしてプロの職人による修理の様子を、写真と共に分かりやすく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

雨漏りの兆候と初期診断：見えない敵の正体を追う

先日、「雨が降るたびに室内に雨漏りが…」というお困りごとのご相談を受け、名古屋市熱田区のお客様宅へお伺いしました。
まず確認させていただいたのは、1階の雨漏りしているお部屋の天井と内壁の状況です。
お客様のお話では、雨が強く降るたびに雨染みが目立つようになるとのこと。
天井や壁に広がる雨染みは、見た目の問題だけでなく、建物の構造にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。

早期に原因を特定し、適切な処置を行うことが、大切なお住まいを守るために不可欠です。
私たちは、経験豊富なプロの目でしっかりと診断し、お客様に安心して暮らしていただけるよう、最善の解決策をご提案することをお約束します。
雨漏りの原因特定は、まるで探偵の仕事のように、慎重に進める必要があります。
最初に小さな棟からの雨水侵入を疑いましたが、調査の結果、そこが原因ではないことが判明。
見た目の症状だけで判断せず、一つひとつの可能性を潰していく地道な作業こそが、正確な原因究明には不可欠なのです。

原因特定の鍵は「2階の雨漏り」と「入母屋屋根」

1階の診断を進める中で、お客様から「実は2階の天井にも雨漏りの跡があるんです」と教えていただきました。
2階のお部屋を確認すると、たしかに雨漏りの跡が確認できました。
この状況から、私たちは、2階の天井や内壁の真上にある屋根に雨漏りの原因がある可能性が高いと判断しました。

雨水は上から下へ流れる性質があります。
そのため、2階部分から浸入した雨水が、内壁の裏側や柱を伝って1階まで流れ落ち、そこで雨漏りの跡として現れた、というシナリオが考えられます。
お客様の建物は「入母屋（いりもや）屋根」と呼ばれる特徴的な形状をしており、この入母屋屋根の中でも、特に雨漏りしやすい場所として「隅棟部（すみむねぶ）」が挙げられます。
隅棟部は施工に非常に専門的な技術が必要とされ、経年劣化によって屋根漆喰（しっくい）が剥がれると、瓦の隙間から雨水が侵入しやすくなります。

お客様宅の2階の雨漏り箇所である隅棟部分の棟冠瓦（むねかんがわら）を仮で取り外し、内部を詳しく調べた結果、棟冠瓦を接着している屋根土に雨水が侵入した明確な形跡が見つかりました。
さらに、雨水が侵入して中の屋根土が外へ流れ出ていた跡まで確認できたのです。

隅棟部の徹底修理：見えない部分へのこだわり

これらの診断結果を基に、お客様へ現状をご報告し、雨漏りしている隅棟部を一度解体し、新しく積み直す工事をご提案しました。
後日、お客様から工事のご依頼をいただき、早速工事の段取りを整え、改めてご訪問させていただきました。

雨漏りの原因となっていた隅棟部分を修理するため、まずは棟瓦（むねがわら）を解体して取り外していきます。
今回の修理では、既存の棟瓦を再利用するため、一つひとつ破損させないよう、細心の注意を払って慎重に取り外しました。
取り外した際に出てくる古い屋根土は、もう使用できないため、土嚢（どのう）袋に詰めて適切に処分します。

この解体作業は、単に瓦を取り外すだけでなく、長年の雨水侵入によって、瓦の下や棟の内部がどのように劣化しているか、隠れた問題がないかを詳細に確認する大切な工程です。
雨漏りは、目に見える部分だけでなく、普段は見えない屋根の内部でジワジワと進行していることが多いため、こうした初期の解体作業で隅々までチェックし、根本的な原因を特定することが、確実な修理へとつながります。
新しい熨斗瓦（のしがわら）を取り付ける準備として、瓦をしっかりと固定する接着剤の役割を果たす屋根土を隅棟の芯となる部分に丁寧に置いていきます。
屋根土は、赤土、砂、粘土、藁すさ、そして水などを混ぜ合わせ、時間をかけて発酵させることで、独特の粘り気を持ち、陶器でできている屋根瓦としっかりと接着し、強固な土台を作り上げます。

確かな技術と安心の仕上がり：お客様の笑顔のために

熨斗瓦を取り付ける前に、屋根土の表面に屋根漆喰（しっくい）を塗って防水処理を行います。
さらに、隅棟部の下方に、幅を調整して加工した屋根瓦を先に配置しておきました。
これは、雨水がスムーズに流れるための「水の通り道」を確保するためです。
加工瓦を入れずに施工すると、水が滞留し、雨漏りの原因となるため、この一手間が非常に重要です。

いよいよ、隅棟の土台となる熨斗瓦を取り付けていきます。
この最初の瓦が、屋根全体の安定性を支える重要な役割を担います。
隅棟全体が地震や強風で崩れ落ちないよう、最終的には針金でしっかりと固定します。
そのため、土台の熨斗瓦を設置する際に、あらかじめ針金を固定するための「縛り土台」を一緒に置いておきます。
そして、二段目以降の熨斗瓦を積み上げる際に、この針金を挟み込むように順序良く上段へと進め、非常に強固な棟が完成します。

幾重にも積み重ねてきた熨斗瓦が、いよいよ隅棟の最終段階へ。
一番上には、屋根の顔ともいえる冠棟瓦（かんむりむねがわら）を被せるように、隅棟を一列にわたって丁寧に施工していきます。
この冠棟瓦を設置することで、隅棟全体が一体となり、美しいだけでなく、雨水が侵入するのを許さない堅牢な構造として完成します。

隅棟の修理もいよいよ終盤です。
まずは棟終い（むねじまい）と呼ばれる棟の端部に屋根漆喰を塗って、積み上げた熨斗瓦の隙間から雨水が侵入するのを防ぎます。
また、鬼瓦（おにがわら）の背中側と隅棟瓦が接する部分にできるわずかな隙間にも、雨漏りを防ぐために屋根漆喰を塗ってしっかりと防水処理を施しました。

こうして屋根漆喰で隅々まで防水処理を行うことで、今回の隅棟部の付け直し修理はすべて完了しました。
作業完了後、お客様に報告に伺い、作業中に撮影した写真を順を追って説明させていただきました。
お客様は「これで雨漏りがなくなるだろう」と大変喜んでいらっしゃいました。

お客様の「これで安心できる」というお声は、私たちにとって何よりの励みです。
雨漏りは、生活の質を大きく左右する問題。
迅速かつ丁寧な作業で、お客様の快適な暮らしをサポートできたことを大変嬉しく思います。

まとめ

• 雨漏りのサインを見つけたら即座に対応を：天井や壁のシミは、建物の劣化や健康被害につながる雨漏りの初期兆候です。
• 雨漏り原因の特定は専門家による探偵作業：目に見えない部分での被害も多く、多角的な視点と経験に基づいた診断が必要です。
• 入母屋屋根の隅棟は特に注意が必要：その美しい形状ゆえに複雑な施工を要し、職人の高い技術力と定期的なメンテナンスが雨漏り防止の鍵となります。
• 早期発見と適切な修理が建物の寿命を延ばす：雨漏りは放置すると被害が拡大し、修理費用も高額になるため、早めの専門家への相談が重要です。

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