豊島区巣鴨にお住まいのY様より、雨漏りに関するご相談をいただきました。
お話によりますと、最初に雨漏りにお気づきになられたのはおよそ半年前とのことでした。
当初は壁紙に小さなシミができる程度であったため、しばらく様子を見られていたそうです。
しかしながら、時間の経過とともに症状が徐々に進行し、修繕の必要性を感じられたことから、今回弊社へお問い合わせをいただきました。
建物は3階建てで、屋根は陸屋根の構造となっております。
雨漏りは3階部分で確認され、天井からの浸入が見られたことから、屋上からの水の回り込みが疑われました。
調査の結果、雨漏り箇所の真上には排水ドレンや笠木など、特に雨漏りリスクの高い部位が位置しており、その周辺には防水層の浮きも確認されました。
これらの状況から、防水層および笠木部分からの浸水が原因である可能性が高いと判断いたしました。
そのため、適切な防水工事をご提案し、このたびご依頼を賜る運びとなりました。

ビフォーアフター

工事基本情報

施工内容	屋上防水
築年数	築35年
施工期間	1週間
工事費用	詳しくはお問い合わせ下さい

雨漏り箇所の点検調査

室内を点検

現地調査の様子をご紹介いたします。
雨漏りが発生しているとのご連絡を受け、まずは建物内部の状況を確認いたしました。
建物は陸屋根を備えた3階建ての構造で、雨漏りは3階天井部分から発生しておりました。
室内を確認したところ、漏水の影響により天井や壁のクロスが剥がれており、被害が広がっている様子が見受けられました。
さらに、水が溜まりやすい床面では木材の腐食が進行し、一部には穴が開いてしまっている箇所も確認されました。

「排水口と笠木」を点検

屋上を点検したところ、雨漏りが発生している箇所の直上には、排水口と笠木が設置されておりました。
笠木部分につきましては、お客様ご自身で応急処置としてビニール養生を施されておりましたが、雨漏りは完全には止まらず、水の量がやや減少した程度だったとのことでした。
養生を外して詳細を確認したところ、笠木継ぎ目のシーリング材（コーキング材）に剥離が見られました。
シーリングは防水の要となる部分であり、剥離によって隙間が生じると、そこから雨水が侵入する原因となります。
また、排水口についても経年劣化により塩ビパイプとの接合部の接着力が低下し、雨漏りを引き起こすケースがあるため注意が必要です。
今回の調査結果および位置関係を踏まえると、雨漏りの主な原因は笠木および排水部分にあると判断いたしました。

屋上全体の防水状態を点検

屋上全体の防水状態を確認したところ、施工から相当な年数が経過しているため、表面には経年劣化が見受けられました。
ただし、平場（床面）部分については、防水層の破れや浮きといった重大な不具合は確認されず、表面に劣化はあるものの、現時点では防水機能そのものに大きな問題はございませんでした。
一方で、雨漏りの原因と考えられる箇所の周辺では、防水層の裏側に水が回り込んでおり、立ち上がり部分の防水層に触れると浮きが確認されました。
これらの状況から、部分的な防水不良が発生していることが明らかとなりました。
調査結果についてY様へご報告申し上げたところ、通気緩衝工法を採用したウレタン塗膜防水工事のご提案内容をご検討のうえ、工事をお任せいただく運びとなりました。
なお、今回のお客様の防水工事費用は1㎡あたり8,690円（税込）から承っております。
建物の状態や使用する材料によって金額が異なりますので、詳細につきましてはお気軽にお問い合わせください。

通気緩衝工法を用いたウレタン塗膜防水工事

高圧洗浄

防水工事の施工の様子をご紹介いたします。
まず最初に行うのは「高圧洗浄」です。
既存の防水層に付着している汚れや埃を、高圧の水を用いて丁寧に洗い流していきます。
この工程を十分に行わずに次の作業へ進んでしまうと、既存防水層とプライマー（下塗り材）との密着性が低下し、仕上がりや防水層の耐久性に影響を及ぼす恐れがあります。
そのため、防水機能を長く維持するためにも、この初期段階の洗浄作業は非常に重要な工程となります。

既存の防水層を撤去し樹脂モルタル塗布

調査時に立ち上がり部分で多数の防水層の浮きが確認されていたため、新たに防水施工を行う前に、浮いてしまっている既存の防水層を丁寧に撤去いたしました。
浮きがある状態のまま新しい防水層を重ねてしまうと、膨れや段差が残ってしまい、見た目の仕上がりだけでなく防水の品質にも影響を及ぼす可能性があります。
そのため、既存防水の状態に応じた適切な下地処理が欠かせません。
撤去後は、樹脂モルタルを塗布して下地を平滑に整え、次の防水工程に備えました。

改修用ドレンの設置

続いて、改修用ドレンの設置を行いました。
蛇腹ホース付きの改修用ドレンを既存の排水口に差し込むことで、排水口の継ぎ目部分に直接雨水が触れない構造となり、継ぎ目からの雨漏りを防ぐことができます。
さらに、ドレンを設置した後は、その上から新たな防水層を重ねて施工しますので、ドレン周囲から水が浸入する心配もございません。

プライマー塗布

続いて、プライマーの塗布作業を行いました。
プライマーには、下地とこれから施工する防水層との密着性を高める重要な役割があります。
そのため、床面だけでなく立ち上がり部分にも塗り残しが生じないよう細心の注意を払いながら、丁寧に作業を進めてまいりました。

通気緩衝シートの設置

プライマーの塗布が完了した後、通気緩衝シートの設置を行いました。
このシートを1層挟むことで、既存の下地と新たな防水層を絶縁し、下地からの影響を受けにくくすることができます。
また、シート同士の継ぎ目にはメッシュテープを貼り付け、隙間が生じないよう丁寧に処理を行いました。
なお、立ち上がり部分は密着工法で施工するため、通気緩衝シートの設置は床面のみとなっております。

脱気塔を取り付け

通気シートには通気用の穴を設け、その上に「脱気塔」と呼ばれる筒状の部材を取り付けました。
脱気塔を設置することで、通気シート内部に溜まった蒸気の排出口となり、防水層の膨れを防ぐ重要な役割を果たします。

塗装作業

今回の防水工事では、ダイフレックス社の「DSカラー・ゼロ」を使用いたしました。
DSカラー・ゼロは特定化学物質を含まないため、環境や人体に配慮されており、安心して使用できる防水材です。
施工は、ローラーやヘラを用いて屋上全体に均一に塗布してまいります。
塗布の際には、ムラが生じないよう丁寧に均して仕上げることが、防水層の耐久性や仕上がり品質を保つ上で非常に重要となります。

1層目の防水材を塗布した後は、十分な乾燥時間を確保してから2層目の施工に移ります。
防水は重ね塗りを行うことで膜厚が増し、耐久性の高い仕上がりとなります。
立ち上がり部分は密着工法で施工するため、平場よりも粘度の高い材料を使用しております。
床面および立ち上がり部分の2層塗りが完了した後は、再度乾燥させ、最終仕上げの工程へと進みます。

2層目の防水材が十分に乾燥した後、仕上げとしてトップコートの塗布を行いました。
ウレタン塗膜防水は耐久性に優れていますが、紫外線の影響による表面劣化は避けられません。
そのため、トップコートを施工することで防水層の表面を保護し、より長く防水機能を維持することが可能となります。

完工

全ての工程を終え、防水工事が無事に完了いたしました。
工事後には数日間雨が降りましたが、雨漏りの再発はなく、問題が解消されたことを確認しております。
Y様にも大変ご満足いただくことができ、安心してお過ごしいただける状況となりました。
防水工事に関するお困りごとがございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

こちらの記事を書いた施工店【アメピタ東東京支店】

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