雨が降るたびに雨漏りが発生し、その都度、室内にはタオルを敷き詰めた箱を設置して雨水を受け止めていたとのことです。
これまでに二度、防水工事を実施されましたが、1回目は施工からわずか1か月足らずで再び雨漏りが発生し、2回目も「これで止まった」と思われた矢先、半年も経たないうちに再発してしまったとのことでした。
「もう本当に雨漏りを止めたい」という強いご希望を受け、弊社にご相談いただきましたので、現地調査を実施いたしました。
調査の結果、あちこちに補修用テープが貼られたり、シーリング材（コーキング材）が厚く重ね塗りされていたりするなど、応急処置が目立つ状況でした。
しかし、雨漏りの原因となる箇所の真上に位置する陸屋根部分には、防水工事が全く行われていないことが判明いたしました。
お客様の今後の生活環境やご希望を踏まえ、最適な工法としては「通気緩衝工法」が望ましい状況でしたが、耐久性やコスト面を総合的に検討した結果、今回は「ウレタン密着工法」による施工を行うこととなりました。

ビフォーアフター

工事基本情報

施工内容	ベランダ防水
築年数	40年
施工期間	4日間
工事費用	詳しくはお問い合わせ下さい

現地調査

現地調査では、まず点検口の内部を拝見いたしました。
長年にわたる雨漏りの影響で、内部には多くの雨染みが残っており、過去に漏水があった跡がはっきりと確認できました。
お客様によりますと、雨漏りは毎回同じ箇所から発生しているとのことでした。

雨漏りの跡が確認された箇所の上部には、陸屋根のバルコニーが位置しておりました。
これまでに何度か工事を行われたものの雨漏りが止まらなかったため、ご主人ご自身でテープを貼るなど、応急処置して漏水を抑えようとされていたようです。
しかし、以前の施工箇所を確認したところ、防水工事ではなく、ホームセンター等で販売されている一般的な「防水塗料」が使用されておりました。
そのため、塗料の追従性（伸縮への対応）や防水層自体の確保が不十分であり、バルコニーから雨漏りが再発していたものと考えられます。
今回は、確実に雨漏りを止めるため、ウレタン密着工法による本格的な防水工事を実施いたします。

防水工事

既存テープの撤去

防水工事を開始いたしました。
作業はまず、お客様が雨漏り対策として応急的に貼られていた大量のテープ類をすべて剥がすことから取り掛かりました。
現地調査時に確認していた雨漏りの原因箇所を改めて確認したところ、驚いたことにその部分には塗装すら施されていない状態でした。
さらに、もう一か所のフェンス根元部分では水が滞留していたため、念のため側面に小さな穴を開けてみたところ、中から水が流れ出てきました。
これにより、フェンス基部にも雨水が滞留しており、雨漏りの一因となっていたことが判明いたしました。

高圧洗浄

すべての余分なテープや補修材を除去した後、全体を高圧洗浄機で丁寧に洗浄いたしました。
防水面に付着している砂やホコリ、コケ、カビなどの汚れをしっかりと落とすことで、後に施工する防水層が確実に密着するよう下地を整えます。
密着した汚れは簡単には除去できないため、時間をかけて丁寧に洗浄することが非常に重要です。
今回は既存の表面が防水層ではなかったことから、環境への配慮も踏まえ、既存の状態を活かしたまま施工する「かぶせ工法」を採用いたしました。

プライマーの塗布

次に、「プライマー」と呼ばれる下塗り材を塗布いたしました。
プライマーは文字通り“最初に塗る”材料であり、後から施工する防水塗膜の密着性を高める重要な工程です。
下地の小さな穴をふさぎ、膨れの発生を防ぐとともに、塗膜がしっかり定着するよう下地を整える役割も果たします。
なお、プライマー塗布後は、24時間以内に上塗り作業を行う必要があります。

防水層の施工

プライマー塗布作業が完了しましたら、次の工程である防水層の施工に進みます。
今回はウレタン密着工法を採用しており、塗料材にはダイフレックス社製「DSカラーゼロ」を使用いたします。
また、平場（平坦な部分）と立ち上がり部分では、それぞれに適した粘度の材料を使い分けることで、密着性と耐久性をより一層高めて施工いたします。

ウレタン防水層は、厚みが均一になるよう丁寧に塗り広げて施工いたします。
ウレタンとは、プラスチックの一種で、ウレタン結合と呼ばれる化学反応により生成される樹脂素材のことを指します。
このウレタンを複数回に分けて塗り重ねることで、しっかりとした防水層を形成し、建物内部への水の浸入を防ぎます。
さらに、ウレタンは液体状で施工できるため、複雑な形状や細かな部分にも対応可能であるという大きな利点があります。

トップコートの塗布

ウレタン防水層の施工が完了しましたら、仕上げとしてトップコートを塗布いたします。
トップコートは、ウレタン防水層を紫外線や汚れ、風雨などから保護する仕上げ材です。
ただし、年月の経過に伴い紫外線や汚れによる劣化が進むと、その保護効果は徐々に低下してまいります。
そのため、8～10年を目安にトップコートの再塗装などのメンテナンスを行うことで、防水性能を長期間にわたり維持することが可能です。

完工

これをもちまして、ベランダにおけるウレタン密着工法による防水工事は無事完了となります。
施工直後は表面が光沢を帯び、美しい状態となっておりますが、時間の経過とともに汚れが付着すると、劣化の原因となる場合があります。
お客様ご自身での簡単なお手入れとして、柔らかい布やモップ、毛の柔らかいほうきなどを使用して表面の汚れを取り除くことで、ウレタン防水の寿命をより長く保つことが可能です。
また、水を撒きながら清掃を行うと、汚れをより効果的に除去することができます。
今回のお客様の防水工事費用は、雨漏りを未然に防ぐ内容で、7万6,780円（税込）～承っております。
工事金額は面積や施工内容に応じて変動いたしますので、詳細につきましてはお気軽にお問い合わせください。

こちらの記事を書いた施工店【アメピタ東東京支店】

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