西東京市にお住まいのお客様より、「雨漏りが続いており困っている」とのご相談をいただき、雨漏り調査にお伺いいたしました。
お客様のお話によると、特に雨が強く降った際に室内へ雨漏りが発生するとのことでした。
まず室内の雨漏り状況を確認したうえで天井裏を調査したところ、ベランダ上部から雨水の浸入が確認されました。
さらにベランダの状態を確認したところ、雨漏り発生箇所付近の床が一部沈下している状況でした。
過去の施工についてお伺いしたところ、約10年前に「ベランダに雨水が溜まりやすい」と業者へ相談され、その際に床の改修と防水工事を実施されたとのことです。
しかし、その際に床の高さをサッシ下ぎりぎりまで上げてしまっていたため、排水が不十分となり、床の沈下および雨漏りの一因となった可能性が考えられます。
今回の雨漏り修理にあたっては、既存の床を撤去したうえで、新たに防水層を設ける必要がある旨をご説明したところ、お客様より正式に工事のご依頼をいただきました。

ビフォーアフター

工事基本情報

施工内容	ベランダ防水
築年数	築25年
施工期間	6日
工事費用	詳しくはお問い合わせ下さい

雨漏り箇所の点検調査

室内（天井）の雨漏り箇所点検

室内の雨漏り状況を確認したところ、天井からの雨漏りにより、壁面にも染みが生じていることを確認いたしました。
点検口から天井裏を調査した結果、雨水はお部屋の上部から浸入していることが判明いたしました。
原因の特定を進めるため、屋根上に設置されているベランダの状況についても併せて調査を行いました。

ベランダの雨漏り箇所点検

ベランダの状況を確認したところ、雨漏りが発生している箇所の上部床面が一部沈下している状態でした。
全体の床高を測定したところ、ベランダの床がサッシ下ぎりぎりの高さまで上がっていることが分かりました。
お客様に過去の施工状況をお伺いしたところ、約10年前に外壁塗装工事を行った際、「ベランダに雨水が溜まりやすい」とのことで、床の改修および防水工事を同時に実施されたとのことです。
しかし、サッシ下まで床を上げてしまう施工方法は適切ではなく、風雨の際に吹き込んだ雨水が床面に回り込み、結果として雨漏りの原因となる恐れがあります。
今回、床が下がってしまった要因も、この過去の施工が影響しているものと考えられます。
雨漏りを根本的に改善するためには、既存の床を撤去し、排水勾配を適切に確保したうえで新たに防水工事を行う必要がございます。
これらの内容をご説明しご提案したところ、お客様より正式に工事のご依頼をいただき、施工を開始いたしました。

ベランダ床の張替え工事

下地処理

床の剥がし作業

最初の工程として、雨漏りが発生していた箇所の上部に設置されていたエアコンについて確認したところ、現在は使用されていないとのことでしたので、撤去作業を行いました。
続いて、既存の床の撤去作業に着手いたします。
まず、表面に施工されていたFRP防水層をカッターで切り込みを入れながら丁寧に剥がし、その下にある床材（下地板）を一枚ずつ慎重に取り外していきました。

床材を剥がした後の状況を確認したところ、床材は垂木を直接床面に設置した上に取り付けられている構造でした。
その垂木の間には、長年にわたって雨水が滞留していた形跡が見受けられました。
雨水が浸入しやすい施工であった点は問題ではありますが、これほどの水分が残っていたにもかかわらず、室内への深刻な雨漏り被害にまで至っていなかったことは幸いでした。

床材の剥がし作業と併せて垂木の撤去を進めたところ、垂木は釘ではなく、ボンドやコーキングによって接着固定されていることが確認できました。
長年、垂木の間に雨水が滞留していたにもかかわらず、深刻な雨漏り被害が発生していなかったのは、この接着による気密性が一因と考えられます。
通常であれば垂木は釘で固定されるため、もし釘留め施工であった場合、釘穴から雨水が侵入し、早い段階で雨漏りが生じていた可能性が高いと推察されます。
幸いにも、雨漏りは限定的な範囲にとどまっており、既存の床全体としては比較的健全な状態が保たれていました。

床の清掃

床の取り外し作業が完了した後は、床面の清掃を実施いたしました。
長年にわたり雨水が溜まっていた影響で、解体時に粉状になった床材の破片や汚れが多く見られましたが、これらを残さず丁寧に除去し、清潔な状態に整えました。
清掃後、既存の床面を確認し、水が溜まる原因を調査したところ、床の勾配が家側に向かって下がっていることが判明いたしました。
この逆勾配が原因となり、雨水が適切に排水されずに溜まっていたものと考えられます。

傾斜調査

通常、ベランダの床は家側から外側に向かって適切な勾配が設けられており、雨水が自然に外側の排水口へ流れる構造となっています。
しかし、今回のベランダでは逆に家側へ向かって床面が下がっており、そのために雨水が排出されず滞留してしまう状態でした。
この問題を解消するためには、家側から外側へ向けて適正な傾斜を確保する必要があります。
実測の結果、家側の床面が外側に比べて約3cm低いことが確認されましたので、引き続き詳細な傾斜の状態を調査し、適正な勾配を確保できるよう検討を進めてまいります。

床の高さの調整

床の高さ調整作業では、まず垂木を斜めにカットして必要な傾斜を確保した後、垂木を設置し、その上に野地板を順次取り付けていきました。
サッシ下にも十分な隙間を確保することができ、これによりベランダ全体に適切な勾配を設けることができました。
結果として、これまで雨水が滞留していた問題を解消することができ、排水性が改善されました。

床の高さ調整作業が完了した後は、新たに防水工事を実施いたします。
今回は、ウレタン防水の通気緩衝工法を採用し、施工を進めてまいります。

ウレタン防水工事

通気緩衝シート設置

ウレタン防水工事の施工状況についてご報告いたします。
今回採用した通気緩衝工法は、通気緩衝シートを設置することで、床下から上がってくる湿気を脱気塔から排出し、防水層の膨れを防止するとともに、防水性能を長期間維持できる工法です。
施工はまず、通気緩衝シートの密着性を高めるため、床面にプライマーを塗布することから始めます。
その後、プライマーが乾燥したことを確認し、通気緩衝シートを丁寧に設置していきました。

脱気筒の取り付け

通気緩衝シートの設置が完了した後は、湿気を排出するための脱気筒の取り付け作業を行いました。
脱気筒はSUS（ステンレス）製を使用しており、錆による耐久性の低下の心配がありません。
脱気筒の取り付けが完了した後、いよいよウレタン防水工事本体の施工に進みました。

防水塗料の塗装作業

ウレタン塗膜防水材を塗布

今回、防水工事に使用する塗料は、ダイフレックス社製の「DSカラー」を採用しました。
こちらの塗料は、シックハウス症候群の原因となる物質を含まず、環境にも配慮された製品です。
施工は、まず主となるウレタン塗膜を2層にわたって塗布し、その後、表層の保護としてトップコートを塗布する、計3工程で進めてまいります。

1層目のウレタン防水塗膜を施工した後は、十分に乾燥させ、翌日に2層目の塗布作業を行いました。
施工は、まず立ち上がり部分から開始し、その後床面へと順に進めています。
2層目の施工完了後は、1日間の乾燥時間を確保し、その後に仕上げ作業へと進めました。

トップコートを塗布

ウレタン防水工事の仕上げとして、専用のトップコートを塗布いたします。
トップコートには、ウレタン塗膜の劣化を抑制し、防水性能を長期間維持する役割があります。
今回使用したトップコートは2液タイプの製品であるため、計量器を用いて規定の配合で正確に調合し、塗布作業を丁寧に行いました。

トップコートの塗布状況についてご報告いたします。
施工はウレタン防水と同様に、まず立ち上がり部分から塗布を開始し、その後床面へと順に進めました。
これにより、ウレタン防水工事が無事に完了いたしました。

完工

ウレタン防水工事の施工完了翌日に雨天となりましたが、雨漏りは発生せず、ベランダの床にも水が滞留していないことをお客様にご確認いただきました。
お客様からは、「雨漏りが無事に止まり、床の問題も解消されたので、安心してベランダを使用できます」とのお言葉をいただき、大変ご満足いただけました。
ベランダに起因する雨漏りの修理や防水工事につきましては、ぜひ街の外壁塗装やさんにお任せください。

こちらの記事を書いた施工店【アメピタ多摩川支店】

私達「アメピタ多摩川支店」ではお客様に寄り添い、建物にとってもお客様にとっても最適な雨漏り修理のご提案をさせていただきます。
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アメピタ多摩川支店は東京都調布市を所在地とし、お電話を頂いてから最短10分での現地調査や応急処置でご対応させていただいております。