令和元年の東日本台風は、神奈川県に大きな被害をもたらしました。
特に建物の外部は広範囲で損傷を受け、屋根も例外ではなく、多くの住宅で深刻な損傷が確認されました。
瓦屋根は屋根材の中でも重量があるため比較的安定していますが、強風の影響で瓦がずれたり飛散したりする被害が多数報告されています。

築年数の経過した瓦屋根では、瓦同士の間に隙間が生じやすく、その隙間に強風が入り込むことで被害が広がることがあります。
相模原市緑区太井にあるＡ様の住宅は築３４年の和風建築で、過去にリノベーションが行われた住宅です。
リノベーションにより室内は美しく整えられ、外壁もきれいに塗り替えられていましたが、瓦屋根においては十分な点検や補修が行われていない状態だったようです。

瓦屋根は定期的なメンテナンスが重要ですが、手入れが行われない場合、強風や台風による破損、大雨による雨漏りなどのトラブルが発生することがあります。
特に棟部分は複数種類の瓦で構成されており、構造が非常に複雑です。
Ａ様の住宅も同様で、令和元年の東日本台風の影響で棟瓦に使用されている巴瓦（ともえがわら）がズレてしまいました。

鬼瓦（おにがわら）の下に配置される巴瓦を正しい位置に戻すには、棟瓦の取り直し工事が必要な状況でした。