令和元年の房総半島台風で、N様邸の雨樋が落下する被害が発生しました。
台風の勢力が非常に強かったため、N様も屋根の状態を大変心配されていました。
現地での点検では、約9メートルにわたり雨樋が外れており、さらに屋根の棟瓦（むねがわら）が蛇行している状態もご確認できました。
棟瓦は屋根の最上部に位置し、雨水の浸入を防ぐ重要な役割を持っています。
幸い、N様邸では雨漏りは発生していませんでしたが、棟瓦のずれが原因で雨漏りに至るケースは少なくありません。
そのため、点検後に雨樋の交換工事と棟瓦取り直し工事を提案し、作業を実施しました。

ビフォーアフター

工事基本情報

施工内容	雨樋補修・交換
築年数	27年
工事費用	詳しくはお問合せください

棟瓦の状態を点検調査

まずは瓦屋根の状況を調査しました。
屋根の頂上に一列に並んでいる瓦は「棟瓦」と呼ばれます。
通常は真っすぐに並んでいますが、今回の調査では棟の端にある鬼瓦に向かって大きく蛇行している様子が確認されました。
このような状態は、漆喰の劣化や、棟の下に積まれた四角い「熨斗瓦（のしがわら）」のズレなどが主な原因です。
放置すると瓦の倒壊や雨漏りに繋がる恐れがあるため、早めの補修が必要です。
写真のように蛇行が目立つ場合は、安全性と耐久性を高めるために棟瓦の取り直し工事を行います。

棟瓦取り直し工事

まず、棟瓦とその下地となる葺き土をすべて取り除きます。
次に、棟瓦を真っすぐに設置するための目安として水糸を張り、新しい土台を作ります。
従来は泥や粘土で土台を作っていましたが、近年は施工性と耐久性に優れた「南蛮漆喰」を使用することが一般的です。
今回の工事では黒色の南蛮漆喰を使用しましたが、白色も選ぶことができ、屋根の雰囲気に合わせて選択可能です。

土台が完成したら、熨斗瓦を3段目まで積み上げます。
この際、棟瓦を固定するための同線（補強用の芯材）も同時に取り付けます。
熨斗瓦を積む際は、瓦を半分ずつずらして配置することが重要です。
このようにずらして積むことで、瓦の下に雨水が入り込みにくくなり、雨漏りのリスクを抑えられます。

熨斗瓦を3段目まで積み上げた後、棟の仕上げとして冠瓦を設置します。
同線でしっかり固定することで、瓦がずれる心配はなく、工事は完了となります。
今回の工事によって、以前は蛇行していた棟瓦が美しく真っすぐに整い、外観の改善だけでなく、雨水の浸入リスクも大幅に低減されました。

雨樋交換工事

破損した雨樋の状態を確認

こちらの写真は、点検時の雨樋の状態です。
雨樋は約9メートルにわたり外れていました。
確認した雨樋は、最も一般的な半円型の形状であることがわかります。

新しい雨樋の取り付け

足場を設置した後、雨樋の取り付け作業を行いました。
今回の雨樋交換には「エスロンタイムズ丸トップ105」を使用しています。
この製品は錆びず腐らない硬質塩ビ素材で作られており、長年にわたり信頼されているロングセラー商品です。
今回は丸トップタイプを採用しましたが、ほかにもさまざまな形状の雨樋があり、屋根の形状に合わせて最適なものを選ぶことが可能です。

こちらの記事を書いた施工店【アメピタ横浜支店】

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