ビフォーアフター

工事基本情報

瓦屋根の調査

　「令和元年房総半島台風が通過後から雨漏りするようになった」というご相談を頂き、現地調査に伺いました。早速、屋根の状況を確認していきます。
　お客様邸の屋根はかなり複雑な形状をしており、「棟瓦」が多く存在しています。雨漏り箇所の真上も棟瓦が合わさる部分でした。平部の瓦にズレや破損は見られませんので、棟瓦が原因で雨漏りを引き起こしている可能性が高いです。
　棟瓦付近には土が溜まり、水分を含んだことで植物が繁殖していました。この部分は湿気を含んでいますので、屋根の下地も腐食していることが推測されます。

　棟瓦が合わさる部分の漆喰が剥がれ、隙間が出来てしまっています。この隙間も雨漏りを引き起こす原因になりますので、しっかりとメンテナンスをしていきましょう。
　熨斗瓦が崩れてしまっている箇所があります。いつ落下してもおかしくはありませんので、棟瓦取り直し工事で改善しましょう。
　現地調査の結果、雨漏り箇所の棟瓦取り直し工事と下地補修のための屋根葺き直し工事をご提案しました。お見積り提出後、工事のご依頼を頂き、棟瓦取り直し工事と屋根葺き直し工事を実施することになりました。

棟瓦取り直し工事と部分葺き替え工事

　雨漏り箇所の棟瓦を解体し、平部の瓦を丁寧に外していきます。瓦は再利用しますので、細心の注意を払いながら作業を行います。
　瓦を取り外すと、野地板には大きな穴が開いていました。棟瓦が合わさる部分で雨水が停滞し、下地が腐食してしまったのでしょう。瓦は耐用年数が長く、経年劣化もしませんのでメンテナンスが不要だと思われている方もいらっしゃると思います。しかし、野地板や防水紙などの下地材、棟に使用された漆喰は劣化しますのでメンテナンスが必要です。

　穴が開いてしまっている部分を補修し、防水紙を敷設します。その後、瓦を引っ掛けるための桟木（さんぎ）を取り付けていきます。
　木材の野地板、桟木は水分を吸収すると腐食してしまいます。お住まいの環境にもよりますが、20～30年を目安に下地のメンテナンスを行うと安心です。

　瓦を葺き直しました。雨漏りの原因である下地を補修、交換しましたので、後は棟瓦を積み直して工事は完了となります。
　棟瓦取り直し工事は、南蛮漆喰または漆喰で土台をつくり、熨斗瓦を数段積み重ねてから冠瓦をかぶせます。土台には南蛮漆喰を使用しましたので、以前よりも棟瓦の耐久性をあげることができました！

　南蛮漆喰は棟瓦の土台だけではなく、交わる部分にも使用されます。隙間が解消され、雨漏りの心配が無くなりました。

　瓦屋根の部分葺き直しと棟瓦取り直し工事を行い、雨漏りが改善されました。植物が生え、不具合の見られた棟瓦は綺麗に元通りになりました。
　今回のように、屋根の下地が腐食劣化することで雨漏りを引き起こしてしまうケースがあります。下地をメンテナンスする機会は限られますので、葺き替え工事やカバー工事を行う際には必ずお手入れをしましょう。お住まいのことなら、私たちアメピタにご相談ください。