ビフォーアフター

工事基本情報

点検の様子

　調査にお伺いしたのは木造2階建ての瓦屋根です。最近少しずつ漆喰が敷地内に落下してきているとのことで、雨漏り等重大な被害を引き起こす前の補修をご検討されていました。早速屋根の状態を見てみると、確かに全体的ではなくピンポイントでの漆喰剥がれが見られました。

　瓦全体を見る限り状態は良好で、現状雨漏り等は起こしておりません。お客様にお伺いしたところメンテナンスは定期的にされていたという事ですが、今回は以前漆喰補修の際に既存漆喰の上に漆喰を塗り重ねたようで、その漆喰部分が剥がれてきているのではないか？という事でした。
　また下屋は漆喰の剥がれから植物が繁殖し始めています。漆喰の劣化は棟土の露出や瓦の剥がれを引き起こす可能性もありますので、この機会にしっかり補修していきましょう。

　調査時に瓦の割れも確認できました。通常であれば瓦の差し替えで容易に対応できるのですが、今回は棟のすぐ下の瓦で棟を解体してからでないと差し替え補修が出来ません。そのため、今回は少しの範囲ですが、棟を取り壊し瓦の補修を実施した後、棟の積み直し工事を行っていきます。

工事の様子

　早速瓦屋根の補修工事を行っていきます。まずは割れている瓦が取り外せるよう棟を部分的に取り壊します。その後瓦は差し替え、清掃後に漆喰で土台を積んでいきます。使用している漆喰はシルガードと呼ばれる製品で、防水性が高いシリコンが含まれていることから雨漏りに強い仕上りになります。

　土台を作り直してから瓦屋根を積み直して復旧作業を行っていきます。棟の瓦はのし瓦をずらして雨水が入り込みにくい状態にしていきます。その後冠瓦で上部を保護し銅線で固定し直せば棟の取り直し工事は完了です。

　剥がれ始めていた漆喰部分は、前回詰め増し工事で補修したピンポイントの部分が中心です。ひび割れが酷い部分に関しては漆喰をすべて取り除き、棟土に対して新たに漆喰を詰めていきます。詰め増し工事は詰め直しよりも安価に施工できますが、既存漆喰の劣化に影響を受けてしまい、せっかくの施工が今回のように無駄になってしまう可能性もあります。

工事を終えて

　瓦屋根にとって漆喰は非常に重要な役割を担います。漆喰自体も本来耐久性に優れた素材ではありますが、地震や強風による揺れで10年程度でひび割れ・剥がれを起こすようになってしまいます。塗装の必要もなく半永久的に使用できる丈夫な瓦屋根を施工されているのですから、雨漏りや無駄な補修を繰り返さないためにもしっかりした施工を行うようにしていきましょう。

　今回は雨漏り等が起きる前にしっかり補修が出来てアメピタとしても安心です。また今後何かございましたらお気軽にご相談いただければと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。