ビフォーアフター

工事基本情報

点検の様子

　「工場の屋根から雨漏りを起こしている」との事で、まずは現地調査に伺いました。お客様のお話では、雨漏りは特にエアコンの室外機が取り付けられている周辺から起きているようです。工場には様々な機械がおいてある為、できるだけ早く雨漏りを止めたいとの事でした。

　ドローンを使って屋根全体像を確認してから、梯子を架けて調査をしました。屋根は、ポリカーボネート製の波板で葺かれています。
　元々、明かりを取り入れる為にポリカーボネート製の波板をお選びになったようですが、夏場は日差しが強いこともあり、日差し除け用のよしずが敷かれていました。ポリカーボネート製の屋根は10年前に葺き替えを行っているとの事です。

　工場を冷やす為に設置されたエアコンの室外機はかなりの重量があります。屋根下地の軽量鉄骨に荷重が掛かるようになっていますが、ポリカーボネイトの厚みは0.7ｍｍ程しかありません。葺き替え当初は丈夫であっても、経年劣化により重みに耐えきれなくなってしまうこともあります。<br>
　お客様にご要望をお聞きすると、「全面にポリカーボネイトを使用しなくても構わない」との事でした。そこで今回は、屋根中央部は明かりを取り入れるため、ポリカーボネイトを使用し、両サイドにはガルバリウム鋼板製の波板を使用することになりました。

着工

　屋根葺き替え工事は高所での作業となりますので、安全に作業を進められるよう足場を組み立てていきます。

　足場の組み立てが終わりましたら、作業を行っていきます。既存のポリカーボネイトを撤去するため、エアコンの室外機を吊り上げます。人力で持ち上げることはできても、それを吊り下げておくことは出来ませんので、ユニック車を使って、吊り上げたままの状態にしておきます。

　波板とC型チャンネルはフックボルトで固定されている為、フックボルトを外してから、それらを撤去していきます。
　フックボルトが刺さっていた部分は脆くなり、裂けてしまっている箇所も見られました。工場ではかなりの熱気が発生するようで、急激な温度変化によって傷んでしまったのでしょう。

　ポリカ波板を撤去後、新しいガルバリウム波板を仮設置していきます。波板を取り付ける際には、建物の奥側を合わせてしっかりと収まるのかも確認します。少しのズレが最終的に大きなズレを起こす原因になる事もありますので、丁寧に作業を行います。

　壁際部分の波板は、工具を使って立ち上げます。縦葺き屋根材の場合には、こういった処理を行うことで雨水の浸入を防ぎます。雨押え板金は既存のものを使用しました。ガルバリウム波板は、この板金の下に差し込んでいきます。

　一般的に販売されているガルバリウム波板の厚みは0.27㎜ですが、今回使用したものは0.5㎜の厚みがあります。エアコンの室外機を設置することを考慮し、この厚みにしました。

　庇屋根には合計10枚の波板を使用しました。中心部の3枚は明かり取りのためにポリカ波板で、それ以外の部分はガルバリウム波板で葺いています。
　これなら工場内に明かりを取り入れつつ、エアコンの室外機に屋根が耐えきれなくなる心配もありません。

　屋根全体の仮置きや細かい作業が終わりましたら、屋根材をC型チャンネルに固定していきます。固定する位置を明確にするためにチョークラインで墨だしを行っていきます。合わせて、壁際の雨押え板金の下には波型の面戸を差し込み、雨水の吹き込みを防ぎます。

　波板は「波板ビス」で固定していきます。波板の形状に合う傘とパッキンが付いていますので、差し込まれた穴から浸水する事はありません。
　また、今まではフックボルトを使用していたため錆びなどの症状も見られましたが、今回はステンレス製のビスを使用していますので錆びや腐食を起こす心配もありません。

　風の影響を受けやすい軒先には、細かく波板ビスを打ち込んでいます。工事の屋根を見たお客様には、「今までよりも丈夫な屋根になった」と喜んで頂くことが出来ました。
　中央部のポリカ波板はまた10年程で交換しなければいけなくなるかもしれませんが、ガルバリウム波板は耐久性に優れていますので長期間交換する必要はありません。また、万が一エアコンが壊れてしまい室外機の交換が必要な場合でも、安心して作業をすることが出来るでしょう。
　私たちアメピタでは、工場や倉庫の雨漏り修理も承っております。現在では、新型コロナウィルス対策を講じてお客様邸にお伺いしておりますので、安心してご相談ください。