ビフォーアフター

工事基本情報

点検の様子

　まずは雨漏りが見られる2階のお部屋とその真下の部屋を確認させて頂きました。真下のお部屋の柱近くには大きな雨染みができていました。建物の中心部に位置する室内ですので、外壁からの雨漏りとは考えにくい状況です。雨漏りは屋根から発生している可能性が高い為、屋根裏を確認させて頂きました。

　2階のお部屋の天井には点検口がありましたので、点検口から屋根裏の状態を確認しました。屋根裏はお客様ご自身で確認することもできますが、慣れていないと釘などで怪我をしてしまう危険性がありますので、専門の業者に依頼しましょう。

　屋根裏の調査では、雨漏りを起こしている部分に水溜まりが出来ていることが判明しました。そしてその上は、大きな染みが出来ていた柱部分にあたりますので、雨漏りの原因となっている箇所であることがわかります。屋根裏の状態を見た限りでは、以前から雨漏りをしているようでした。

　雨漏りを起こしている箇所から、原因は屋根の谷部（谷板金）であることが考えられた為、屋根にのぼり問題となっている部分を調査していきます。

　谷はその名の通り、屋根の谷になっている部分を言います。雨水が集まる造りになっている為、雨漏りを起こしやすい箇所であると言われています。明らかに問題がある部分は見られませんが、屋根裏を見た限りでは谷部が原因であることは間違いありません。

　雨漏りを直す為には谷部を修理する必要があります。しかし、谷の補修を行うとなると、両端のスレートを剥がさなければなりません。また、スレートを剥がす場合には、棟も取り外す必要が出てきますので、費用もそれなりに掛かってきます。工事の費用や今後雨漏りが起こるリスクを考慮し、屋根葺き替え工事をご提案させて頂きました。

葺き替え工事の様子

　お客様のご希望により、雨漏りを起こした2階屋根を全面的に葺き替えることになりました。まずは既存の屋根材を取り外していきます。

　屋根に使用されているナショナルのフルベスト24はアスベストを含んだスレート屋根材です。現在ではアスベストを使用することも無くなりましたが、2006年以前に建てられた建物ではアスベスト含有の屋根材が使用されていることがあります。アスベストの屋根材を撤去するとなると、健康被害などの観点から一般的な屋根材よりも高額な費用が掛かります。

　屋根材を撤去したら野地板を張っていきます。木材の野地板は経年とともに傷んできますので、メンテナンスできる葺き替え工事のタイミングで行いましょう。野地板としても使われる構造用合板の厚みは9㎜～28㎜まで様々です。厚みがあるほど強度は増しますが、屋根の状態に合わせて適切な厚みのものを選ぶことが重要です。

　野地板の上から防水紙を取り付けていきます。防水紙には、田島ルーフィングのPカラーEX+を使用しました。タッカーと呼ばれる機材を使用し、しっかりと固定します。防水紙を取り付ける際には水が裏側に入り込まないよう、下から上に向かって貼っていきます。

　新しい屋根材にはケイミューのコロニアルグラッサを使用します。コロニアルグラッサは色褪せしにくく、耐久性・耐候性に優れたスレート材です。一般的なスレートでは10年を目安とした塗装が推奨されていますが、コロニアルグラッサの場合、点検や部分的な補修は10年ごと、塗装によるメンテナンスは30年ごとの期間が推奨されています。「色褪せしにくい屋根にしたい」「スレート屋根でメンテナンスの手間を無くしたい」といった方にはおすすめです。

　屋根材も防水紙と同じように、下から上に向かって葺いていきます。

　屋根材を葺き終えましたら、棟部に棟板金を設置します。棟板金は貫板（ぬきいた）と呼ばれる下地材に固定しますので、まずは貫板を取り付けていきます。新築の際や棟板金のメンテナンスでは一般的に木材を使用しますが、木材の貫板は10年もすれば傷んでしまうことがあります。耐久性のある屋根材に葺き替えても、10年ごとに棟板金のメンテナンスをするとなると手間や費用が掛かってしまいますので、木材よりも耐久性のある樹脂製のものを使用しました。

　コロニアルグラッサを使用した屋根葺き替え工事が竣工しました。雨漏りが止まり、屋根も綺麗になったことで、お客様に喜んで頂くことができました。

　複雑な形状の屋根では、雨漏りを起こしやすい谷部が存在します。再び雨漏りを起こさないよう、定期的に点検を行っていきましょう。私たちアメピタでは、お住まいの調査や工事のお見積り、ご提案、ご相談を無料で承っております。雨漏りにお困りの方・雨漏りがご心配な方はお気軽にご相談ください。