ビフォーアフター

工事基本情報

点検の様子

　築28年になるF様邸では、8年前に屋根と外壁の塗装をされたそうですが、天窓については一度もメンテナンスをされてこなかったそうです。

　天窓は設置してから10年程が過ぎると、窓枠廻りのパッキンやコーキング材が劣化してきますので、補修を行う必要があります。28年間メンテナンスをされていなかったこともあり、天窓廻りの板金やビスが浮き、コーキング材の劣化も進んでいました。

　F様邸の屋根には、廃盤品のモニエル瓦が使用されていました。葺き替え工事でしたら別の屋根材を用意すればいいのですが、部分的に復旧するとなると同じ素材を用意しなければなりません。
　天窓を塞ぐ場合には、数枚のモニエル瓦が必要になりますので、工事前に幾つかの問屋さんに掛け合いました。生産が終了した屋根材を入手することはとても難しいのですが、何とか手に入れることができました。今回は部分的な補修で済ませたいとご希望がありましたので、天窓撤去工事を行います。

室内

　点検時には、室内の状況も確認させて頂きました。天窓から雨水が浸入したことで、廻りの壁紙が剥がれてきていました。雨漏りの兆候は2年ほど前から見られ始め、だんだん酷くなっていったそうです。天窓を撤去する際には、室内からも穴を塞ぐ必要があります。
　天井までは約7ｍありますので、足場をかけて作業を行うかたちとなります。室内では天窓の穴を塞ぎ、剥がれたクロスを張り替えます。

工事の様子

　まずは天窓周辺の瓦を取り外します。一般的には大工さんが天窓を撤去し下地を組んでから、瓦職人さんが瓦を戻していきます。しかし、今回は在庫の無いモニエル瓦を取り扱いますので、瓦の扱いに慣れている職人さんが瓦の撤去を行いました。万が一、工事中に割れてしまっても作業を進められるよう、数枚の瓦は余分に確保しています。

　続いて、天窓本体を取り外していきます。天窓を外す際には、雨水が浸入していた跡がくっきりと確認できました。窓の木枠が腐食し、周辺のビスや鉄部が錆びています。

　定期的にメンテナンスを行い、雨漏りなどの不具合を起こさないようにするのが理想的ですが、不具合が起きてからメンテナンスをされる方も少なくはありません。今後、メンテナンスの手間を無くしたいとお考えの方には、天窓撤去がおすすめです。

　天窓が設置されていた箇所には大きな穴が開いている為、木板（野地板）で塞ぎます。その上から防水紙を敷設し、瓦を葺くための瓦桟を設置していきます。

　復旧に使用する瓦は中古で集めた為、色の違いがありました。黒や茶色でまばらでしたので、取り付ける前に塗装を行い、色を均一にしています。既存の瓦と比べると色の差はありますが、復旧後に全体的に塗装することも可能です。

　壁との立ち上がり部分には板金やコーキング材を使用し、雨漏り対策を行いました。瓦を並べる作業は簡単に見えますが、隙間をつくらずに納める為には職人さんの技術が必要になります。

内装も復旧

　屋根上での作業が終わりましたので、室内の作業に取り掛かります。天窓が設置されていた部分に断熱材を入れ、ボードで塞ぎます。翌日、クロス屋さんが入り、天井と剥がれた壁紙を貼り直しました。

　クロスを張り替える際には、パテや糊を乾かす時間が必要になりますので、1日がかりの作業となります。また、今回のように足場を設置するとなると、足場を設置したり撤去する必要が出てきますので、事前の打ち合わせ、準備が大切です。

工事を終えて

　天窓の撤去と室内の復旧工事が完了しました。作業は2日間で終わり、長年悩まれていた雨漏りも無事に改善されました。天窓の撤去や交換では、室内の工事が絡んでくる為、必要以上に時間や費用が掛かります。不具合が起きる前にメンテナンスをすることが大切です。

　私たちアメピタでは、お住まいの無料点検を実施しています。雨漏りなどの不具合が心配な方は是非、ご活用ください。