ビフォーアフター

工事基本情報

まず化粧スレートの点検

　強風によってスレート屋根が飛散してしまったとのご相談でしたので、まずは屋根の状態から確認してまいります。化粧スレートは大きく剥がされ、屋根材の下に設置される防水紙も破けていました。

　さらに防水紙が破損してしまったことで下地である野地板も無防備に剥き出しとなり外れかかっておりました。

　化粧スレートは現在最も普及している屋根材ですが、2004年以前に設置されたスレートにはアスベストが含まれている可能性があります。今回ご依頼をいただいたご住宅は築年数40年ということで、アスベスト含有の化粧スレートでした。
　現在は健康被害の可能性が危惧され製造を禁止されているとはいえ、破損がなければ健康を脅かすこともありませんのでご安心ください。アスベスト含有の屋根材は耐久性に優れ、経年劣化をしてもひび割れがほとんどないという利点がありますが、メンテナンスはしばらくされていなかったようで脆くなってしまったものと思われます。アスベスト含有に関わらずスレート屋根は定期的な塗装メンテナンスが有効で、コケやカビの発生や防水性を損なうといった劣化を予防することができます。

　今回ご依頼いただいたスレート屋根にもコケやカビが繁殖していましたので、お客様には屋根カバー工事を提案させていただきました。屋根カバー工事は既存の屋根材の上から防水紙と新しい屋根材を設置し、屋根を二重にする施工方法です。廃材処理費と解体工事費を節約できるため、お客様の「工事費用は最低限で」というご要望にもお応えすることができます。

　続けて棟板金を調査していると、棟板金を貫板に固定する釘が1.5センチほども抜けてしまっていました。棟板金とは屋根の頂点を覆い隠すように設置される板金ですので、最も風雨の影響を受けやすく釘が外れて飛散してしまえば雨漏りにつながることがあります。強風の日に、ご自宅の屋根の頂上からガコンガコンという音が鳴っているという方は、もしかすると棟板金が外れかかっているのかもしれませんので注意が必要となります。

　調査後は、工事が始まるまでの応急的な処置ではありますがブルーシートで雨養生をしました。雨漏りを防ぐことができるわけではありませんが、雨が降った際の雨漏り被害や下地の劣化を抑えることができます。

屋根カバー工事に取り掛かります

　屋根工事ということで、仮設足場が必須となります。金属のパイプで組んでいき、工事中の飛散などを防ぐためメッシュシートで覆います。

　仮設足場工事が終わりましたら、いよいよ屋根カバー工事を施工していきます。まずは既存の化粧スレートの上から防水紙を張りましょう。通常、防水紙は野地板の上から張っていくのですが、屋根カバー工事では既存の屋根材の上から敷いていきます。

　防水紙は厚さ1ミリほどのシートで、建物の内部に雨水を侵入させないための最も重要な役割を担っています。雨水の侵入する余地をなくすため、隙間なく、軒先から棟の方へかけて張ることが重要です。

　軒先に唐草を設置します。水切り板金の一種で、軒先が雨に打たれて劣化してしまわないよう守ってくれます。ステンレス製のビスで固定していきます。

　唐草の設置も完了しましたら住宅の外観を左右する屋根の主役、屋根材の設置です。屋根材にはアイジー工業の金属屋根、スーパーガルテクトを使用していきます。高耐久かつ高性能、保証も充実していながらデザインにも優れる金属屋根材となっています。今回の使用カラーはSシェイドモスグリーンです。

　最後に棟板金の設置をして工事の完了となります。棟板金にもスーパーガルテクトを使用し美観を維持しながら、スーパーガルテクト専用ビスで固定することで錆びの心配もなくなります。棟板金の隙間にはコーキング処理をしていきましょう。コーキングによって隙間から雨水が侵入することを許しません。

　防水紙と屋根材の新設により、もう雨漏りの心配はございません。防水紙、唐草、新規屋根材、棟板金の設置を以て、ついに屋根カバー工事の施工完了です。スーパーガルテクトのSシェイドモスグリーンのカラーが映えています。主張は強すぎず、爽やかで気持ちがいいですね。

　私達、アメピタではサッシや雨樋の修理から外壁塗装、屋根葺き替えまで幅広い経験と知識がございます。雨漏り工事のご依頼を、心よりお待ちしております。