ビフォーアフター

工事基本情報

瓦屋根の点検

　お住まいの二階の天井からの雨漏りにお悩みで修繕のご相談を頂きました。雨量によって雨漏りをする時と平気な時があるとの事でしたが、酷い場合には天井から滴って来てしまう程の雨漏りが起こるそうです。瓦屋根の雨漏りで多いのは棟の漆喰が抜けてしまい内部の土もえぐれてしまう様な場合や、瓦の破損から防水紙の穴開き部分から浸水する場合です。まずはそのあたりの可能性を疑い調査を進めていきます。
　まずは外側から屋根の様子を見てみます。近隣住宅が多く立ち並ぶ立地で、該当部分はあまりはっきりと確認する事が出来ません。次は屋根に上って確認をしていきます。

　以前の修理では、該当の場所にある隅棟の周囲にコーキング処理を行った様でした。のし瓦の周囲にはコーキングを充填した形跡が見受けられます。棟近くの瓦を数枚外して防水紙の状態を確認致しましたが、防水紙は問題が無いようでした。防水紙に穴が空いてそこから雨漏りをするというのは良くある事例です。
　親棟と隅棟が重なる三又部分の漆喰が抜けてしまっていたので、そこに漆喰で補修を行い、それでも雨漏りがとまらない場合は状況から棟の下の防水紙に問題がある可能性が高い事をご説明し、屋根の葺き直しか葺き替えが必要な事をお伝えしましたが、しばらく経過した後の雨で雨漏りが発生し、思い切って屋根葺き替え工事を行う事になりました。お客様は瓦屋根の重さが以前から気になっていた様で、せっかく屋根の葺き替えを行うのなら、軽量化ができる屋根材をご希望でした。そこで三種類の屋根材をご提案させて頂いたところ、コストとメンテナンス性、重量の部分においてアスファルトシングル屋根材をお選び頂きました。

葺き替え工事の様子

　瓦屋根は非常に重量のある屋根材です。棟周りだけでも冠瓦、のし瓦、漆喰、土が使用され相当な重さがあります。その為、本格的な瓦撤去工事の前日に棟周りの撤去作業を行う必要があります。それに加えて今回は雨養生も実施致しました。工事期間中は晴天に恵まれ、殆ど無風の状態で工事を行う事が出来ました。今回の様な工事では風が無いと土埃が舞いにくいので助かります。

　総勢6名で瓦降ろし作業をバケツリレー形式で行います。この作業中、鳥の巣を数か所発見しました。鳥の巣が葺き替え工事の際に出てくるというのは、所謂あるあるです。古い巣だったので鳥は住んでいませんでした。

　瓦をすべて撤去し、残りの土などを掃除していきます。中の防水紙が見えて来ました。ここで一つ気になる事を発見致しました。なんと、防水紙の貼り方が間違っていたのです。正しくは軒に対して平行に張り上げるのですが、これは水平です。こういう間違いも雨漏り原因に充分なり得ます。
　掃除をしながら雨漏りをしていた場所の確認をすると、防水紙が切れてしまっておりました。瓦外しで切れたわけではありません。雨漏りの原因は防水紙の破損、防水紙の貼り方にあったと考えられます。また既存の防水紙は一般的に多く使用されているものよりも薄いものでした。防水紙が薄いと、その分耐久性や耐水性が低いという事は想像に難くないですね。

　既存のいらない屋根材を全て撤去したら、まずは野地板を用いての下地の作成です。

　野地板を貼り終えたら、軒先に唐草という水切り板金を設置し、その上に少しかかるように防水紙を軒先から敷設します。これで屋根材を葺く準備が完了です。ここまで施工が終われば工事途中でも雨漏りの心配はありません。
　次にアスファルトシングル屋根材を敷いていきます。

　今回の工事ではニチハのアルマを使用致しました。瓦よりかなり軽い屋根材とは言え、人が持つには相当な重量があります。そしてコロニアル屋根材のように硬くないので持つと曲がります。そうすると持ちにくいので体感での重量は更に増します。

完工

　屋根材を敷き、棟を収めれば完工です。棟の収め方は、屋根材と同じ材料で収める方法と、コロニアル屋根などと同様に棟部分の脇に貫板を配し、鋼板製の棟包みで収める方法があります。今回の工事では後者を採用致しました。棟包みに使用する鋼板はガルバリウム鋼板です。
　雨漏りの解消と屋根の軽量化の二点を実現出来、お客様も大変ご満足の様子でした。材料の単純計算ですが、屋根の重量を2.5tから1tに出来たので1.5ｔも軽量化する事が出来ました。これで地震が来ても以前より安心です。

　私達、アメピタでは、今回の様な瓦屋根の葺き替え工事経験が多くございます。葺き替え工事の費用は、使用する材料などで変わりますが、切り妻屋根60㎡の場合￥898,000～承っております。詳しいお見積もり金額に関しましては、アメピタの無料点検の際にお気軽にお尋ねください。