ビフォーアフター

工事基本情報

点検の様子

　雨漏りしているということですので、早速お客様のお住まいへ向かいます。室内を見ると壁と壁際の天井が変色しているのが分かります。長期間雨水が染み込み続けた壁にはカビが発生しました。白く変色しているのは見た目にも良くありませんし、カビの胞子が健康被害を及ぼすこともありえます。

　お住まいの外観は非常に重厚な造りの家屋で、外壁は天然木の兜張りです。以前は全国的にこのようなお住まいは多かったのですが、現在ではあまり見ないですね。屋根は最も格式が高いとされる入母屋で、破風や棟には微妙な曲線である反りとむくりがあります。これは職人の技術が必要とされる葺き方です。その屋根の上には植物が生えていました。

　屋根の形状が複雑なことによって色々なものが溜まりやすいようです。枯葉などが多く溜まっています。お家の周りに緑が多い為、飛来した種子が棟の下に入り込んで発芽してしまったのでしょう。棟の下には瓦の角度を調整するために土が詰められています。つまり、種子が付着するとそこで発芽する事は容易なわけです。雨漏りしているので防水紙の交換も必要です。この部分の瓦や棟を解体し、防水紙を交換してから元に戻す屋根葺き直しを行います。

工事の様子

　屋根葺き直し工事に際して、まずは棟を解体していきます。冠瓦と熨斗瓦を取り除いていくと葺き土と呼ばれる土が顔を出します。この葺き土はもう不要ですので、袋に詰めて破棄します。

　屋根の面の部分である平場の瓦も取り外していきます。防水紙にはとんとんと呼ばれる木の皮を薄く裂いたものが使われていました。最近ではゴム製の防水紙が主流ですが、昔はこのとんとんを主に使用していました。

　水平方向に設置されている桟木を撤去して、とんとんの上から防水紙敷設していきます。防水紙は改質アスファルトルーフィングのカッパ23を使用します。破れにくく、釘の穴からの漏水にも強い、現代の技術が詰め込まれた高品質の防水紙です。

　防水紙の上に瓦をひっかけるための桟木を取り付け、瓦を葺いていきます。棟の瓦も積み直していきます。棟の瓦を載せる土台には葺き土ではなく、南蛮漆喰を改良したシルガードを使用します。このシルガードは土台にも使える他、面戸の仕上げなどにも使用できる優れものです。

　入母屋は棟が隣接していたり、途中で瓦の流れが変わったりして、かなり複雑な造りです。それに加えて途中で微妙な曲線を描く反りや起りがあるので、工事には職人の高い技術が必要とされます。現代ではその技術に長けた職人は以前よりかなり少ないのではないかと思います。

施工完了

　これで入母屋造りの屋根の葺き直しは完工です。雨漏りすることはありませんのでご安心頂ければと思います。入母屋造りは複雑な形状のため、雨漏りが発生してもすぐに原因の箇所を特定することが出来ない可能性があります。少し手間がかかりますが、定期的な点検を行う事が重要です。
　私達アメピタでは、現代では珍しい今回の様な入母屋の屋根の施工経験が豊富にあります。入母屋に限らずお住まいに雨漏りが発生しておりましたら、是非アメピタの無料点検をご利用ください。今回行った屋根葺き直し工事の料金は、１㎡あたり約10,000円～承っております。詳しい金額は無料点検の際にお気軽にお尋ねください。