ビフォーアフター

工事基本情報

点検の様子

　室内には壁と天井の隅に雨漏りの跡が見受けられました。窓の付近ではありますが、この場合ですと窓からの雨漏りではなく屋根からのものだと思われます。

　こちらのお住まいは陸屋根で、屋上に出入り出来る造りです。一軒家ではあまり多くは無い陸屋根ですが、学校やマンションなどではよく見られる構造です。この陸屋根、メリットとデメリットがあります。

　まずはメリットですが、屋上を有効利用出来るのが一番大きな利点でしょう。傾斜がなく立ち入りが可能なため、様々な用途で活用できます。
　また、劣化しているかどうかの確認が容易です。一般的な屋根には危険なので簡単には上がれませんが、陸屋根は立ち入ることが出来るので劣化などの不具合に気が付きやすいです。
　次にデメリットですが、いくつかある中で最も大きいのは雨漏りではないでしょうか。一般的な屋根と比べて陸屋根はその形状により雨水が溜まりやすいです。しっかりと防水がなされていない、また排水が上手く機能していないなどの要因で雨漏りが発生してしまう可能性があります。
　また、屋根と天井の間の層が少ないため暑さ・寒さが最上階で感じやすいです。雪に関しても注意が必要で、積雪が勝手に滑り落ちる事は無いので一定の積雪量を超えたらご自身で雪かきを行う必要があります。

　点検を進めて行くと、屋上の外壁にクラックが見受けられます。これは構造クラックと呼ばれるもので、早急に対処する必要があります。あまり問題の無いヘアクラックを放置するといずれは構造クラックに進行してしまいますので注意しましょう。

　笠木と外壁の間、取り合いの部分に隙間が発生しています。この様な隙間はコーキング処理をする必要がありますが、経年劣化によって徐々に隙間が再発してしまいます。定期的な打ち直しが必要なのですが、中には機能として必要な隙間も存在しますので、判断が難しければご自身で施工なさらずに専門業者に点検してもらってください。

部分補修・雨樋清掃

　まずは雨樋に堆積したゴミや汚れを除去する作業から開始致します。こちらのお住まいは箱型の雨樋が使用されています。板金である為耐久性に優れておりますが、ゴミや汚れが溜まっているので水捌けがかなり悪い状態です。
　水が溜まった状態が続くと雨樋自体の寿命も縮まりますし、当然雨漏り発生の可能性も高まります。
　通常の丸樋・角樋などで取り付けているお住まいですと、雨水の詰まりだけで破損してしまいますので気をつけましょう。　雨樋の水の流れが悪い時は、こちらのお住まいの様に汚れの堆積が原因であることが多いです。

　溜まってしまったゴミを除去するだけでも改善する可能性がありますので、清掃をこまめに行うと良いでしょう。

　板金の部分や排水ドレンを見ても破損している箇所は見つかりませんでしたので、経年劣化による雨漏りとは考えにくいです。しかし、雨樋の壁に固定している板金の釘が錆びているようで、この部分も補修が必要です。手摺にも錆が見られ、腐食が始まっている様です。鉄は錆が天敵ですので、錆びる前に塗装で保護を行いましょう。腐食が進行している場合は、溶接等で補修が必要で工費が上がってしまいますのでご注意ください。

　隙間が空いてしまっている部分をコーキング処理し、雨漏りの原因をつぶしていきます。綺麗に仕上がるようにあらかじめマスキングテープで養生を行います。外壁や板金に近い色のコーキング材を選択する事によって、処理跡が目立たないようにすることが出来ます。

　しっかりと構造クラックを埋めて行きます。ただ塗るのではなく覆うように埋めるのがコツです。薄く表面に乗せるだけでは十分な効果は期待できません。

コーキングによる部分補修完工

　これで補修工事は完了です。後は実際に雨が降った際に雨染みが出ないかを確認するだけですが、しっかりとコーキング材で補修したため恐らく問題はないでしょう。しかし、原因が別のところにもある場合はその補修もしなくてはいけません。
　コーキング材に関してですが、これは紫外線によって劣化してしまうという特徴があります。今回は行いませんでしたが、気になるようでしたら塗膜による保護を行うのが良いでしょう。
　
　私達アメピタでは、今回の様な部分補修工事も承っております。お住まいの構造クラックが気になる場合や、その他補修が必要な個所がございましたらアメピタの無料点検をお試しください。また、部分補修の施工料金は例えば軒天の張替えですと１㎡あたり約9,500円～承っております。詳しい料金につきましては無料点検の際にお気軽にお尋ねください。